職員ブログ

自立支援センターまめの樹の職員ブログです。

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田中角栄先生

 

先日、ケーブルテレビで「上越新幹線~開通の歴史」という番組が放送されていました。

めったにテレビを観ないのですが、この日はふとつけたテレビがちょうどこの番組で。。

「おっ!上越新幹線!なんてナイスなタイミング!」

新潟出身の自分は興奮。。。

あの日…。

上越新幹線が開通したのは自分が中学生の時。

新幹線がいずれ自分の田舎を走る…。
幼少期からそんな話しを親から聞かされていました。


自分の地元出身の故・田中角栄元首相。

父親が田中角栄元首相の後援会である「越山会」の会員だったこともあり、父親は自民党、いや、田中角栄ゴリ推し人間でした。


田中角栄が「のっぺい汁が私の大好物」と言えば、これを父親が聞いたその日から、毎日のように食卓にのっぺい汁が出るようになったり…

田中角栄日本空手道協会の会長だったので、自分は空手を習いに行かされるようになったり…

選挙の時は越山会の事務所でチラシを折る手伝いを強制的にさせられたり…


子どもだった自分にとっては、地元出身のこの偉大なる政治家も、
「なんなの、このクソじじぃ!!あんたのおかげで僕はもう散々だよ!!」という感じでした。
議員、国、政策…。自分には全く意味がわからないもの。

ですが、、
この上越新幹線の話しを知ってからは気持ちが一転。

角栄先生が僕の町に新幹線を通してくれる!!よくわからないけど、この人は新幹線を通してくれるすごい人なんだ!!」

…ならば応援しなくちゃ!

はい。。自分は単純でした…。


実家から歩いて数分先の田んぼだった所がどんどん整備され。

新幹線が走る長~い高架線が完成していくのです。

「うわ~~。。」

毎日その過程を目の当たりにして、本当に自分の町に新幹線が通ることを実感したものでした。


で、小学6年生の時です。
いよいよ翌年新幹線が開通するという時に、新幹線の試乗会がありました。

試乗会はテレビの報道局や新聞記者などと混ざり、一般の人も抽選で乗せてもらえるということでした。
父親に「僕も乗りたい!角栄先生に頼んで!」と懇願しましたがそれは叶わず。。

同じクラスだったO君が、なんとこの試乗会に招待されたと言うことで、自分は羨ましいかぎりでした。


しかしこのO君。。
クラスでも有名な嘘つき少年。
今で言う、虚言癖のある少年でした。

周りから「またOが嘘ついてる!新幹線の試乗会に招待されたなんて絶対に嘘だ!」


O君は
「本当だもん!お前たちなんかに新幹線乗った後に、新幹線がどんなだったか教えてやらないからなっ!」


今では心がドス黒い自分も、当時はけがれのないピュアな子ども。。。

「なんでO君を信じてあげないの?今回は本当の話しかもしれないじゃん!」

「時速200キロで走る電車。。。一体どんななんだろ~。。。新幹線に乗った感想を僕だけは教えてもらおっと!!」

…そう思い、O君には自分だけは味方だと言わんばかりのアピールをしました。

そして新幹線の試乗会が終了した日…。


自分は直ぐ様O君に
「新幹線どうだった!?」と電話をかけました。

O君は、
「すごかった~!!その速さって言ったら、ビュ~ンだよ!!」

自分
「ビュ~ン!?(←当時はこう言った単純かつ明快な表現が何より格好よく感じた。。)
うわ~いいな~いいな~っ!それで、それで!?」

O君
「窓を開けたら、顔に痛いくらいの風がブワ~って!目を開けてられないんだからっ!」

自分
「……えっ??」


…新幹線は窓を開けられません。。

…あっ!

…O君が嘘をついてることをすぐに察しました。。

…ガ~ン

はぁ~またO君、嘘ついたんかよ~。。

ショックでO君を責める気力もなく、適当に会話をあわせ電話を切りました。。


新幹線に乗ったというO君の話しを信じた自分がとても悲しくなりましたが、父親にこのことを話すと、父親は自分を褒めてくれました。

「友だちを信じてあげたお前は偉い。お前はいいやつだ。それでいい。」と。

普段あまり褒められることがなかったので、とても嬉しかったのを今でも覚えています。


自分が上越新幹線に初めて乗車したのは高校生になった時でした。

空手の昇段審査で東京の本部道場に来た時です。

空手を習い始めたきっかけは角栄先生。

で、その昇段審査で角栄先生が通してくれた上越新幹線に乗り。

とても感慨深いものでした。


そして今、上越新幹線開通の番組を観まして、、

改めてあの頃を思い出すのです。


「O君どうしてるんだろ~。元気かな。。幸せで居てくれりゃいいなぁ。。」


遠い昔の同級生も、
田中角栄先生も、
父親のことも、

上越新幹線というワードで一瞬に蘇るのでした。。。

 

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