プライド月間真っ只中のマンハッタンですが、今週の日曜日はそのハイライトであるプライドマーチが開催されます。前回のワシントンDC編はこちら。

 

ニューヨーク生活も長くなると、職場、趣味、サークル、友人ネットワークのなどのつながりでプライドのマーチに参加する機会が増えてきます。ニューヨークのプライドはLGBTの祭典という枠を超えて多様性を祝う一大イベントとしてすでに大衆化してお祭りになっているので、マーチに参加して歩いていても「あの人ゲイだったんだ」なんて誰も思いません。

 

私のプライドパレードデビューは10年前、当時の会社のLGBTコミッティーが音頭を取って会社自体もプライド初参加の年。職場ではカミングアウトしていないので、少し不安でしたが取り越し苦労で、ストレートの社員も家族づれで参加していました。それに一度パレードに行ってしまえばすごい熱気と人波なので誰も気にしない感じ。そんなこんなで私は職場で2回、そして、ゲイ友が所属するゲイのバレーボールサークルに混じって参加と、計3回マーチしました。

 

2015年にパレードに参加した時の写真。確か史上最高の人出だったとかで、人の渋滞が発生していました

 

今年は、旦那Dの元同僚でゲイ友のAさんから、彼が最近している「〇〇・ゲイ・ダディーズ」で一緒にマーチするかと誘われています。Aさんが住む地区に住む子供を持つのゲイの親睦グループです。アメリカで子供がいるゲイは、Aさんみたいに女性と結婚して子供ができて中年になってからカミングアウトした人たちと、代理出産や養子縁組で子供を持っている人たちなのですが、いずれも基本的にセレブ路線のリア充ゲイが多いです。実はゲイだったので離婚してください、という場合には結婚していた女性を裏切ったということで高額な裁判費用や慰謝料もかかります。また代理出産や養子縁組でゲイが子供を持つにもお金がかかります。今月は父の日もあったので、下のようなセレブ・ゲイカップルがこれまたゴージャスな子供達を連れて闊歩する風景がネットニュースや週刊誌のカバーを彩っていました。ニューヨークの子持ちゲイはこういうイメージです。

 

子持ちゲイセレブ中のセレブ、リッキー・マーティン一家

 

俳優のマット・ボマー(右)夫夫も有名なGay Daddies

 

それでも、昨日私の職場のビルのすぐ近くのバーでそのゲイ・ダディーズがプライド事前ミーティング兼ハッピーアワーをするというので顔を出してみました。旦那なしでピンでこういう場に行くことは皆無なので、まるで初めてのゲイバーに行く時のような緊張感で会場へ行きました。何となくの予想通り私以外全員白人。でも、リッキー・マーティンとかマット・ボマーみたいな華やかな感じの方々ばかりでもなく、企業幹部風の頭髪の後退したおっさん(失礼!)もいて少し安心。少し私が恐れていたように、メンバーをルックスを基準に選ぶようなグループではないようでした。ただまあ、しかしよくこんなにも子持ちのゲイがいるもんだと妙に感心してしまいました。

 

マーチの事前手続きはグループ幹事で済ませて、参加者への通知はメール1通で済むだろうし何を打ち合わせるんだろうと思いましたが、特製Tシャツを事前に配るのが主目的だったようです。確かに、Tシャツの束が入ったダンボール箱をいくつも当日幹事だけに押し付けるのは可哀想。このバーの隣にメンバーの職場が入居するビルがあって、そこでTシャツが配られ、その後結局ほぼハッピーアワー化してました。普通のゲイ飲みと違うのは、みなさんサマースクールがどうとか、秋学期はどうしようかとか、結構真面目に子育てトークをしていていたところ。私はちょっと入って行けないかな〜という感じでした。その後パラパラと何人か来てAさん経由で知っていた人もいて話したのですが、私はアウェーの洗礼を受けたような気がして、輪の中心にいるAさんの話が途切れるのを見計らってさよならのハグだけして退散しました。一応チームの特製Tシャツだけ二人分ゲット。

 

子育て話に私は輪に入って行けず早々に退散。ブログネタ用に写真だけ撮って帰ってきました。

 

帰宅してその模様をDに話したら、なんとなく乗り気ではない感じです。プライドマーチは華やかな印象とは裏腹に、普通に歩くだけのグループだと待ち時間やパレード途中含め半日以上に渡っての長丁場になります。なので逆にいうとその分他の参加者と時間を共に過ごすことになるので、Dや私みたいにシャイなゲイには気の合いそうな仲間を見つけ、じっくり友達を作るタイプにはいい場所です。それに加えて、このグループのみなさんがどういう境遇なのか、どんな子供たちがいるのか野次馬根性はあります。(Dも私も自分たちが子供を持とうとは考えてはいませんが)私は、コロナ禍明けの鬱憤を晴らす意味でも、参加したいと気持ちが上向いているのですがとりあえず天気次第というところです。