ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [5月12日(金)~5月14日(日)] ►ドキュメンタリー「文在寅です」の観客数は頭打ち ►盛り上がりに欠けても感動した映画はたくさんある

2023-05-21 23:49:31 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
※日付要確認! 1週前の週末のデータです!

▶今回の記事中で私ヌルボ独自の注目作は、興行成績で5位に入ったドキュメンタリー「文在寅です」です。文在寅はもちろん多くの日本人が忘れようとしても思い出せない(byバカボンのパパ)前大統領。1~5位は前週と同じで強力なエンタメが並ぶ中、今も国民の約4割を占める進歩系の前大統領だけあっていきなり5位とはさすが!」と思いました。が、それも一瞬。
 5月16日付朝鮮日報日本語版によると、今月10日の公開直後から観客動員数が伸び悩んでいるようで、公開直後の1週間で総観客動員数は約7万8千人。同じイ・チャンジェ監督が手掛けた「廬武鉉です」が最初の4日間で約60万人、最終的には185万人を記録したことと比べると遠く及びません。また昨22年公開された<タマネギ男>ことチョ・グク元法相のドキュメンタリー映画「君がチョ・グク」が最終的に達した33万人にも届くのかどうか・・・。記事では、無料券・割引券が大量に配られているとも記されています。
 公開約1ヵ月前の4月19日付朝鮮日報日本語版では、YouTuberのジャーナリスト金於俊[キム・オジュン]氏のチャンネル中で本作の一部が映されていて、そこで文在寅前大統領が「5年間かけて成し遂げた成果、私が成し遂げた成果というより、国民が、大韓民国が共に成し遂げたことなのに、それがあっという間に崩れ、過去に戻る姿を見て、虚しい思いがある」と語ったとあります。(※文在寅元大統領にはどんな成果があったか、具体的に訊きたいのですが・・・。(ん?尹錫悦氏を検察総長に抜擢したこと!?)
 その金於俊氏のチャンネルというのは→コチラで視聴できます。1:25:50あたりから6分あまりがこの映画の映像で、庭造り等のあとに文在寅氏が少し口を尖らせて上記の思いを語っています。
 なお、この言葉は4月29日の<全州国際映画祭>での先行上映では作中にもありましたが完成版には含まれていなかったそうです。なんでかな? 政治向きのことよりも庭いじり等で悠々自適の日々を送っている退任後の生活にスポットを当てたというのが主軸ということでしょうか? それとも現政権側から(?)何らかの圧力が・・・??)
 さて、朝鮮日報は韓国の保守紙の代表格なので記事の行間にはゆとりが感じられますが、一方の側のハンギョレはというと、本作関係記事は日本版では公開前の1本(→コチラ)のみ、それも完成版では削られた上述の現政権批判に重点を置いたもの。
 韓国版では、焦り丸出しで、映画館で夜の上映が少ないのも観客数が伸びない一因か?といった考察までしてたりして。(野党支持者が多い40代の会社員が退社後に観ようと思っても観られない、ということ。)

▶前の記事で、各映画サイトで高ポイントを得ている作品は、概してストーリー展開に動きがあって、観客をハラハラドキドキさせるもラストではちゃんと「良かったね~!」で気持ちよく帰途に着けるというエンタメ映画、といった私見を書きました。ま、そうした映画を楽しむファンは大勢いて、それもいいんですけどね。
 どうも最近映画関係サイト(Filmarksとか映画.comとか)で他の人のレビューを読んでいて気になったのは「盛り上がりに欠ける」という言葉。そのまま否定的な意味で使っているのですが、ふと私ヌルボ自身が最近観て感動した映画の多くは盛り上がりには欠けていたんじゃないかと思われます。「オマージュ」「土を喰らう十二ヵ月」「小さな麦の花」「せかいのおきく」等々、どれも盛り上がりには欠けるものの、それとは関係なく、心に忘れがたい感動が残る。そんな作品は概して上映館は少ないですが、ぜひ多くの人に観てほしいと思います。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月12日(金)~5月14日(日) ★★★

         「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」ぶっちぎりの連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ガーディアンズ・オブ・・・・・・・・5/03・・・・・・・712,796・・・・・・・2,729,072・・・・・・29,147 ・・・・・1,797
       ・ギャラクシー VOLUME 3(米) 
2(2)・・ザ・スーパーマリオブラザーズ・・4/26・・・・・198,575・・・・・・・2,063,048・・・・・・20,312 ・・・・・1,081
       ・ムービー(米・日) 
3(3)・・クレヨンしんちゃん ・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・118,476・・・・・・・・・507,277・・・・・・・5,011 ・・・・・・・761
       もののけニンジャ珍風伝(日)
4(4)・・ドリーム(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・61,197・・・・・・・1,071,577・・・・・・10,352 ・・・・・・・727
5(21)・・文在寅です(韓)・・・・・・・・・・・・・5/10・・・・・・・・48,622 ・・・・・・・・・74,719  ・・・・・・・・735 ・・・・・・・602
6(5)・・すずめの戸締まり(日)・・・・・・・・3/08・・・・・・・・43,318・・・・・・・5,388,702・・・・・・55,305 ・・・・・・・525
7(6)・・ジョン・ウィック・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・36,548・・・・・・・1,888,939・・・・・・19,600 ・・・・・・・546
       :コンセクエンス(米)
8(8)・・THE FIRST SLAM DUNK(日)・・1/04 ・・・・・・・17,953・・・・・・・4,648,707・・・・・・48,500 ・・・・・・・169
9(26)・・君の名は。(日)・・・・・・・・・2017/1/04・・・・・・・・16,247 ・・・・・・3,847,898・・・・・・31,128 ・・・・・・・101
10(新)・・ロングディ(韓)・・・・・・・・・・・・・5/10・・・・・・・・13,775・・・・・・・・・・25,949・・・・・・・・・216 ・・・・・・・253
  ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン

 今回の新登場は5位と10位の2作品だけです。
 5位「文在寅です」については記事冒頭でいろいろ書きました。原題は「문재인입니다.」です。
 10位「ロングディ」は、韓国のラブコメ。外車ディーラーのドハ(チャン・ドンユン)は5年前あるインディーバンドの公演でメインボーカルのテイン(パク・ユナ)と出会って以来の熱々カップル。ところが30歳を前にバンド活動に危機が訪れるとテインは故郷に帰って曲作りに専念することを決心します。ところがその故郷というのが(大体)釜山の西の方の巨済島[コジェド]。橋で繋がってるとはいえ遠いです。泣く泣く受け入れたドハは毎日欠かさずカカオとビデオ通話を送ります。そして出会いから5周年の記念日にサプライズで巨済島に行ってプロポーズをしようと準備にとりかかります。しかしなんとついていないことか! 一番の顧客ジェームス(コ・ゴナン)がその日にパーティーを主催するばかりか、ドハに拒否できない提案もしてくるとは・・・。タイトルは<Long Distance>の省略語。それも単に長距離ではなく、一般に<長距離恋愛>の意味で用いられています。ハングル表記は「롱디」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・すずめの戸締まり(日)・・・・・・・3/08・・・・・・・・43,318・・・・・5,388,702 ・・・・・・55,305 ・・・・・・525
2(11)・・かがみの孤城(日)・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・3,270・・・・・・・・46,779 ・・・・・・・・・456・・・・・・・・43
3(9)・・トリとロキタ(ベルギー・仏)・・・5/10 ・・・・・・・・・1,859 ・・・・・・・・5,078 ・・・・・・・・・・47 ・・・・・・・・47
4(再)・・ジョゼと虎と魚たち(日)・・2021/3/31・・・・・・1,742 ・・・・・・・31,061・・・・・・・・・276 ・・・・・・・103
5(2)・・CLOSE/クロース(ベルギー・蘭・仏)・・5/03 ・・・・・1,167 ・・・・・・・・8,480・・・・・・・・・・58・・・・・・・・・51

 3位「トリとロキタ」が新登場。日本でも3月31日に公開されています。韓国題は「토리와 로키타」です。

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