シードルの主要国【イギリス】

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 イギリスではシードル(Cidre)をサイダー(Cider)と呼ぶ。
イギリスの気温や降水量などでは、良質なブドウを栽培することが難しいが、
リンゴの栽培には適していた。
そのため、昔からリンゴの加工品であるサイダー(シードル)が大量に生産され、
消費されており、世界屈指のサイダー大国となっている。

味わい

イギリスパブ
サイダータップ
Vlad VasnetsovによるPixabayからの画像

 イギリスのサイダーは、甘味、酸味、苦味を含めて全体のバランスが良いものが多い。
パブの文化があるイギリスでは、パブにサイダーのタップ(サーバー)がビールと並んでいる。
生サイダーが飲めるのである。

 イギリスには世界展開するバルマーズ(Bulmers)があり、
大衆受けするサイダーを大量に生産している。
日本のビール産業と同様に、大手が大衆向けビールを大量に展開し、
それに慣れてしまった消費者には、クラフトも激しく飛び抜けたものが出せず、
バランス重視になる状況だ。

生産地

イギリス地図

 イギリスでは、ヘレフォードシャー州やサマセット州で、
サイダーが長く造り続けられている。
比較的西部で盛んにリンゴ栽培、サイダー造りが行われている。

・ヘレフォードシャー州

バルマーズ
Jonas HasselqvistによるPixabayからの画像

 ヘレフォードシャー州には大手メーカーのバルマーズがある。
そして、小規模はファームハウス(農家)が多数ある。
目指すべきものが違うため、両者が競合することはない。
バルマーズと契約しているリンゴ農家もあり、お互いに良い関係が築けている。

・サマセット州

リンゴ収穫
Manfred RichterによるPixabayからの画像

 昔ながらのサイダーを、伝統的製法で造る小規模醸造者が多数いる。
田舎の地酒的なイメージが強いが、世界的な賞を獲得している生産者も多い。
無理に規模を大きくするのではなく、手の届く範囲で自分たちが
美味しいと思えるサイダーを造っている。

●あとがき

 イギリスにはリンゴにまつわる話がたくさんある。
ロビンフットの話や、アーサー王伝説のアヴァロン、ニュートンの万有引力など。
リンゴが昔から身近な果物だったからこそであろう。
シードル造りの最古の記録では、ブリテン島でリンゴの果実酒が造られていたとされている。
ちなみにアップルパイの発祥の地もイギリスであるので、やはりリンゴと縁深い。

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