鶴岡八幡宮を味わう(3)―源平池とゆかりの人物 | 歴史愛~歴史を学び、実生活を豊かにする~

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「温故知新」とは言いますが、世の中を見渡すと表面的な教訓ばかりでイマイチ実生活に活かすことのできない解説ばかりです。歴史的な出来事を、具体的な行動に置き換えて実生活をより豊かにし、願望を実現する手助けになるように翻訳していきます。


※こちらの記事は、令和2年8月8日に書かれたものです。

皆さんこんばんは。
今回は断続的に続いている「鎌倉(かまくら)旅行シリーズ」の第7弾で、「鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)」についての第3弾となります!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【今までの記事】
鎌倉ですごい神社を見つけた!(甘縄神明神社)
平成28年の小町通り(1)―光輝くシラス丼と極上のクレープ
平成28年の小町通り(2)―垂涎の腸詰と宝石のようなマカロン
平成28年の小町通(3)―原点回帰したい人のためのおしゃれ団子
鶴岡八幡宮を味わう(1)―太鼓橋と舞殿
鶴岡八幡宮を味わう(2)―大銀杏と本宮

日本有数の観光地である鎌倉ですが、その魅力とは何なのかについて語りたいと思います。

とりあえず有名だから行ってみたけど、人は多いしなんだかよくわからない建物ばかりだし、階段は急だしよくわからない!という人のために楽しみ方を説明したいと思います。




源平池が作られた時代




今回は、三の鳥居(さんのとりい)をくぐってすぐのところにある「源平池(げんぺいいけ)」について書きたいと思います。

この池、なんと寿永(じゅえい)元年(1182年)からここにあるそうです。

当時「武衛(ぶえい)」と呼ばれた源頼朝が作らせたとのことです。

寿永元年(1182年)といえば源平合戦(げんぺいがっせん)の真っ最中ですが、戦いは主に武田太郎源信義(※)が率いる甲斐源氏(かいげんじ)や、木曽次郎源義仲が率いる信濃源氏(しなのげんじ)が担っており、武衛は戦闘をしていませんでした。
※武田信玄や四郎勝頼などの祖先です。


武田信玄らの甲斐武田家についてもっと知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
天目山の戦いから学ぶ―撤退のベスト・タイミングとは

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また、武衛が戦闘をしなかった理由として、養和(ようわ)の飢饉(ききん)による食糧不足で軍事行動がとれなかったともいわれています。
※甲斐源氏、信濃源氏なども大規模な動きはできなかったようです。

そんな状況だったこともあり、武衛は鶴岡八幡宮造営に力を入れたのかもしれませんね。



造営を担当した大庭景義


池の造営は大庭平太景義が担当したと言われています。

大庭平太とはどんな人物かというと、桓武平氏鎌倉氏族(かんむへいし・かまくらしぞく)という一族で、三浦(みうら)氏や梶原(かじわら)氏、長尾(ながお)氏などと同族です。


三浦家の分流芦名家の出と言われる南光坊天海について:
『麒麟がくる』第44回―南光坊天海について

鎌倉家の分流と言われる美濃竹中家の登場する記事:
『麒麟がくる』第15~16回―織田一族の関係性と斎藤新九郎高政の重臣たち

長尾家の末裔である会津中納言上杉景勝の登場する記事:
長谷堂城の戦いに学ぶ―算盤勘定をもつ


平太は武衛の父である左典厩源義朝に忠誠を誓っており、治承(じしょう)4年(1180年)、武衛が挙兵したときにいち早くはせ参じています。

鎌倉氏族は主に南関東―相模(さがみ)を中心に勢力をもった一族で、武衛が鎌倉に本拠地を据えたことから、周辺に本拠地を構えていた鎌倉一族が重用されます。

大庭平太もその一人でした。

また、大庭といえば大庭三郎景親も有名ですね。

大庭三郎は平太の弟です。

兄・平太とは違って彼は平家(へいけ)に忠誠を誓っており、石橋山(いしばしやま)の戦いで武衛を敗走させたことで有名です。
※三郎は富士川(ふじがわ)の戦いののち、降服して処刑されました。

そんな大庭平太が造営したと言われる源平池ですが、上掲写真と下記ブログさんの写真を比べると面白いですよね。

蓮の量が…笑

上掲写真を撮影したのは平成28年なのですが、この3~4年で急増したのでしょうか?

それとも、季節の違い?
(上掲写真はGWの撮影です)

要因はわかりませんが、その時々によって異なる表情を見せる源平池も魅力的です。

↓この時、舞殿(まいどの)で結婚式をやっていました!


今回は以上です!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・右兵衛権佐〔武衛。通称は三郎〕 源 朝臣 頼朝
うひょうえごんのすけ〔ぶえい。通称はさぶろう〕 みなもと の あそん よりとも
・武田 太郎 源 信義
たけだ たろう みなもと の のぶよし
・木曽 次郎 源 義仲
きそ じろう みなもと の よしなか
・武田 大膳大夫〔通称は太郎〕 源 朝臣 晴信〔入道信玄〕
たけだ だいぜんのだいぶ〔通称はたろう〕 みなもと の あそん はるのぶ〔入道しんげん〕
・武田〔諏訪〕 大膳大夫〔通称は四郎〕 源〔神〕 勝頼
たけだ〔すわ〕 だいぜんのだいぶ〔通称はしろう〕 みなもと〔みわ〕 の かつより
・〔大庭〕懐島権守〔通称は平太〕 平 朝臣 景義
〔おおば〕ふところじまごんのかみ〔通称はへいた〕 たいら の あそん かげよし
・左馬頭〔左典厩。通称は上総御曹司〕 源 朝臣 義朝
さまのかみ〔さてんきゅう。通称はかずさおんぞうし〕 みなもと の あそん よしとも
・大庭 三郎 平 景親
おおば さぶろう たいら の かげちか
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
鶴岡八幡宮 施設案内
鎌倉手帳(寺社散策)
源氏池とカメやリスの様子が平和的です。
tokyotravelguide2020のブログ
源平池の蓮について
相模太夫の旅録=Tabi Log
暑い中お疲れ様です。
毎日つらたん。


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