2025年度入試を振り返って

6期生集合

進学塾unit6期生の軌跡

先日、3月6日に公立高校の合格発表、そして3月8日に受験慰労会(ユニパ)が行われ、進学塾unitの今度入試が終わった。

今年度入試は第一志望に合格できた塾生がいる一方で、強い意志を持って挑戦した結果、残念ながら第一志望校に合格できなかった塾生もいる。

入試結果は以下の通りである。

2025年度入試
生徒12名の進学先

公立高校

【県立 学校選択問題採用校】
川越女子 1名
川越南 2名

所沢 1名
所沢北(普通科) 1名
和光国際(普通科) 1名

【県立・市立 学力検査問題採用校】
所沢西 1名

 

私立高校

川越東 1名
狭山ヶ丘 1名
西武学園文理 1名

細田学園 1名
山村学園 1名

(五十音順)

公立高校

【県立 学校選択問題採用校】
川越女子 1名
川越南 2名

所沢 1名
所沢北(普通科) 1名
和光国際(普通科) 1名

【県立・市立 学力検査問題採用校】
所沢西 1名

 

私立高校

川越東 1名
狭山ヶ丘 1名
西武学園文理 1名

細田学園 1名
山村学園 1名

(五十音順)

進学塾であるから、どの高校に何名合格したかということももちろん大切だが、私たちが保護者の方々に一番知っていただきたいのは、彼らがたどってきた高校受験の軌跡である。

塾生がどのような子たちで、彼らがどのように日々を過ごし、どのような気持ちで高校受験に挑んだのか。

私の見える範囲で、そして私の拙い表現力で書き表せる範囲でその軌跡を振り返りたい。

中学部の始まり

進学塾unit 6期生は中学校進学時、10名でスタートした。

unit6期生

生徒のほとんどが女子であることもあり、活発でエネルギーに満ち溢れた子たちというよりは、もの静かでお行儀の良い子たちという印象が強かった。

弊塾の小学部は夕方5時から授業が始まるが、新年度である3月から中学部へ移行し、夜の時間帯に授業を行うことになる。

この時期は、まだ小学校を卒業していない生徒たちが夜遅い時間帯に塾で勉強することに少しずつ慣れていく時期である。

授業が始まるのは19:20。

ある日、19:00少し前に教室の様子を見ると、生徒たちがすでに着席し、黙々と勉強していた。

え……きみたち、まだ授業は始まっていないよ。いいんだよ、授業前なんだから。もっとワイワイキャッキャしてて。

あ、はい……。

小学生らしからぬ落ち着きぶりと学習への意欲の高さに感心する一方で、少し戸惑いを覚える私。

そんな私に構わず、彼らはこのあとに控える国語の授業の小テスト勉強に勤しんでいた。

弊塾の生徒たちは、授業中は真剣に、休み時間は元気に過ごすことが多いが、6期生の子たちが醸し出す雰囲気は他の学年の子たちと少し異なっていた。


中学校が始まって最初の定期テストが6月下旬に行われた。

ふたを開けてみると、どの生徒も軒並み高得点。

6期生の塾内平均点は5科合計で450点に届こうとする勢いであった。



この子たちの多くは、ありがたいことに小学5年生のときから指導を行うことができた。

コロナ1年目の夏前あたりからだ。

その中で学習の土台、とくに丸つけと解き直しの仕方について、じっくりと時間をかけて指導することができた。

たくさんの問題を解く意義を彼らに伝えながら、演習量をこなすことにも慣れさせた。

また中学入学と同時に入塾してきた子たちも、それまでにしっかりと学習を積み重ねてきた子たちだった。

このような積み重ね、そして彼らの真面目な取り組みが結果に繋がったのだろう。

2年後、この子たちが受験生になったとき、どういう高校を志望校にするのかは想像に難くなかった。

難易度の高い入試問題、厳しい競争に負けないようにするための学力を身につけていってもらおうと、より一層気を引き締めて指導にあたった。

思春期の中学生と勉強のジレンマ

中2という時期は思春期の真っ只中。

部活動も忙しいし、やりたいこともたくさんあるだろう。

まだ受験生ではないことから、勉強に身が入らなかったり勉強から逃げたくなったりするときもあるのが普通の中学生だと思う。

勉強が後回しになり、勉強量や精度が落ちたりすることもあったが、それに気づくたびに、彼らの話を聴き、彼らを励まし、ときに叱り、小さな変化があればその場で言葉にして伝えた。

あるとき、1人の生徒から「勉強に対してそこまでやる気が出ない」という相談を受けた。

「なんのために勉強をするのか」「高校を選ぶとはどういうことか」「勉強したくない気持ちとどう向き合うのか」といったことについて、じっくりと話を聴いた。

私の考えを一方的に伝えるのではなく、あくまでも本人が思考と感情を整理できるように手助けをした。

こういうときは保護者の方々も心配されると思う。

保護者の方々とも連携を取りながら、本人が良い方向に進んでいくきっかけづくりをして見守った。

受験生となった彼らの日常の風景

6期生授業中

あっという間に彼らは中3生となった。

いざ受験生活がスタートすると、教室には毎日授業後の22:30まで残って勉強する彼らの姿があった。

まだ受験生になったばかりだというのに、どの子も当たり前のように勉強していた。

22:00に授業が終わったあとに、彼らからの質問に対応する。

受験直前期には当たり前の光景だが、受験学年が始まったばかりである3月からすでにそのような空気ができ上がっていた。

毎日22:25頃に、私やスタッフが

そろそろ時間だよ~。帰る準備をしよう。

と声をかけるが、なかなか帰ろうとしない。

あと3分……!あと2分……!

と私がカウントダウンを始めて、ようやくあわてて帰る準備をし、22:33くらいにやっと全員が塾を出る。

夜遅くまで勉強して疲れているはずなのに、塾から帰るときの彼らはとても元気で楽しそうだった。


この時期の彼らは、授業内、授業外を問わず、感情を表に出すことがあまりなかった。

たとえば授業中に笑ったり頷いたりはするものの、いつもやや控えめな感じで、授業でクラス全体に質問を投げかけてもアクティブな反応や発言はそれほど頻繁には見られなかった。

私は根っからの笑わせたがりなので、「自分でボケて、自分で突っ込む」という荒業(?)で乗り切っていたが、「もう少し笑顔や色々な感情が見られる授業になるといいなぁ。」と思いながら、日々試行錯誤した。

2学期、合宿がもたらす変化と志望校決定までの道のり

8月。

夏期講習と夏期宿泊合宿を行った。

合宿については以前ブログでも書いたが、この合宿を通じて彼らの勉強に対する意識はさらに一段上がった。

合宿後のアンケートには

「スピードが圧倒的に足りないことが分かった。」
「理解している問題を正解するためにもっと反復練習が必要だと思った。」
「長時間勉強することが苦でなくなった。」
「今まで、勉強で楽をしていたことに気づいた。」
「これからの勉強や努力の面で、誰にも負けたくない。」

と、さらなる努力をしようという気持ちを感じられた。

そして、同じ釜の飯を食ったことにより生徒間のコミュニケーション量が増えた。

授業をしていても色々な反応が見られるようになったし、私たちスタッフに対しても突っ込みが入ったり、彼らから私たちをいじってくれたりするようになった(特に塾長いじりは、彼らがこの一年で大幅に成長したことの一つであると言える)。

中1、2のときと比べれば、非常に大きな進歩だった。

勉強以外のところでもコミュニケーションがスムーズになることで、勉強面でのコミュニケーションにも良い影響が生まれた。


11月。

進路に関する悩みが出てきた。

最近、私が登山を趣味にし始めたから言うわけではないが、受験は山登りに似ていると考えている。

高い山を目指すということは、それにふさわしい努力をすること、そして不合格を想定し覚悟することと同義であることも多い。

そういった中で、自分がどの山を登るかを決めることは、中学生にとって大変なことだ。

彼らが自分の進むべき道を自分の意思で決められるよう、何度も面談を重ねた。

志望校に通っている卒塾生に時間を取ってもらい、高校の話をしてもらったこともあった。

そうしたやりとりを経て、全員が志望校を最終決定したのは年が明けてからだった。

高みに挑戦する生徒も少なくなかったが、みな自分の希望を実現させるために毎日一生懸命だった。

緊張と覚悟の入試当日

入試直前。

テストの際の時間配分、問題の選別、短い時間で文章を読むなど、本番を意識したトレーニングを行った。

そんな中、とくに年が明けてからの彼らの頑張りは、それまでよりもさらに目を見張るものがあった。

夕方から黙々と勉強して、夕食休憩の時間も早々に食事を済ませ、またすぐに勉強に取り掛かるようになっていた。

あまりお行儀が良いとは言えないかもしれないが、歴史の年代暗記や理科のプリントを凝視しながらご飯を食べる子の姿もあった。

まさに「受験生たる者、かくあるべし」といった様子だった。

詳しくは書かないが、この時期もみなそれぞれ色々な悩みを抱えながら勉強していた。

それを知っている私からすると、寸暇を惜しんで勉強する彼らの姿はとても尊いものに思われた。

困難の中で真剣に努力する姿は、見ている人に大きな力を与える。


そして入試を迎えた。

私が受験するわけではないのに、緊張して2時間しか眠れなかった。

入試の朝、普段より少し緊張した面持ちの子もいたし、晴れやかな表情の子もいた。

みんな、ある程度しっかりと眠れたようだった。駅には本人に付き添う保護者の方の姿もあった。

緊張から焦ってしまい、駅の改札で道行くおじさんにぶつかる子もいた。

そんな後ろ姿を見送り、「みんな落ち着いて試験に臨めますように。」と願った。

夕方になり入試問題が少しずつアップされると、私たちは夜の自己採点会に備えてすぐさま入試問題を解いた。

理科の問題を見ると、直前期に念のため復習しておいたものがたくさん出題されていた。

菌類・細菌類の分類、植物の分類、地震とプレート、水溶液と密度、水と氷の密度。

授業で手厚く指導した範囲や、前日に再確認しておいた内容が出されていた。

生田目が担当する国語や社会も、日頃の指導が功を奏したようだった。

どこが出ても良いように準備するのが受験勉強の王道だから、普段は「○○が出題されそう」のようにヤマを張るようなことはしない。

しかし1点でも多く取って合格してもらいたいという気持ちはゼロにはできない。


夜、自己採点をするために生徒たちが集まった。

ミスをしてしまって満足のいく点数を取れなかった教科があり、涙を流す子たちもいた。

これだけ毎日努力してきたのだから、当然だと思う。

私たちから思うところをコメントし、一年間の受験勉強の労をねぎらった。

翌日は、毎日夕方から夜遅くまで中3生たちが勉強していた席に、彼らの姿がない。

「ああ、受験が終わったんだな。」と実感する。

毎年のこととはいえ、なんともいえない寂しさがある。

そうして合格発表の日を待った。

「unitを選んで良かった」

発表の日、朝9時。生徒たちから次々と連絡が来る。

合格の報も、不合格の報もあった。

これまで何年もそうしてきたように、合格の喜びをともに分かち合い、不合格の悲しみを彼らとともに受け止めた。

自分の望むような結果にならないときはこれからもたくさんあると思う。

もしかしたら、そういうときのほうが多いのかもしれない。

でも結果を受け止めて、受け入れて、何かを学んで、前を向いて進むしかない。

そういう姿勢の大切さを伝えることも、彼らの身近にいる大人の一人として、なすべきことだと思う。


受験慰労会では、思いきり遊び、たくさん笑い、おいしいものをたくさん食べた。



塾に帰ってきて、スタッフたちからひとことずつメッセージを送る。

サプライズで、生田目が6期生の動画をつくってくれていた。

大きな画面に彼らの写真が次々と映し出される。

そこには数えきれないほどの、楽しそうな彼らの姿があった。

一年間、好きなことを我慢して平日の放課後に毎日4時間も5時間も受験勉強をしていたはずの彼ら。

そんな彼らが塾の中で楽しい時間を過ごしてくれていたのだとすれば、こんなに嬉しいことはない。

このタイミングで卒業する生徒が私のもとにやってくる。

先生、ありがとうございました。……unitを選んで良かったです。

こちらこそ。unitを選んでくれて、本当にありがとう。よく頑張ったね。

思いがけない言葉があまりに嬉しくて、声が詰まってしまって、そう答えるのがやっとだった。


3月10日。

高校部の授業が始まった。

いつもと変わらず黙々と勉強する生徒たち。

それぞれご縁をいただいた学校で、思い切り楽しく充実した高校生活を送るのだろう。

私たちも引き続き彼らの高校生活を支えていきたいと思う。

6期生集合

生徒たちへ

中学校、卒業おめでとう。一年間、きみたちとともに高校受験という山を登らせてもらって、とても充実した時間になりました。、また、私たちも多くのことを学ばせてもらいました。「楽しく、厳しく、あたたかく」という塾の理念を体現するような受験生活でしたね。きみたちが主体的に勉強する姿は本当に立派でした。このような経験ができたのはもちろんきみたち自身の努力も多分にありますが、その根底には保護者の方々の支えがあります。そのことに感謝して、それぞれ新しいステージで頑張っていきましょう。毎日コツコツ積み重ねられるきみたちならば、負けず嫌いなきみたちならば、結果が出る喜びと結果が出せない苦労の両方を知っているきみたちならば、きっと良い高校生活にできるはずです。応援しています。

保護者の方々へ

この度は、お子様の中学校卒業、そして高校合格おめでとうございます。全員が第一志望の高校に合格できたわけではありません。とても悔しい気持ちがあります。しかしどの子もみな毎日頑張り、自分の殻を破ったと思います。また、さまざまな面で成長してくれたと思います。送迎、お弁当の準備など、受験生活を献身的に支えていただき、またお子様の挑戦を一番身近で応援していただきありがとうございました。高校受験という大切な時期に、お子様を預けていただき改めて感謝申し上げます。

この記事を書いた人

塾長
ふくなが

進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。

趣味:将棋(将棋ウォーズ2段)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド

進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。

趣味:将棋(将棋ウォーズ2段)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド

Twitterはこちら R_makes_rb

Twitterはこちら R_makes_rb

バナークリックで応援をお願いします!

6期生集合

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!