『株式投資の未来』の要約~これこそ長期投資家の必須知識!~

株式投資の未来

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アメリカの株式投資の研究者・ジェレミーシーゲル教授著の『株式投資の未来』を要約しました。

この本を読むと、長期投資家にはつぎのメリットがあります。

  • 暴落が恐くなくなる(むしろ嬉しくなる)
  • 本当に高いリターンを出す銘柄の条件がわかる
  • 市場平均よりも高いリターンを狙える

僕は日本とアメリカの証券口座を合わせると30万ドル以上を米国株に投資していますが、この本のおかげで株価を気にせずに腰を据えて長期投資に取り組んでいます。

株式市場が荒れていても、この本の内容を知って行動しているだけで将来しれっと市場平均よりも高いリターンを獲得することも可能です。

しかし、この本は『どっかの大学の経済学部の教科書か?』ってくらい、文字が小さくて分厚いのでちゃんと読むには時間がかかります

5分で読めるように、結論と大切なところを3点だけまとめたので、長期投資戦略の参考にしてみてください。

『株式投資の未来』の結論 : 株価よりも配当

長期投資

投資のリターンを最大化するにはどうすればいいと思いますか?

そりゃ、テスラ、アマゾンなど株価が上がっているハイテク企業に投資すればいいんでしょ?

多くの投資家はこう考えますが、これは不正解です。

意外な事実ですが、投資家へのリターンが高い銘柄は『株価が上昇しまくってる銘柄ではない』と証明されています。

理由は、株価上昇している話題の銘柄は、投資家たちが『株価が上がるからとりあえず高くても買う!』ってなり、期待値が高すぎるので、一株当たりの利益に対して株価が割高なのに買ってしまっているから。

価値よりも価格が上がってしまっている状況なんですね。

また、株価が上がると配当利回りが下がり、配当再投資による株数の積み増しペースが遅くなってしまうのが問題です。

じゃあ、どういうものに投資すればリターンが良いのでしょうか?

つぎの3つの特徴を持つ銘柄への投資です。

  • 市場からあまり成長が期待されなく株価が割安
  • 長期的に利益をしっかりと会社に残している
  • 安定した配当金を出し続けている

つまり、みんなが魅力を感じず過小評価されて株価が割安だけど、経営としては利益を会社にしっかりと残し配当金を出し続けてくれる銘柄です。

そして、僕ら投資家たちはこの受け取った配当金の再投資をひたすら続けます

どんなときでも(大暴落時でも)配当再投資を継続し保有株数を積み増していくことで、将来は成長株よりも高いリターンを獲得できます。

株価ではなく、配当こそがリターンの源泉だからです。

『株式投資の未来』の大切なところ3つ

この本で重要だと思うパートを3つ紹介します。先にそれぞれのメリットを一言で述べてしまいます。

  • 成長の罠 : 本当の投資リターンが何かを知れる
  • 下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセル : 暴落を気にしなくなる
  • D-I-V戦略(+セクター戦略) : 投資リターンをさらに高められる

みんな投資リターンについて勘違いしている。『成長の罠』とは?

辛い仕事

一般的には高い話題性や成長性で株価が上がっている株に投資する方が投資家も多くのリターンを手にできると考えられています。

  • 新しい技術で話題になるハイテク企業
  • ハイテクセクターなどの伸びている分野
  • 中国、インドなどの人口増加とともに経済成長している国など

しかし、この考えは『成長の罠』にはまっています。

このアプローチだと、株価は伸びていても投資家へのリターンが高くありません。

ある銘柄の株価がどんどん伸びているとき、みんなが『今後も値上がりするから、いくら高くてもこれを買う!』って心理になっているので、実際の価値よりも株価が割高になっている状況です。

株価が割高な銘柄は、調整局面で株価下落が激しく、焦って安く売ってしまうことになり、結局多くの投資家が損をします。

割高かどうかは、PER(株価収益率)が参考になりますので、市場平均(S&P500)と比べてみましょう。

例えば、テスラはPER100倍を超えてかなり割高です(S&P500は約25倍)。

配当金こそ投資家へのリターン

ドル現金

本書では『配当こそがリターンの源泉』としています。

株価のような下落したらお金が溶けてしまうようなものよりも、実態のある配当金を受け取り、それを長期で再投資していくことが投資リターンを生み出していきます

新興銘柄の株価は上がりやすく配当利回りが低くなる傾向にあるので、配当で保有株数を増やせるスピードは遅いのです。

割安な銘柄の配当再投資がどんどん株価上昇している銘柄にリターンで勝った事例を紹介します。

1957年から2003年の約50年間で、『IBM』と『ExxonMobil』でリターンを比較しました。

当時ハイテク株として人気だったIBMは順調に株価が上昇していたのですが、結果として投資リターンではExxonMobilが上回りました

割高な株価のIBMに対して、ExxonMobilは投資家からの期待が薄く株価が割安になっても高い利回りで配当金を出していました。

この配当再投資の継続により保有株数に差が生まれたことが理由です。

この傾向はセクターや国でも当てはまります。

  • ハイテクセクター vs エネルギーセクター(勝)
  • 中国 vs ブラジル(勝)

つまり、リターンとは注目されがちな株価上昇からもたらされるのではありません。むしろ投資家からの期待が高い割高な株価は、配当利回りが低くリターンを押し下げてしまっています。

投資家へ高リターンを出す銘柄の条件と行動

長期投資

まとめると、つぎの3つが長期の投資リターンが高い銘柄の特徴です。

  • PERが市場平均並みで適正な株価
  • 長期的な増益率が市場平均を上回る
  • 配当利回りは市場平均並みかそれ以上

今はGAFAMが世界を引っ張っているのでハイテク株の低配当だけど株価上昇が強いのが華やかで人気ですよね。

しかし、市場から期待されなく株価が割安だけど、継続した利益を出し続け、株主に配当金も出し続けてくれる銘柄こそが長期投資リターンを生むという結論です。

配当再投資して保有株数を増やしていくのも忘れてはいけません。

50年間のS&P500のすべての企業のリターンを計算した結果、絶対的なブランド力を築き、かつ配当を出す『生活必需品』か『ヘルスケア』セクターの企業のリターンが高かったようです。

実際、石油などで懸念材料の多かったExxon Mobil、訴訟などのリスクを抱えるたばこ株フィリップモリス[現アルトリア]などのリターンが高かったのは意外でした。

下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセルを知れば暴落は恐くなくなる

加速

もちろん〇〇ショックと言われる景気後退時はほとんどの銘柄の株価は落ちます。

しかし、この株価が落ちたときがチャンスです。

株価が落ちたときは配当利回りが上がるので、配当再投資を継続することでいつもよりも安く株数を増やすことができます。(下落相場のプロテクター)

株価が割安なときに保有株数を増やしておけたことで、株価が元値に戻ったときに投資リターンは大きく高まります。(上昇相場のアクセル)

S&P500で見積もった結果、暴落がないよりもあった方が、最終的なリターンは高くなるというデータは衝撃でした。

暴落を歓迎して、配当再投資をくりかえしましょう。

D-I-V(+セクター)戦略で市場平均より高いリターンが可能

資産運用

市場平均ねらいであればインデックス投資のみで十分です。

しかし、この本の知識を取り入れてリターンをさらに高めたいなら、つぎの銘柄をポートフォリオに組み入れます。

Dividend(配当)

配当を株主に出し続けてくれる。(持続可能なペースで)

International(国際)

世界のトレンドを意識し米国以外も入れる。

Valuation(バリュエーション)

変に高すぎない適正な株価(PER)。

セクター

これまで市場平均を上回るリターンをもたらしたセクターを取り入れます。

  • 生活必需品
  • ヘルスケア
  • エネルギー

コカコーラ、P&Gなどの世界でも高いブランド力を持つ企業は強く、そのブランドが信頼されているので消費者が安心して買うのですね。

少し高くても商品は売れ、企業は利益を残しやすい傾向があります。

次の理由からハイテクセクターはリターンは期待外れになることが多いそう。

  • バリュエーションが割高になりやすい
  • 設備投資がかかるので配当利回りが低い

『株式投資の未来』の注意点

1957~2003年の約50年のデータでちょっと古いのと、これからも同じ結果になるかはわかりません。(どの投資本も同じですが)

ですが、将来は誰にもわからないので過去の歴史を参考にするしかなく、過去のデータからあくまで投資リターンに特化してくれている点はありがたい。

また、50年も長期投資できる人はそこまで多くないはずなので、現実的な投資期間が30~40年だとしてインデックス投資との差はそこまで大きくはないのかもと思いました。

とはいえ、人生100年時代と言われる今、投資できる期間はこれからも伸びていくと考えてますので、この本の知識は投資が長くなればなるほど効果を発揮しそうですね。

『株式投資の未来』のまとめとTo Do

長期投資では株価だけではなく配当もリターンには重要な要素だと知り、どんなときでも腰を据えて投資に取り組みましょう。

コアはインデックス投資にしておき、つぎの特徴を持つ銘柄を組み入れます。

  • PERが市場平均並みで適正な株価
  • 配当利回りは市場平均並みかそれ以上(経営が大丈夫な範囲内で配当を出してる)
  • エネルギー、生活必需品、ヘルスケアのセクター

高配当株にその傾向がありますね。

そして、株価が暴落したときは、ここでの配当再投資がリターンを生むことを思い出して、ひたすら配当再投資を継続していきましょう。

要点を整理してまとめてみましたが、この記事だけではたぶん納得感はまだ再現できてないと思います。

なぜならこの本にはデータや図がよく出てきて、それらをみながらゆっくりと読み進めていく中でこれらの読んだ知識がどっしりと定着していく感覚と読み終えたあとの大きな納得感がありました。

腹落ちして長期投資を継続する中で本質的な投資リターンを高めたければ読んでみてください。

この本の内容を取り入れた僕のポートフォリオにご興味があれば参考にしてみてください。

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