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ガセネタ…給食委託会社はメリットが沢山なプロフェッショナルの世界という説

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病院など給食施設が備わっている施設では、時々給食会社の営業が挨拶回りに来ることがあります。

その営業マンは身なりを整え、カラーの綺麗なパンフレットを持参してきます。

そのパンフレットには美味しそうな料理の写真及び会社のスローガンが掲載されています。

この給食委託会社の体裁に圧巻されて「給食委託会社はプロの世界だ」と真に受ける管理者も案外少なくないのです。

もしかしたら給食委託会社ならホテルやレストランで提供するようなプロ級の料理を提供してくれるかもしれない…

給食委託会社が本当にここまで素晴らしい腕を持っている調理師を揃えているのか?

それはあなたのご想像にお任せします。





 

プロの世界はただの「はったり」

給食委託会社はプロの世界だと言われると、現場を知っている栄養士・管理栄養士からしたら「どこがや?」という話です。

パンフレットに掲載されている写真を見る限り、料理の出来が素晴らしいですよ。

これが現場を知っている管理栄養士なら「はあ?笑わせるなよ」と心の奥でほくそ笑んでいるのですが。。。

施設の管理者が、世間知らずかどうかでこの価値観は大きく左右されます。

給食委託会社の現状を知り尽くしている施設管理者なら、給食会社の虚栄心をすぐに見抜きます。

そもそも、そのような施設管理者は給食会社のデメリットをよく知っているので、はなから相手の張ったりに動じません。

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「給食委託会社はプロの世界」は無知な管理者の妄想が暴走しているだけ

しかし、世間知らずの管理者は、委託会社の虚栄心というからくりにまともに惹かれてしまいます。

相手の業務は「営業」であること。

営業マンならではのあらゆるテクニックを使って攻めます。

委託会社からしたら我が社と契約すれば「病院」や「老人ホーム」といった「喰い物」が出来るのです。

入ってくるお金は相当大きいですよ。。。

何としてでも「美味しい喰い物」を手に入れたいのです。

その「美味しい喰い物」を手に入れる為、営業担当者は契約させるためのテクニックを用いるのです。

例えば徹底した衛生管理、従業員の技術向上のための研修システム、ソフト食導入によるフードサービスの向上というように、思わずその給食会社に一目置くような技を仕掛けてくるのです(笑)。

しかし、アホな管理者は営業マンの整った身なりとアピール力に圧倒され、その給食会社の仕掛けた落とし穴に見事に嵌ります。

「給食委託会社で働く調理師は高級レストランやホテルで経験を積んだ立派な調理師である」と妄想している管理者は世間知らずもいいとこなのです。

というと、まるで給食会社をボロカスに叩いてしまっているようですが…




 

業務委託契約直後におけるまやかし

給食会社による業務委託が導入され始めると、その事業所にはベテランで優秀なスタッフが責任者として配属されます。

施設の管理栄養士に意見を聞きながら、サービス向上を図れるようにより良い料理を提供する努力をします。

また、本社や支店に所属している上層部のスタッフも現場に入って仕事をするので、営業マンが営業時に話していた内容と同等のレベルのサービスを提供できるのです。

しばらくして現場が軌道にのると、本社や支店のスタッフは去っていきます。

暫くの間、ベテランで優秀な責任者のもと給食が運営されるので、その時は質の良い食事を提供することが出来ます。

ただその優秀な責任者もずっとその施設に所属しているのではありません。

次のオープン施設があればそちらの施設に移動となるのです。

その後に来る責任者も優秀な人材であれば特に問題なく給食会社とのお付き合いを上手くやっていけます。

給食会社は正社員や契約社員の方が移動の対象とされるので、社員である責任者は移動があり、大体1年位を目安に入れ替わりがあります。

直営時代のスタッフが残っていると万が一の場合にフォローが出来る

直営給食から給食会社に切り替えたばかりの時は、直営時代からのスタッフも数名残存します。

直営時代の元調理員はパート従業員として従事していますが、万が一何かトラブルが起こった際は自分達の経験を生かしてフォローに駆けつけることが出来ます。

元直属の従業員は厨房施設や仕事の流れもよく知っているので仕事の段取りも上手く、仕事の合間を縫っては厨房内の清掃を行って清潔に努めるなどして目走りを効かせた動きをします。

しかし、そのようなスタッフも永遠に働いているわけではありません。

いずれ退職してスタッフが入れ替わる日が来ます。

ところが後から入社したスタッフは調理補助として従事するので、与えられる仕事が限定されます

そうすると先輩スタッフや上司にあたるスタッフがきちんと教育をしていかないと、以前在職していたスタッフのような動きをとることが出来なくなります。

また、厨房業務は労働環境が劣悪で、夏は暑く冬は寒く変形労働時間です。

その条件の悪さからスタッフが長続きせず人手不足が起こります。
 

やがて襤褸が出る…

ところがこの責任者の入れ替わりを繰り返すことによって、酷い責任者に遭遇してしまうことがあります。

当然食事の質の低下に繋がり、下で働いているスタッフの士気も下がります。

そうなってしまいますと、事業所とその会社との信頼関係が希薄になり始めるのです。

また、事業所の人間関係が悪いと尚更です。

給食会社の責任者が責任者としての責務を果たさず、おまけに人出不足状態を起こしてしまうと、働いているスタッフが健全に働けず、そのしわ寄せは一番大事にすべき患者様や利用者様に行ってしまいます。

調理師はピンキリで、能力やスキルの面で著しく個人差が現れています。

常に食に携わる者として日ごろ学習しているスタッフなら幅広い知識を活用して後輩スタッフに指導が出来ますが、向上心がない調理師は当然知識も薄いので、調理師の資格を持った素人にすぎなく頼りないのです。

ただ、このような給食会社は人手が少なく、優秀なスタッフは出世してしまうので、施設に所属する調理師は向上心のない「ぼんくらレベル」の調理師が残ってしまうケースが多いのです。

次々と入社してくる後輩をまともに教育出来ないのですから「ただ言われたことをやればいい」レベルのスタッフを増やしてしまいます。

これが連鎖することにより、委託会社のスタッフはプロフェッショナルと呼べるような人はほんの一握りとなってしまいます。

そしてあれだけ厳しくマニュアル化されている衛生管理も疎かになり、厨房内は食品を扱っている場所とは思えない位清掃が行き届かず、埃や食品汚れで汚くなっていることが当たり前となってしまいます。

最悪の場合「食中毒」という事故を発生してしまいます。




 

給食委託会社が一番大切にしていることは?

給食委託会社は「利益」を最重要視しています。

ただ、事業所側は給食委託会社に自分が管理する事業所の経費を負担したくないからといって、何でも給食委託会社の経費で物を購入させるべきではありません。

管理費や給食費を削ることによって委託会社の労働環境悪化や、食事の質に低下に繋がるからです。

しかし、事業所側が委託会社に経済的な負担を強要しているわけではないのに、委託会社が自社の利益を上げるために躍起になっているケースもあります。

本来の食数より遥かに少ない少数分で食材を発注し、量を少なくして食事提供を行っている会社が結構多く、「栄養管理より利益を重要視している委託会社が自分達のいう事を聞いてくれない」と病院や施設の管理栄養士が悩まされています。

委託会社としては鼻クソ程度の量しかない食事を提供すれば、立派な利益に繋がることが出来ます。

でも、その委託会社の不祥事は、利用者様や患者様が低栄養やるい痩を招くことになります。

しかも、発注業務に関しては事業所側の管理栄養士が干渉出来ない領域の為、このような愚行を阻止する術がないのです。

また、サービス提供を図るために提案しても、委託会社が「出来ない」と断れば、その提案は皆無となります。

例えば、摂食嚥下障害を起している人の為に介護用食品を使用してもらいたいと提案しても、「食材費が上がる」「他の事業所からクレームが出てる」等の言い訳をして拒否します。

委託会社によっては、ホームページでソフト食をアピールしている会社もあります。

ところが、これも期待通りにはならないのです。

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摂食嚥下に無知

実は、給食委託会社のスタッフは、ソフト食や摂食嚥下のメカニズムに関して無知という事実があります。

昔ながらの「咀嚼機能が弱った人は一律にキザミ食で提供して、キザミ食が食べられない人はミキサーにかける」というやり方を未だに行い、食のテクスチャーを全く加味していません。

しかも、既製品の使用を勧めると「食材料費が高いから出来ない」とはっきり断られます。

ところが、実際には肉や魚の切り身より、市販のソフト食の肉や魚の1人前あたりの金額の方が安いのです。

この、調理に関わる部分についても、委託会社が決定する権限があるので、この件においても事業所側の管理栄養士が指示する権利はないのです。

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まとめ

給食委託会社に切り替えるということは、最悪の場合、このような状況を招いてしまうことを頭に入れておく必要があります。

委託会社で大企業だから優秀であるという固定観念は持たない方が良いでしょう。

ただ、担当するマネージャーやSV(スーパーバイザー)によっても質の良し悪しは変わります。

余りにも酷い場合は委託会社を変えるか、担当者を変える手もあります。

それでもいたちごっこになるのなら、直営を視野に入れた方がいいのかもしれませんね。

 



B!

 



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