家の中に取り付けた柵を取り外したのは、いつの頃だっだろう。
日々、様々なことを覚えたあるは、
柵がなくとも、問題なく過ごせるようになりました。
食事の準備を始めると、キッチンについて来て、
私の様子を興味深々で見つめるようになったあるは、
やがて、お手伝いをしたいと言ってくれるようになりました。
どんなお手伝いなら、
小さなあるに任せることができるだろうかと悩みながら、
玉ねぎの皮や、茹で卵の殻を剥いてもらうお手伝いを、
あるにお任せすることにしました。
静かに、丁寧に、ゆっくり、じっくりと剥いてくれるある。
いつも通りの時間に食事の準備を始めてしまうと、
ちょっと間に合いません。
丁度、あの頃から、
早い時間から食事の準備を始めることにしたのでした。
時間はたくさんあります。
さぁ、どうぞ。
気が済むまで、剥いてください。
こんな気持ちで、お手伝いをしてくれるあるの姿を見守った頃もありました。