少し前からお預かりしていた着物の生地ですが作務衣が完成してお渡しすることができました。

友達経由での頼まれ物だったので、直接感想をおききしていないですが

昨日会ったお義姉さん(お義姉さんには今年のお正月すぎに
頼まれていた作務衣を渡して着てもらっています。)

「縫ってもらった作務衣がとっても重宝している
裏付きだけど軽くて暖かくて
また、着物を解くから作ってね!」
と言ってくれたのです。



作ったのは絹の着物生地と絹の裏布を使った総裏の作務衣です。

今回の作務衣はザラッとした生地でポリエステル
滑りが悪いので、肩のところだけ裏を付けました。
(裏布は手芸店で買ってきた普通の裏生地です。)

制作の覚書と参考にした本をご紹介したいと思います。

作務衣(さむえ)について
作務衣(さむえ)はもともと禅宗の修行僧の作業着のことです。
作務衣といえば お寺の住職さんが普段着に着て竹箒で庭の落ち葉を掃いているイメージですよね。
着物のように前で打ち合わせ 羽織る短い着物のような形です。
袖は洋服の袖のような形で丈はおしりの隠れるくらいのジャケットの丈です。


着物の反物を預かって水通し
前回の記事でお預かりした反物を水通しをしています。
水通しをしたときの様子は
『着物の生地で作務衣を作る準備!水通し』


どうして水通しをしておくのか?
着物は洗濯機で洗うということはほとんどしません。
でも、洋服は着るたびに洗濯機で洗ったり、手洗いをしたりして汚れを落としますよね。
着物用の生地は絹やウールが多いので
簡単に洗濯ができないものが多いです。


着物の生地で洋服や作務衣を作って着ると、どうしても洗濯は避けて通ることができません。
絹やウール、綿の生地は洗濯で殆どのものが縮んでしまいます。

水通しをしないで洋服に仕立てて
仕立てた後で洗濯をしたら 
  • 縮んでしまってサイズが全然変わってしまった・・・
  • 裏地付きのもので表だけが縮んでしまって裏がのぞくようになってしまった・・・
ということが無いように
先の段階でまず、水通しをして縮むものは縮ませておくのです。


参考にした作務衣の型紙が載っている本
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2007年発行の「着やすいエプロンと作務衣」

私が作務衣を作る時に作っている型紙はこの本に載っているものです。
先日、友人がお母さんが縫ったものだと言って着ていた作務衣とサイズを合わせてみましたが、
丈が3センチ違うだけで身幅などはほぼ同じサイズでした。
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作務衣は前身頃を重ね合わせるようにして紐で止めて切るので
少々の体のサイズは融通がききます。

現代^^;の作務衣の作り方の乗っている本



型紙だけが欲しいときはこちらもあります。
でも、
作務衣はほぼ直線の製図ですから
写してとる作業よりも大きな紙に線を引いて作るほうが簡単かもしれません。




作務衣の形は色々

作務衣といっても形がすこしづつ違います。

着物のような襟が裾まで続いている形 途中で終わって裾からまっすぐに見頃が上がっている形
袖口にゴムが入っている形 袖口が絞っていない形

男性用、女性用では洋服のボタンのように着方に男女の違いはなく、
男女ともに、左側が前に来るように重ねて着ます。
なので、貼り付けポケットは左側だけに付いていることが多いです。

完成した作務衣の写真や説明
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以前のお義姉のときにもですが、
袖丈が着物の反物を使うと少し足りないので袖口側に少し布を足して作っています。
方のあたりの裏布は
110センチ幅を50センチ購入
縦で半分に切って1着分が取れました。


作務衣のハンドメイド工程

1・裁断
2・接着芯を貼る
3・左のみポケットを作り付ける
4・後ろ中心線を縫う
5・前端を始末する
6・裏布の端縫いをする
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7・見頃と裏布を合わせたところに襟を付ける
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8・脇を縫う(スリットをいれる)
9・袖を作る
10・見頃に袖を付ける(裏布を一緒に縫う)
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11・裾を縫う
12・紐を作り、見頃のそれぞれの位置に縫い付ける
13・袖口にゴムを入れる
完成
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作務衣ハンドメイドの制作料金の覚書
今回の作務衣の縫製代金は6,000円でした。
プラス裏布代と接着芯代を別に500円いただきました。

型紙を使い回せているので
制作時間は縫っている時間以外がかなり短縮になっています。
水通しなどの下準備も時間にすると手間がかかりますから

いかに、誰でもできることは自分がしなくてすむか
同じパターンを使うことができるか・・・
が作業の時短になると思います。


まとめ

着物生地で作る女性用の作務衣をハンドメイドした過程などをご紹介しました。

着物の反物1本であと一着できます。
裏布も今回買った残りが一着分ありますから
友達がたぶん残りは好きに使ってと言われているのでしょう。
「夏が過ぎてからでいいから残ったのでもう一着お願いね。」
ということでした。

着物生地で作務衣を作るのは着物のイメージの作務衣ですからぴったりです。
でも、
作務衣はもともと作業着の形で
遠慮なく使える場面で着ることが多いので
あまり良い生地を使うと勿体ないですね。

お出かけに着られるような作務衣を少しデザインをお洒落にならないかな・・・と
考え中です。
ハンドメイドってだから面白い!
自由な発想が形になります。


 
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