言葉の力を鍛える【大人になってからも必要】

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こんな問題を生徒が質問してきた。

たかしさんは、学校から2000m離れた図書館まで行く。はじめは分速70mで歩き、途中から分速100mで走ると26分かかった。たかしさんが歩いた道のりと走った道のりを求めなさい。

中1生ならば一次方程式で解く、中2生ならば連立方程式で解いてもよい問題だ。

福永

問題の意味は理解できた?

生徒

はい。

福永

OK!じゃあこの問題で求めたいものはなんですか?

生徒

道のりです。

福永

むむむ・・・!?

他にこんなこともある。

ゆうこさんは1.8km離れた駅に向けて家を出発した。それから14分後に、お姉さんが忘れ物に気づき、自転車で家を出発して同じ道を通って追いかけた。ゆうこさんは分速60m、お姉さんは分速200mで、それぞれ一定の速さで進むとする。お姉さんが家を出発してから何分後に追いつくか求めなさい。

福永

この問題で求めたいものはなんですか?

生徒

何分後か。

福永

その言い方じゃあ伝わらないよ。正確に言いましょう。

生徒

家を出発してから何分後に追いつくか。

福永

それでも不十分ですね。『だれが』家を出発してから、なの?

生徒

あー、、、えーっと、お姉さんが家を出発してからです。

福永

そうだね。

このように「言葉を正確に使う、過不足なく、相手に誤解を与えないように伝える」ということが苦手な子がいる。


言葉の使い方が曖昧である、言葉の解像度が低いということは、そのまま思考の仕方が曖昧である、思考の解像度が低いということに繋がる。

もちろん、この一点をもって「勉強が苦手」と言い切れる訳ではない。

しかし、学習内容が高度になればなるほど、上記の能力がじわじわ効いてくると推察している。


私の授業では、

福永

ぜんぶ頭の中でやろうとしてはダメだよ。簡単な問題ならばそれでもいいけど、ちょっとでも難しいと思ったら、頭の中だけで処理しようとしてはいけません。問題文から分かること、自分が何を求めたいか、そういうことを面倒くさがらずに書き出そう。考えることは、書くことだよ。

という話をしている。

また、私たちが塾生と色々な会話のやりとりをするときも、常に彼らの「言葉の使い方」「言葉の感覚」を無意識のうちに確認していると思う。


塾に入ったばかりのときに、自分が見たことがない問題だと思考停止してしまう子でも、このようなやりとりを繰り返すうちに、自分の頭で考えることがだんだんできるようになってくる。

決して短期間で身につくものではなく、日々少しずつ鍛えていかないといけない。

しかし、自分の思考を言語化することで頭の中を整理する、というのは勉強に限らず大人になってからも大切なスキルだ。

塾生とのやりとりを通じて鍛えていきたい。


この記事を書いた人

塾長
ふくなが

進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。

趣味:将棋(将棋ウォーズ1級)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド

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