シードルの歴史

HOME

文字数:約1500文字

 残念ながら、シードルの歴史の詳細はわかっていない
ビールやワインなどは、壁画や古い文献に年数まで書き残されているものがあるが、
シードルは記録が少ない

古文書
Moshe HaroshによるPixabayからの画像

●リンゴ

 リンゴの祖先は、恐竜が絶滅した白亜紀末期の隕石衝突(6600万年前)で、
環境が激変したことによる、突然変異の生き残りという説がある。

 現在のリンゴの祖先(マルス・シルウェストリス[Malus silvestris])は、
コーカサス地方からトルキスタン、天山山脈にかけて、自生していたと考えられている。

 人類の祖先であるアウストラロピテクスの誕生が400万年前、
ホモサピエンスが20万年前である。
人類が誕生した頃にはすでにリンゴは存在しており、食料として摂取していたと考えられる。

リンゴの木
Karolina GrabowskaによるPixabayからの画像

シードル造り

 ブドウ果汁から酒が造れるなら、リンゴ果汁からも酒が造れると考えるだろう。
つまり、ワイン造りが始まった近い時期に、シードル造りがされていてもおかしくない。

 ワイン造りは紀元前8000年頃(約1万年前)に世界最古の文明人とされるシュメール人が、
コーカサス山脈周辺(現在のジョージア周辺)で始めたとする説がある。

 リンゴはブドウよりも雨が多く、涼しい環境を好むため、
ワインを造れるようになった人類が北進すれば
自生する果物がブドウからリンゴに代わり、シードル造りが始まったと考えられる。

リンゴジュース
silviaritaによるPixabayからの画像

 シードルの語源は、ヘブライ語の「シェカール(shekar)」が、ラテン語の「シケラ(sicera)」になり、
スペイン語の「シドラ(sidra)」、フランス語の「シードル(cidre)」、英語の「サイダー(cider)」に
派生したとされる説がある。
シセラはお酒の総称を指し、9世紀のスペイン アストゥリアスで
リンゴ酒を意味するものとなったされている。

シードルの歴史年表

  • 20万年前
     ホモサピエンス誕生
  • 紀元前8000年頃
     コーカサス地方でシュメール人がブドウ栽培、ワイン造りを始める
  • 紀元前6500年頃
     トルコの住居跡から炭化したリンゴのタネが見つかる
  • 紀元前6000年頃
     陶器の壺が造られるようになる
  • 紀元前3000年頃
     エジプトでワイン造りの壁画が描かれる(ワイン最古の記録)
  • 紀元前55年
     ユリウス・カエサルがブリテン島に侵攻した際に、
     ローマ人が「ブリテン島のケルト人がリンゴ果汁を発酵させている」と記述
     (シードル最古の記録)
  • 9世紀
     フランク王国の王シャルルマーニュ(神聖ローマ皇帝カール大帝)の領土侵攻によって、
     各地で荘園を運営する
     荘園ではシードル用のリンゴ栽培も行われ、各地にシードルが広まる
  • 1337年
     英仏百年戦争勃発により、リンゴ栽培に大打撃(~1453年)
  • 1492年
     コロンブスが新大陸発見
     アメリカ大陸にシードル造りが広まる
  • 1600年代
     瓶とコルクが開発され、保存性が高まる
  • 1665年
     イギリスでニュートンがリンゴの落下を見て、『万有引力』をひらめく
  • 1676年
     イギリスでシードル造りの本が出版され、製法が確立する
  • 1854年
     ヨーロッパで、害虫フィロキセラ蔓延よりブドウに壊滅的被害
     ブドウ栽培からリンゴ栽培に切り替える人が続出
  • 1871年(明治4年)
     日本で西洋リンゴの苗木を輸入
  • 1877年(明治10年)
     青森県で日本初の西洋リンゴの実がつく
  • 1901年(明治34年)
     青森県で日本初のシードル製造・販売
  • 1920年
     アメリカで禁酒法が制定される(~1933年)
  • 1945年
     第二次世界大戦終結

●あとがき

 古代ではお酒全般を指す言葉があり、シードルもワインも一緒くたにされていたことで、
ワインの歴史とごっちゃになっている可能性もある。
シードルに着眼して古代の文献を解読する人が増えれば、
今よりも詳しい歴史がわかるかもしれない。

\ポイント5%還元!/
Yahooショッピング
¥6,600 (2022/05/20 18:19時点 | Yahooショッピング調べ)
\ポイント5%還元!/
Yahooショッピング
Amazon プライム対象