銀河英雄伝説はどうでしょう?

2022年6月24日

最近で読んだ本と言えば、英語多読本ばかりになっているおとぴんです(笑)

難しい本には全く縁のない私ですが、娯楽が今より少なかった一昔前は、多少は本を読む機会が多かったように記憶しています。

その中でも、繰り返し読んだ本がいくつかありまして、私の中でのランキング入りの一つが「銀河英雄伝説(=銀英伝)」となります。

人生で本当に大切なことのいくつかをこの本で学んだと思っておりまして、ぜひご紹介させてください!

当時のブームは知りませんが…

Wikipediaで調べたところ(笑)、最初の第1巻発売が1982年(昭和57年)、最終の第10巻発売が1987年(昭和62年)となっており、その間には大変な「銀英伝ブーム」が巻き起こっていたようです。

残念ながら私はその後に銀英伝を知りましたので、その当時のブームを知りません…。

最初のキッカケは、1988年から登場したアニメをTVでたまたま見てからのような気がします。

当時は「なんかオオゲサなタイトルやな~」というネガティブな印象ありましたが、タイトルだけで敬遠しなくて本当に良かった…。

心奪われました…

すぐに本伝全10巻と外伝全5巻を購入して繰り返し読み、さらにレンタルビデオ屋で借りたアニメ版を、もう一台のビデオデッキを調達してダビング(※昔のことなのでご容赦を…)し、こちらも繰り返し見続けました。

作品によっては、原作とアニメ化でギャップを感じる場合もあるようですが、私はほとんどギャップを感じませんでしたので、原作に相当忠実に作られたアニメなのだと思います。

その後しばらくたって、DVDボックスセットが発売された時には既に働いていましたから、すぐに大人買いしてしまいました(笑)

タイトルが「英雄」伝説ですので、もちろん戦闘シーンもあるのですが、ほとんどは人間の本性を突き詰めたドラマでして、時代を超えた普遍のテーマと言え、今見ても全く色あせない魅力があります。

なので、今でも検索すればたくさんのファンサイトがあり、外国でも大人気、累計発行部数が1500万部で100版以上の超ロングセラーですので、私からの内容紹介など、今更感がありとてもできません…。

2018年から「銀河英雄伝説 Die Neue These」としてリメイクされているのは、その絶大な人気があってのことだと思います(※今回の記事ではリメイク作品についての内容はありません)。

最近ではウクライナ問題があり、いつの時代も人間は変わらないな~と銀英伝を思い出したキッカケになりましたので、少しでも魅力を知っていただきたく、それぞれの陣営から一つだけセリフをご紹介します。

しかし、素晴らしいキャラクターと名セリフばかりなので、絞り込むのがホント難しい~(*_*)

ヤン・ウェンリー

専制主義の銀河帝国と対峙する共和制・自由惑星同盟における随一の知将ですが、軍人になりたくてなったわけではなく、軍のトップでもありません。

戦史を含めて歴史に通じており、「ペンは剣よりも強し」と本気で思っていながら、いざ戦闘となると誰にも真似できない能力を発揮し、敵将ラインハルトも「魔術師ヤン」と最大限に評価しています。

その彼が、人類の歴史を踏まえて、若きユリアンに対して言ったセリフが以下です。

恒久的な平和なんて人類の歴史にはなかった。

だが何十年かの平和で豊かな時代は存在した。

要するに私の希望は、たかだかこの先数十年の平和なんだ。

銀河英雄伝説 ・黎明篇

人間は自分が悪であるという認識に耐えられるほどに強くはない。

だから、それぞれの正義を信じてそれを他人に押しつけようとして戦うのさ。

銀河英雄伝説 ・黎明篇

実際、地球上で紛争は絶えませんし、今もウクライナで現在進行中です。

多くの国がウクライナを支持している一方で、ロシアはロシアなりの正義を持って侵攻しているのでしょうから、どうにもやりきれない思いです…。

ラインハルト・フォン・ローエングラム

絶対的な階級社会の銀河帝国で下級貴族として生まれ、皇帝に姉を奪われたことから幼心に皇帝簒奪を決意、軍人として皇帝への覇道を歩むことになる天才で、ヤン・ウェンリーのライバルです。

清廉なラインハルトの権力掌握により、銀河帝国は最悪の専制政治から最良の専制政治に代わるのですが、対峙する自由惑星同盟は建国の理念を忘れて衆愚政治に陥り、私利私欲に走る政治家が無責任に統治しています。

戦闘終結の際、彼がヤンと直接面会する機会があり、その際、民主共和制に対する忠誠心を持ち続ける価値があるのかを痛烈に皮肉ったセリフが以下です。

民主共和制とは人民が自由意志によって、自分たちの制度と精神を貶める政体のことか

銀河英雄伝説・風雲篇

これに対してヤンは、選挙など最終的な結果責任を国民自身に帰することができるという一点で、民主主義がまだマシだと考えており、自由惑星同盟に留まることを表明して銀河帝国への帰属を拒否するのです。

一方でヤンは、面倒で時間のかかる民主政治に国民自身が飽きて、国民が考えなくても命令してもらう専制政治を望んだ場合にどうするのかという疑問も持ち続けます。

アドリアン・ルビンスキー

自由惑星同盟と銀河帝国を繋ぐ要衝にあるフェザーン自治領のトップ・自治領主です。

フェザーン自治領は、形式上では銀河帝国に属しながら、事実上の中立国家のため、双方の争いが継続することで、莫大な貿易上の「漁夫の利」を得ています。

情報を巧みに利用して、フェザーンが両国を手玉に取れていると考えており、不毛な戦争をしている同盟と帝国を見下していますが、後々、圧倒的な軍事力に飲み込まれることになります。

ラインハルトが未だ全軍を掌握しておらず、彼を妬み過小評価する帝国軍から、敵の半数の戦力で討伐を命じられますが、見事な戦略でこれを各個撃破した際に、ルビンスキーが彼をこう評します。

専門家が素人に遅れを取る場合が、往々にしてある。長所より短所を、好機より危機を見てしまうからだ

銀河英雄伝説・黎明篇

しかし、陰謀の専門家である彼自身も、後になって足元をすくわれることになるのです…。

現実世界では、西側の専門家がロシアの侵攻を事前に予想できなかったのか、また狡猾な立ち振る舞いをするフェザーンのように、その状況や結果を利用しようとする勢力があるのか、真実はどこにあるのでしょう…。

フェザーンの国是「侮りを受けるほど弱からず、恐怖されるほど強からず」も思い出すことになりました…。

銀河声優伝説

作品の登場人物が多いこともあって、キャラクターの差別化を声で行おうとする狙いがあり、その当時のほとんどの男性の声優さんが総出演されていたことから、巷ではこのように呼ばれていたようです。

各陣営の主要キャラクターを担当された声優さんをご紹介します。

富山敬

本作品ではヤン・ウェンリーを担当されていますが、宇宙戦艦ヤマト「古代進」、ゲゲゲの鬼太郎「ネズミ男」、ちびまる子ちゃん「さくら友蔵」まで、ヒーローから小悪党役まで幅広く演技されているベテランです。

信頼する仲間に対しては部下であってもおだやかに丁寧に語り掛ける一方、卑劣な人間に対しては上官であっても、立て板に水で毒舌を吐け続けるキャラクターを見事に演じられていました。

銀英伝本伝の全編に渡って活躍されたのち、1995年に56歳で早世されていますが、ヤン=富山敬さんと感じるファンも多いようで、富山敬さんにとっての最高傑作の一つだったと私も感じます。

堀川りょう

やや高めの声でラインハルトを担当されていますが、名探偵コナンでの「服部平次」、ドラゴンボールの「ベジータ」など、全く違うキャラを演じられ、違和感ないのはスゴイですね!

ヤンと比較して感情の起伏が大きいキャラクターなのですが、相手が卑劣な敵将の場合、信頼する部下の場合、無二の親友であるキルヒアイスと話す場合などでの演じ分けが見事でした。

小林清志

陰謀の数々を仕掛け、自信に満ち溢れた精力的なルビンスキーを、低くて重い声で表現されています。

数々の洋画吹き替えを担当されているほか、有名どころではルパン三世の「次元大介」を演じられていますが、作品でのキャラクターの違いなのか、当時は全く気が付きませんでした。

ルビンスキーはヤンやラインハルトよりも年長であったこともあって、両国を手玉に取って自分がコントロールできていると確信している、大人の余裕を感じさせる素晴らしい声でした。

屋良有作

この方は本作では、声優ではなくナレーターを務められています。

ストーリーの進行上、一話分のほとんど出演されているようなケースがあるほか、次回予告のナレーションもされてますので、もしかするとメインキャラクターと同じくらい登場されているかもしれません。

しかし何と言っても、一話の最後にほぼ毎回繰り返されるこのセリフが耳と心に残るのです!

「次回、銀河英雄伝説第○話△△、銀河の歴史がまた1ページ」

EDテーマ

オープニングでは、秋吉満ちるさん、LISAさん、こんのひとみさんがそれぞれ、透明感のある歌声を披露されていますが、私にはエンディングの小椋佳さんが特にグッと刺さりました。

1期~4期まですべて小椋佳さんが担当され、「光の橋を越えて」「旅立ちの序曲」「歓送の歌」「宇宙の掛け橋」など名曲ぞろいです。

エンディング曲の目的がそうなのかもしれませんが、実にジックリと物語の余韻に浸れるという感じでしょうか。

特に「歓送の歌」は、物語が大きな佳境に入ったタイミングの曲であり、旅立ちや別れが繰り返される場面が多く、ピッタリとしか言いようがないほど物語とハマッており、自然と泣けてくる名曲です。

異動シーズンにも合っていることもあって、実はカラオケで何回か披露させていただいたところ、私の歌声はともかく、「いい曲やね~」とお褒めの言葉をいただいております(笑)

アマゾンプライムで見放題!

他のサブスクサービスでも視聴できるかと思いますが、現時点で、アマゾンプライムの会員特典として本編・外伝ともに、すべて見放題となっています。

DVDボックスを買った私としては、DVDを入れ替える手間もなく、良い時代になったな~とシミジミ思います。

アマゾンプライム会員に入っておられる方はもちろん、まだ入っておられない方もお試し期間など利用して、是非見ていただきたいですね!!

ただし、本伝だけで110話あり、1話が約25分なので約46時間位はかかる計算ですので、まとまった時間と体力が必要かもしれません(笑)

しかし、10人のうち7人くらいは大満足できる作品なのではないかと思いますので(=私調べ)是非視聴してみてください!!

「銀河の歴史がまた1ページ…」

50代からの資格取得(小型二輪免許)

趣味と資格

Posted by おとぴん