2021/12/10

第1話 最初の出会い!中年男と19歳女子大生


第4章 アプローチ
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<初めてのアプローチで、いきなり会う約束を!>

水太
少し寄り道になったが、このような思惑を胸に掲示板を繰っていたのだが、これといった興味を引く書き込みがなかったことと、そもそも出会い系サイトなど初めての経験でもあり、恐る恐る及び腰でのトライであったため、もう閉じて別の暇つぶしを探そうかと思ったその時、最新の書き込みが目に映り、そしてその書き込みが、その後0数年間に亘る、私と「ロリ娘」との数々のアバンチュールの引き金になったのであった。

 その書き込みは「年上のおじ様いませんか」とあり、その無邪気な書き込みに私は目を吸い寄せられた。

 年齢を見ると19歳とあり(う~ん、さすがに19は若すぎるかな)とのためらいはあったが(こんな文字だけの胡散臭いサイトで、本当に会えるわけがない、どうせ会えないのだから、ゲーム感覚で遊んでやろう) そう思い直した私は、掲示板に書き込まれた「美奈」というハンドルネームの女の子のメッセージとプロフを確認してみることにした。

メッセージには「私と遊んでいただける年上のおじ様おられませんか。私うんと年上のおじ様にあこがれているんです。お返事お待ちしています」
 それはこの上なく中年男性の官能をくすぐるメッセージであり、最初のためらいはその瞬間霧消していた。 次に居住地域を見ると奈良県中部、大阪から多少距離はあるが隣県であり、充分射程内である。 職業を見ると大学生とあり、年齢から1年生だろうと思われ、身長は16〇未満で小柄な女の子が好きな私にはぴったりであった。

 その時点で私はもうかなり熱が入ってきており、思い切ってレスしてみることにした。
 しかし初めてのことでどう返信していいかが分からず(何て書こうか?)と、考えたのだが、気の利いた文言が浮かばない。

 しかし逡巡していてはチャンスを逃してしまうと思った私は、中身よりも行動だと、無難な内容で返信してみた。
「こんにちは、俺、42歳の会社員です。良かったら返事もらえないかな」 レスしたものの、私はその彼女からの返信は殆ど期待していなかった。

 (いかに相手がおじさんを求めていようとも、自分とは倍以上の年齢差であり、年上が好みといっても限度があるし)
そんな思いを胸に、しかし片方では(もしかしたら)と、淡い期待も捨ててはいなかった。

 送信後、携帯を凝視していた私であったが、5分経っても反応が無く(やっぱり無理か)と携帯を閉じ、腰を上げたその時、メール着信のメロディが鳴ったのだ。

 画面を見ると、サイト経由でのメール通知の中に「美奈」の名前があり、まぎれもなく、私が選んで送信した相手であることが分かった。

 わくわくしながらメールをクリックすると「わーい、メール来たぁ、ありがとうございます。私と会ってもらえますか?」 この彼女からの返信は、20年以上経った今でも、1字1句違うことなく記憶に残っている。

この無邪気なメッセージを見て、私は年甲斐もなく小躍りしたくなる気持ちを抑えて返信してみた。
「メールありがとう、俺も美奈ちゃんのような若い女の子が好きだし、会いたいけど、でも俺もう42歳で美奈ちゃんとは倍以上歳離れているし、こんなおじさんでいいの?」 まずは最も気になることを質問してみた。

「はい、私思い切り年上の方が好きなんです。だって年上の人って優しいでしょう、私優しい男の人大好きなんです」 「そう、まあ俺はこれといって取り柄のない中年男だけど、美奈ちゃんより人生が長い分、それなりの経験を積んでいるし、女の子に対する優しさはあるつもりだよ」 「そうなんですか、嬉しい、でも私そんなに可愛くないですよ、それでもいいですか? でも性格は悪くないつもりですし、体形も太ってはいません(笑)」 まずまずの滑り出しであったが、時計を見ると既にもう30分近く経過しており、本当はもう少しやりとりしたかったのだが、取引先との時間もあり、どうしたものかとやや焦り始めてきた。

 真の目的は1刻も早く会う約束を取り付けることにあるのだが、あまり性急に迫るのがまずいことくらいは、女性に不慣れな私であっても理解していた。

 しかし、さあこれからという時に中断してしまっては、せっかくの獲物を取り逃がすかもしれないという危惧はあったが、取引先に遅れるわけにもいかず、やむを得ず1旦中断するしかなかった。 それでもし再開した時に相手の気が変ってしまったり、別の男性に乗り換えられたなら、それはそれでしょうがないし、あきらめるしかないと決断した。

「男も女も大事なのは心だよ、俺もそんな男前じゃないし。 それでね、美奈ちゃん、俺今出先で仕事中でね、もうすぐ取引先に行かないといけないんで、ちょっと中断しないといけなくってね、あと3時間くらいしたらまたメールするんで、それまで待ってくれるかなあ? ただしそれまでは浮気したらあかんよ(笑)」

 「浮気なんてしませんよ(笑)、分かりました、お仕事頑張ってください、待ってますね」 後ろ髪を引かれる思いで交信を中断した私は、取引先へと車を走らせたが、その約1時間の間、仕事そっちのけでついさっき交した彼女とのやりとりで分かった彼女の情報を頭の中で整理していた。

 (まず体形は小柄で太っていない、顔は可愛くないとのことだが、多少は謙遜もあるだろうし、まあ並みってとこかな。 あと最も知りたいのはバストと体重だが、さすがにそれはメールでは聞けないし、しかしまあ少なくともデブスではなさそうだし、それはそれとして、この仕事のあとメールして応じてくれるのか、反応があったとして、今日はどこまで話を進めようか)

 会えるかどうかも分からないのに、そんなことばかりを考えていた。 そうこうする内に取引先に到着して仕事を済ませたその帰り、1刻も早く彼女とのメールを再開したかった私は、最も近いサービスエリアに寄り、彼女を呼び出した。

「お待たせ、今仕事終わった帰りだよ、美奈ちゃんどうしてるかな」 この時は最初にメールを送った時以上に緊張したが、ほどなくして彼女からメールが届き、ホッとしてメッセージを開いた。

「お仕事お疲れ様、今は家にいますよ」 「それでね、近い内に美奈ちゃんの都合のいい時に会えないかなと思って」 「はい、いいですよ、今度の日曜日はどうですか?」 これには私も驚いた。まさかこんなすぐに待ち合わせの約束を取り付けられるとは思っていなかったからである。

(いったいこの子はどんな人種なのか。全く知らない、たった0通程度の文字だけのメールの相手に、もう会おうとしているなんて。 いや、こんなとんとん拍子に進むのはおかしい。冷やかしかもしれない)
 そんな疑いを持った私であったが、その時ふと思悪友から聞いた出会い系サイトの講釈を思い出したのだった。

その時はあまり興味がなかったので、半分上の空で聞いていたのだが、悪友からは「出会い系サイトは必ず1定の割合で“冷やかし”やポイント稼ぎがいる。
 馴れてくれば、ある程度その見極めができるようになるが、まずは当ってみること。宝くじの当る確率はものすごく低いが、しかしはっきり言えるのは、買わなければ絶対に当らない(笑)、宝くじの確率は小数点にゼロがいくつも並ぶが、出会い系サイトの確率は比較にならない。悪くて20%~30%、良い時は60%~70%はある。
 だからお前が本気で会いたいなら、不成功は怖がらずに向かっていくことだ」

このように言われていたのを思い出し、成否に関わらずとにかく全力で向かってみようという気になっていた。
「え! そんなに早く! 俺はかまわないよ、場所はお互いの中間点がいいと思うから、天王寺あたりはどう?」 「分かりました、天王寺なら通学途中の駅だから大丈夫です。楽しみにしてますね」 

青水