こんにちは。
好奇心からの便りです。
突然ですが、出雲弁ミニ講座です。
思いつきですので、今回限りになるかもしれないし、あと数回やっちゃうかもしれません。
今回は
『ただも』と『べったぁ』です。
ただも・べったぁ……分かりますか?
分からないですよね。
こんな川柳がありました。
「ただもんと いっちょうあんたは 何もんだ?」
訳しますと
「ただ者と言っているあなたは何者?」
この川柳では「ただ者」にされてしまっていますが、これは聞き違いを川柳に仕立ててあるのです。
本当は「ただもん」とは言っていないのです。
この何者か分からないこの人は「ただも」と言ったのです。
ではこの「ただも」はどういう意味でしょう。
「ただも」は「いつもどうも」という挨拶の言葉なのです。
この川柳のただもんと聞こえた人はおそらく、この地域の言葉がまだ分からない部分もあって、「ただも」が「ただもん」と聞こえたのでしょう。
ただもん=ただ者
見知らぬ人が尋ねてきて、この方は「ん? 私にただ者と呼びかけるこの人はいったいだれ?」と思ったという訳です。
「ただ者! と言っているあなたは何者?」と受け止めてしまったという川柳でした。
島根県東部では(東部内でも地域によって違うかもしれませんが)昔は近所のお宅へお邪魔した時や、親しい方に出会った時
「ただも、だんだんね」という言葉が日常的に使われていました。
これは
「いつもありがとうございます」という意味になります。
場合によっては「ただも!」だけ発することもあります。
関西風にいうと「まいど!」というところでしょうか。
それと類義語に「べったぁ」というのがあります。
べったぁも「いつも」という意味になります。
「べったぁ、べったぁ、だんだんね」
べったぁを二回繰り返すことも多かったようです。
さて「ただも」にはもうひとつの意味もあります。
それは「段々と」「更に」というう風な意味合いです。
「ただも早ことになる」「ただもよんなる」は
「だんだんと早くなる」「更に良くなる」といった感じで使われていました。
以上
今日は出雲弁「ただも」と「べったぁ」をご紹介しました。
ただもだんだんでした。
ではまた。
ただ者の好奇心からの便りでした。
※「だんだん」は「ありがとうございます」の意
気が向けば出雲弁ご紹介第2弾、第3弾をいずれお送りしたいと思います。
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