アメリカ訪問歴10回以上でNYは5度目という友人女性が、双子の娘さんと姪っ子が同時に大学を卒業したというので彼女らの卒業記念旅行に付き添って来ています。NY近辺の有名観光地は行き尽くしたし、娘たちが美術館巡りしてる間、一人で出かけられるような新しいお勧めスポットはないか聞かれました。
うーん正直自信を持って回答できるような場所は思い浮かばない。現地で働いて暮らしていると最先端の観光情報には疎くなってしまうのです。日本人や韓国人などアジアからの旅行者は、自国語でのSNSやガイドブックなどが充実していて、ローカル在住者よりもずっとレストランや観光スポットの情報に詳しいことが多いです。やや新し目のスポットであるハドソンヤードとブルックリンのダンボも勧めてみたのですが、既に行ってるとのこと。彼女が、海外旅行をすると現地のスーパーマーケット巡りをするのが好きだといっていたので、人気スーパーマーケットチェーンのWegmansを勧めてみました。「聞いたことはあるけど、まだ行ったことがないので、行ってみたかった」との回答。やった!
Wegmansは東海岸一帯で店舗展開しています。1916年にニューヨーク州北部ロチェスターで家族経営のグロッサリー(食料品・日用品店)として創業しました。ローカルマーケットに美味しくてヘルシーな食料を提供することを使命に、ニューヨーク州を中心に東海岸エリアだけで展開しています。今でいう地産地消みたいなお店の走りなのかもしれません。店の作りは基本的に郊外型の大店舗なので、マンハッタンとはそぐわなかったのか、これまで店舗はありませんでしたが、ついに昨年秋、地下鉄で気軽にアクセルできるアスタープレイスに店舗をオープンさせたのでした。
日本からの旅行者がよく観光で訪問するアメリカ系のスーパーマーケットといえば、マンハッタンにも店舗展開するWholeFoodsと最近ブログで紹介したTrader Joe'sですが、Wegmansは郊外立地のためマンハッタンからなかなか訪問が難しかったので、地元日本人コミュニティーでは結構話題になりました。
野菜や果物、乳製品の食料品一般を揃えるスーパーマーケットとしての機能はもちろん、お惣菜コーナーも充実しています。ベーカリー、ハンバーガー、ピザ、寿司、そして各国料理の量り売りと、食べたいものは何でもある感じ。店によってはラーメンコーナーもあります。広めのイートインがあるので朝食から夕食まで、どんなシーンにも使える便利さがあります。そして、何より美味しいのです。値段は決して安くありませんが、マンハッタンで毎回外食するよりはずっと安くつきます。うちの生活圏内にも超大型Wegmansがありますが、ちょっとした買い物でも、結局色々買ってしまう魅力があります。さてそんなWegmansですが、日本人にとってなんと言っても魅力なのは、寿司コーナーと鮮魚売り場が充実していることです。鮮魚コーナーはその名も「サカナヤ」と名付けられています。
もともとWegmansの寿司コーナーは寿司だけでなく刺身用の魚も置いてあり充実していたのですが、ここ数年、日本の鮮魚卸業者「魚力」と提携して今までは東海岸ではなかなか手に入らなかったような魚も売られるようになってきています。さらには、各店舗で豊洲直送のマグロの解体ショー&即売会なども定期的に開催されており、日本の鮮魚文化を広める役目すら果たしています。うちの近所のWegmansでは、1年に1回の割合でマグロの解体ショーが開催されており、大人気です。直近のイベントでは、入場制限してるくらいでした。マンハッタンのお店も鮮魚売り場、寿司コーナーとも拡張基調で早速ニューヨーカーの胃袋をガッチリ掴んでいるようでした。
言葉で説明するよりも写真で見たほうがイメージが湧くと思いますので、以下うちの近所のWegmansで開催された海鮮・寿司フェスティバルの様子を紹介します。
Wegmansを紹介したところ、友人は早速その翌日にアスタープレイス店に行ってくれました。予想通りハマってしまい、ランチだけのつもりが結局午後3時過ぎまで店舗観察、商品ウォッチングで時間があっという間に過ぎてしまったとのことでした。肝心の寿司コーナーや鮮魚売り場はまるでワンダーランドみたいだったと喜んでくれました。ランチは、「ピザのような寿司」を食べて大満足。一方、刺身は塊が大き過ぎで生々し過ぎたようです。日本のスーパーのように、綺麗にツマがついたり食用菊が添えてあったりはしません。それでも、日本のスーパーとは違う陳列などが面白く、日本語表記も誇らしいと、写真を何枚も撮ってしまったと言っていました。海外旅行経験豊富で目利きの高い友人がこれだけ喜ぶのであれば、Wegmansの鮮魚売り場・サカナヤは観光スポットとして合格ですね。実際、X(旧ツイッター)やインスタなどを見ると、既に世界各国からの旅行者の間では隠れ観光地化しているようです。
スナック売り場で日本への土産になるようなアイテムもたくさん発見したので、帰国前日に娘さんたちを連れて、ショッピングを目的にまた訪問すると話していました。2回も行ってくれるとは、とても紹介し甲斐がありました。こんなに喜んでくれるのだったら、私も仕事休んで巨大な郊外型Wegmansに車でお連れしましょうかと持ちかけたいくらいでした。まあニューヨーク滞在最終日は色々予定が詰まっているだろうから、変なプレッシャーにならないように、誘うのは控えましたが。