『西郷どん』第39~41回―幕末~明治にかけての改名の誤解 | 歴史愛~歴史を学び、実生活を豊かにする~

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「温故知新」とは言いますが、世の中を見渡すと表面的な教訓ばかりでイマイチ実生活に活かすことのできない解説ばかりです。歴史的な出来事を、具体的な行動に置き換えて実生活をより豊かにし、願望を実現する手助けになるように翻訳していきます。


※こちらの記事は、平成30年11月15日に書かれたものです。

皆さんこんばんは。
今回は今年の大河ドラマ『西郷どん』第39~41回の感想です。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

まずはあらすじ。
明治時代になって東京(とうきょう)を退き、薩摩(さつま)改め鹿児島(かごしま)に戻った西郷隆盛(鈴木亮平)。政府のことは大久保利通(瑛太)に任せ、東京に出仕(しゅっし)するつもりはなかったが、横山安武(笠松将)の諫死(かんし)と弟従道(錦戸亮)の勧誘、そして息子菊次郎(城桧吏)の言葉により東京行きに傾いていく。

利通は廃藩置県(はいはんちけん)を進めるため、岩倉具視(笑福亭鶴瓶)とともに勅使(ちょくし)として鹿児島を訪れた。廃藩置県を進めるために国父(こくふ)島津久光(青木崇高)に力を貸してくれるよう説得するが失敗する。隆盛は利通の政策に賛同し、雄藩(ゆうはん)の旧藩士(きゅう・はんし)を集めて御親兵(ごしんぺい)を作る提案をし、上京することになった。東京にて新政府の会議に参加した隆盛は一枚岩ではない政府の様子を見て、複雑な思いを抱く。

隆盛が上京したあと、岩倉や利通らは政治制度を学ぶために欧米に行くこととなった。隆盛はその間の留守を任されるが、長州(ちょうしゅう)出身の陸軍大輔(りくぐんたいふ)山県有朋の不正が発覚し、窮地に立たされる。そんななか、天皇陛下の行幸(ぎょうこう)を企画し、鹿児島に帰ることになる。そこで久光に呼び出され、意外なことに叱咤され、感激する隆盛であった。

ということで、




第39回は「父、西郷隆盛」。
まぁ、ドラマとしてはよかったと思います。
しかし下の「敬天愛人(けいてんあいじん)」さんを読むと、横山安武と西郷隆盛の関係性がうまく描かれていなかったようですね。
まぁいいか 笑


他ドラマで西郷吉之助隆盛の登場する回についての記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
『青天を衝け』第31回―井上家について

同関連記事:
『青天を衝け』第30回―五代家について

同関連記事:
『青天を衝け』第17回―武田耕雲斎について


で、僕が気になったのはやはり「名前」ですね。
僕は常々言っているのですが、一般的に幕末(ばくまつ)~明治にかけての人物の改名の認識は間違っています。
一般的な認識は

・西郷吉之助→西郷隆盛
・大久保一蔵→大久保利通
・桂小五郎→木戸孝允
・西郷信吾→西郷従道

なのだと思いますが、実際は

・西郷 吉之助 藤原 隆永→西郷 吉之助 藤原 隆盛
・大久保 一蔵 藤原 利済→大久保 一蔵 藤原 利通
・桂 小五郎 大江 孝允→木戸 小五郎 大江 孝允
・西郷 信吾 藤原 隆道→西郷 信吾 藤原 従道

です。


武家の名前について詳しく知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
武家や公家の名前について

関連記事:
『麒麟がくるまでお待ちください』第4回―羽柴藤吉郎の名称

関連記事:
神主は「名字」ではない「氏」の存在を認識すべき


明治の法令で戸籍上の名前は「苗字(みょうじ)ひとつ、名前ひとつ」と決められ、上記のような通称を名乗ることは禁止されてしまったのでおおっぴらには名乗っていなかったようですが、大久保一蔵は変わらず大久保一蔵ですし、西郷吉之助は変わらず西郷吉之助です。

そもそも、現代は上記「武家や公家の名前について」に書いたような通称の伝統をほとんどの人が覚えていなくて、さらに戸籍名=本名という認識ですから無理もないのですが、武家や公家の本名は上記「武家や公家の名前について」に書いた形式のものです。戸籍名と本名は違うんですね。

第40回は「波乱の新政府」。
ドラマとしては今回も悪くなかったと思います。
ただ、廃藩置県の会議で利通の主張についていけない土佐(とさ)肥前(ひぜん)の面々が政府を去ろうとしたとき、隆盛の説得で翻意(ほんい)したのはよくわかりませんでした 笑

よくあの説得でとどまるなって 笑

ここは主人公補正強すぎですね。

第41回は「新しき国へ」。
この回も、山県有朋の山城屋(やましろや)事件が本当は天皇行幸のあとであるがドラマでは逆になっていた、という脚色があって不満ですが、それでも久光の「やり抜け!」はよかったです。

急激に久光がいい人キャラになって疑問を抱きましたが、やはり僕は単純なのか、今まで対立していた人と分かり合えるというシチュエーションに弱いですね 笑

という感じで、今までどおり文句はありつつも割りと楽しんでします 笑

※写真はイメージです。

今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・西郷 吉之助〔吉之介〕 藤原 隆盛〔隆永〕
さいごう きちのすけ〔きちのすけ〕 ふじわら の たかもり〔たかなが〕
・大久保 一蔵〔正助〕 藤原 利通〔利済〕
おおくぼ いちぞう〔しょうすけ〕 ふじわら の としみち〔としずみ〕
・横山 正太郎 (氏不明) 安武
よこやま しょうたろう? (氏不明) やすたけ
・西郷 信吾 藤原 隆道〔従道〕
さいごう しんご ふじわら の たかみち〔じゅうどう〕
・西郷 菊次郎 藤原 (諱不明)
さいごう きくじろう ふじわら の (諱不明)
・岩倉 (官職・通称不明) 源 朝臣 具視
いわくら (官職・通称不明) みなもと の あそん ともみ
・島津 左近衛権少将〔通称は三郎〕 惟宗〔源〕 朝臣 久光
しまづ さこんえごんのしょうしょう〔通称はさぶろう〕 これむね の あそん ひさみつ
・山県 小輔〔狂介〕 源 有朋
やまがた しょうすけ?〔きょうすけ〕 みなもと の ありとも
・木戸 小五郎 大江 孝允
きど こごろう おおえ の たかよし
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
雑記帳
ブログ 敬天愛人
真田のよもやま話
第40回
ブログ 敬天愛人
真田のよもやま話
雑記帳
第41回
雑記帳
ドラマ@見とり八段
真田のよもやま話

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