司馬遼太郎『関ヶ原』中 | 歴史愛~歴史を学び、実生活を豊かにする~

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「温故知新」とは言いますが、世の中を見渡すと表面的な教訓ばかりでイマイチ実生活に活かすことのできない解説ばかりです。歴史的な出来事を、具体的な行動に置き換えて実生活をより豊かにし、願望を実現する手助けになるように翻訳していきます。


※こちらの記事は、令和元年6月3日に書かれたものです。

皆さんこんばんは。
今回は3年ぶりのブックレビューでして、しかも3年前に読み終わって返してしまった本についてです笑

司馬遼太郎氏の『関ヶ原(せきがはら)』の中の感想です。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

上巻についての記事を読みたい方は、下記リンクをクリックしてください:
司馬遼太郎『関ヶ原』上

何しろ読んだのは3年前でして、さらに僕は山岡荘八氏の『徳川家康』のファンでありつつも、同時進行で両書を読んだので、多少こんがらがっているところはあります笑

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司馬遼太郎『関ヶ原』下




ですが、主人公であるためにめっちゃ家康びいきの荘八氏と、どちらかというと家康を謀略家として描いている司馬遼太郎氏の違いは面白かったですね。

下記ブログさんが石田三成と徳川家康のステレオタイプのイメージはこの『関ヶ原』によってできた、みたいなことを書いていらっしゃいますが、そうだとすればだいぶいいたいことはありますね。

そもそも、関ヶ原の戦いは豊臣(とよとみ)家vs徳川(とくがわ)家の戦いではありませんからね。
豊臣家の石田(いしだ)派〔毛利(もうり)派〕と徳川派の内紛ですからね。

結果的に徳川家は豊臣家に成り代わって天下を取りましたが、この戦いを、学校の教科書ですら豊臣家vs徳川家みたいに描いているのは恣意(しい)的な記述ですし、勉強不足であるといわざるを得ません。

よく考えてみてくださいよ。
徳川方には主力軍が参戦していないんですよ?
主力が嫡子(ちゃくし)秀忠についていて、戦場に到着していないのに家康は戦いを始めさせたんですよ?

それで、結果的に徳川方の主力になったのは福島正則や黒田長政などの豊臣家臣たちです。
彼らは家康贔屓(びいき)であったかもしれませんが、あくまで豊臣家臣(かしん)であり、豊臣秀頼のために参戦しています。

それに、徳川家康が豊臣家を滅ぼすためにこの戦いを仕掛けたのであれば、大坂(おおさか)城を攻めて秀頼を自害させるのに15年もかける意味がわかりません。

関ヶ原に勝った勢いでそのまま大坂になだれ込めば、秀頼は幼少なのだから簡単に落とせたはずです。

そもそも秀吉は織田(おだ)家を乗っ取っています
秀吉の織田信孝の追い詰め方は相当えぐいですよ?

だから、もし家康が豊臣家の天下を掠(かす)め取ったという言い方をするのであれば、秀吉も織田家の天下を掠め取っていることになります。

ということで、司馬遼太郎氏の作品の感想など一切書かず、関ヶ原における徳川家康の評価で終わってしまいました笑

また次回!


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関ヶ原の戦いに学ぶ―相手に納得感を与える

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笠谷和比古『関ヶ原合戦―家康の戦略と幕藩体制―』

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※画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・徳川 内大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
とくがわ ないだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・石田 治部少輔〔通称は佐吉〕 下毛野?〔平?〕 朝臣 三成
いしだ じぶのしょう〔通称はさきち〕 しもつけぬ?〔たいら?〕 の あそん みつなり
・徳川 権中納言〔通称は不明〕 源 朝臣 秀忠
とくがわ ごんのちゅうなごん〔通称は不明〕 みなもと の あそん ひでただ
・福島 左衛門大夫〔通称は市兵衛、市松〕 源 朝臣 正則
ふくしま さえもんのだいぶ〔通称はいちべえ、いちまつ〕 みなもと の あそん まさのり
・黒田 甲斐守〔通称は吉兵衛〕 源 朝臣 長政
くろだ かいのかみ〔通称はきちべえ〕 みなもと の あそん ながまさ
・羽柴 権大納言〔通称は藤吉郎〕 豊臣 朝臣 秀頼
はしば ごんのだいなごん〔通称はとうきちろう〕 とよとみ の あそん ひでより
(文献上「羽柴」を名乗った例はないが、名字に該当するものは「羽柴」である)
 
・織田 侍従〔通称は三七郎〕 平〔忌部?、藤原?〕 朝臣 信孝
おだ じじゅう〔通称はさんしちろう〕 たいら〔いんべ?、ふじわら?〕 の あそん のぶたか
・羽柴 太政大臣〔通称は藤吉郎〕 豊臣 朝臣 秀吉
はしば だじょうだいじん〔通称はとうきちろう〕 とよとみ の あそん ひでよし
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
司馬遼太郎とビジネス書と農業関連本などを読む。
風吹く荒野をのんびりと
Cantabile


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