貴重な秘仏がたくさん!【最澄と天台宗のすべて】仏像のみどころ

特別展「最澄と天台宗のすべて」略して天台展。
東京会場(東京国立博物館)に行ってきました。

天台展の東京会場(東博平成館)

みどころの一つが、全国からお集まりになった秘仏の皆様。
仏像ファンとしては、どの仏様も素晴らしく大感激でした!

この記事では特に初心者の方にも魅力がわかりやすい
大きい、個性的、ストーリーがある仏さまをご紹介します。

最後に撮影スポットとおすすめお土産もご紹介します。それではどうぞ!

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魅力がわかりやすい仏像

金剛力士立像(福島 法用寺)

福島県法用寺の金剛力士立像

金剛力士立像(福島 法用寺)2躯 重要文化財 平安時代

後半の会場に入ってぱっと目に入る、大きな仏様。高さ2mを超えます!
仏像ファンとしてご紹介したい鑑賞ポイントを3つ

1、お寺のある会津は、最澄と思想で対立し激論を交わした高僧
徳一とくいつが布教した仏都。
長い年月の後、天台展で会津の仏様にお会いできて
「考えが違っても、祈りで人々を救おうとした事に変わりないですよね」
という感動がある。

2、数年前に現地で拝観したとき
無住職のお寺で、近所の方が管理しておらた。
地元の方のご苦労あって守られている仏様が
東博の檜舞台で輝いておられるのが感無量。

3、絵に描いてみると、 風化で濃く見えてきた年輪が
目や体の表情に力を与えていることがよくわかる。
長い年月と人々の祈りが、仏様の尊さに磨きをかけている。

金剛力士立像の目と胸アップ

東北、福島にありながら中央の作風を踏襲するしっかりしたプロポーション・細部の表現。
仁王像としは珍しいスマートなお姿かなと思います。
とにかく堂々と大きい事!すごくカッコイイのです!

慈眼大師(天海)坐像(栃木 輪王寺)

重要文化財  慈眼大師じげんだいし天海てんかい)坐像(栃木 輪王寺りんのうじ)  江戸時代

東京国立博物館のある上野公園は、江戸時代までは大きなお寺でした。その名は
東叡山とうえいざん寛永寺かんえいじ」。これは、京の
比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじ」にちなんだもので
天台宗の、江戸における大きな拠点だったのです。

ご紹介の像は上野で寛永寺を創建した天海のお像なわけですが
威圧感バリバリの表情!!

天海は徳川家康の側近として活躍し、混迷の江戸初期に政権に近かった
まあーーー凄みのある人物なのですわ。
幕府の統治にあだなす者をギロリとねめつける顔面抑止力がんめんよくしりょくを、ぜひご覧ください。

十二神将立像(愛知 瀧山寺)

十二神将立像(愛知 瀧山寺たきさんじ) 鎌倉時代作 12軀のうち4軀

おもわず「わあーーーーー」と心がゆるむ、ユーモラスな表情!
変な顔して笑わせて下さってるような、優しく親しみを感じさせて下さる
あったかい仏様たち。
十二神将立なのに、武装していない姿があるのも珍しいですね。
愛知県岡崎市の瀧山寺は、運慶・湛慶作の諸像がある事で有名。
正統派の写実的な仏様だけでなく、独自の表現に進化した地方の仏さま
大好きです!

釈迦如来倚像(東京 深大寺)

東京都深大寺の釈迦如来倚像

国宝 釈迦如来倚像しゃかにょらいいぞう(東京 深大寺じんだいじ) 飛鳥時代

東日本最古にして、東京のお寺さん所蔵としては唯一の
国宝仏。
飛鳥時代後期(白鳳期)に文化の中心であった畿内で造られたと考えられる
由緒ある仏さま。
イスに座ったポーズが珍しく、エキゾチックな魅力に溢れています。

高さ83.9cmと小ぶりな印象ですが
端正なお顔にすらりと伸びた膝下。堂々とした風格です。

法隆寺夢違観音ゆめたがいかんのん(国宝)や、新薬師寺の香薬師こうやくし(重文)とよく似ており
同じ工房で造られた可能性が指摘されています。
奈良から東京へ、どんないきさつでお越しになったのでしょう⁈

現地に足を運ぶと、緑あふれる小高い丘の上にお寺さんがあり賑わう参道を抜けて
この黒く美しく輝くお釈迦さまに会いに行く心癒されるおさんぽができます。
(東京の散歩コースとしてすごくおすすめ!)

慈恵大師(良源)坐像(東京 深大寺)


慈恵大師じえだいし良源りょうげん)坐像(東京 深大寺じんだいじ)  鎌倉時代

お寺では元三大師がんざんだいし像と呼ばれている、大きな大きなお坊様の像。
僧呂のお姿としては日本最大!展覧会初出展の秘仏。必見です。

Twitterの画像より、実物は大きく感じますね。
なんせ座ったお姿で高さ約2m!
明らかに人のお姿で
明らかに人としてはありえない大きさ。
脳が混乱して神々しくも恐ろしくもあり、くぎ付けになってしまいます。

慈恵大師(良源)。通称、元三大師。
いろんなふうに呼ばれている、平安期のお坊さま。比叡山延暦寺の中興の祖です。
中世以降は厄除けのご利益があるとして、信仰をあつめました。
確かにこんなに大きくて厳しいお顔だったら、厄を払ってもらえそうです!

このお像は205年前にも、ここ上野に来たことがあるそうです。
先にも触れましたが、東博のある場所は江戸期には寛永寺という大寺院。
深大寺から寛永寺に出張でやってきた元三大師像は
大きくて重たくて、お寺の門を通るのに大変苦労したそうです。

大いなる故、なかなか通り難く、その上、重きこと、また夥おびただしければ、すべき様なく、他車に乗りて黒門(寛永寺総門)を引入ぬ。
『遊歴雑記(ゆうれきざっき)』(深大寺公式サイトより)

車を乗り換えて、やっと門を通ったようですね!
今回の展覧会場への搬入も、大変だったのではないでしょうか。

他にも素晴らしい仏像をたっくさん拝めます!
仏像紹介はここまでとさせていただきます。

撮影スポット

会場内には撮影OKのスポットが一か所あります。「不滅ふめつ法灯ほうとう」を再現した舞台です。

「不滅の法灯」を再現した舞台

延暦寺の根本中堂こんぽんちゅうどう (本堂)には
最澄の時代以来、絶えず揺らめいている炎があります。
それが「不滅の法灯」。
織田信長に焼き討ちされたとき、一度途絶えてしまいましたが
山形県の立石寺りっしゃくじに分けていた炎を持ってきて、再び点火したそうです。

立石寺、通称「山寺やまでら」。
松尾芭蕉の「しずかさや岩にしみ入る蝉の声」で有名な名刹ですね。
交通の不便な時代に、山形から京都まで火を運ぶって…
天台宗のネットワーク、すごい!

お土産、休憩所

限定御朱印

カラフルな限定御朱印が6種類もありました!全部欲しくなっちゃいます
私はなんとなくお不動様😊

「最澄と天台宗のすべて」限定御朱印

お坊様がいらして、日付を入れて頂けます。
「どの仏さまがお好きでしたか?」なんて会話もして下さってとても嬉しかったです!

休憩所

会場入り口左手に特設カフェがあり「梵字ラテ」が頂けます。
めちゃめちゃ素敵😍😍😍

梵字ラテの看板

コーヒーブレイクで、展覧会の感動を心に焼き付けるのもいいですね。

この記事では特に仏像に絞ってお伝えしましたが、書画などについても別記事に書きました。
よかったらどうぞ!


最後までお読みいただきありがとうございました😊

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この記事を書いた人
真船きょうこ

イラストレーター・漫画家/仏像描いて10余年 ▶︎京都で日本画や仏像史を学ぶ→デザイナ→漫画家 ▶︎著書に『仏像に恋して』『彼と彼女のヒストリごはん』など ▶︎静岡生まれの関東在住、絵画講師、一児の母。詳しくはこちら

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