リバプールの移籍情報② 今夏 リバプールが獲得を狙う選手たち

 2022年夏の移籍市場も盛り上がりを見せています。各チームが新シーズンに向けて選手の補強と放出を進めており、リバプールにも既に大きな動きがありました。クラブ史上2番目となる金額でベンフィカからダルウィン・ヌニェスを獲得しています。

 また、選手の放出面でも大きな動きがありそうです。下記の記事で、今夏にリバプールからの退団が噂される選手について紹介しましたが、その中でもサディオ・マネのバイエルン移籍が現実味を帯びています。クロップの下で偉大な実績を残したレジェンドの退団には、ファンとしては非常に寂しさが募ります。

 しかし、選手の退団があれば新たな選手の入団もあるものです。リバプールは既にファビオ・カルバーリョ、ダルウィン・ヌニェス、カルヴィン・ラムジーの3選手の獲得を決めており、さっそく新SDのジュリアン・ウォードが仕事をしている感があります。移籍市場はまだ長く、更なる選手補強も噂されています。

 今回の記事では、今夏のリバプール入りが既に決まった選手と、リバプール入りが噂されている選手について紹介します。

補強の噂① ダルウィン・ヌニェス(獲得決定)

 まずはリバプールが既に獲得を決めた選手から紹介します。今夏、ここまでの補強で最も期待されるのはダルウィン・ヌニェスでしょう。

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 リバプールはクラブ史上2番目とされる移籍金でベンフィカからヌニェスを獲得しています。以下はこれまでにリバプールが獲得した選手の移籍金ランキングです。ファン・ダイクの£76.19mが最高額ですが、ヌニェスはそれに次ぐ£67.50mの移籍金となっています。

順位選手移籍金獲得先
1ファン・ダイク£76.19mサウサンプトン
2ダルウィン・ヌニェス£67.50mベンフィカ
3アリソン£56.25mローマ
4ナビ・ケイタ£54.00mライプツィヒ
5ルイス・ディアス£42.30mポルト
6クリスティアン・ベンテケ£41.85mアストン・ヴィラ
7ファビーニョ£40.50mモナコ
8ディオゴ・ジョタ£40.23mウォルバ―ハンプトン
9モハメド・サラー£37.80mローマ
10サディオ・マネ£37.08mサウサンプトン
11ロベルト・フィルミーノ£36.90mホッフェンハイム
12アンディ・キャロル£36.90mニューカッスル

 ヌニェスはサディオ・マネの後釜としての獲得とも言われています。21-22シーズン後半のマネは、ルイス・ディアスが冬に加入したこともあって、3トップの中央でプレーする機会が増えていました。フィルミーノやジョタもいるポジションですが、クロップとクラブはこのポジションに大きな投資を決断しましたね。

 ヌニェスはウルグアイ出身で、現在22歳と若いストライカーです。ウルグアイのペニャロールユースで育成を受けると、2019年にスペインに渡っています。スペイン2部に所属しているアルメリアで活躍を見せ、1年後にはベンフィカから引き抜かれています。

 ベンフィカにはクラブ史上最高額の移籍金で加入しており、非常に期待されていた選手だったことがわかります。ポルトガルリーグでは2シーズンに渡ってプレーしており、21-22シーズンには28試合で26ゴールを上げて、得点王に輝いています。

 また、21-22シーズンのチャンピオンズリーグではベスト8進出の原動力となりました。準々決勝でリバプール相手に敗れましたが、その際のパフォーマンスは傑出しており、クロップの目にも止まったと思われます。前線で起点になれる強さに加え、足元の技術とスピードも兼ね備えたオールラウンドなストライカーはリバプールでどのような活躍を見せてくれるでしょうか。

補強の噂② ファビオ・カルバーリョ(獲得決定)

 ヌニェスに続き、今夏にリバプールへの加入が決定しているしているのがファビオ・カルバーリョです。元々は1月に移籍手続きが進んでいたようですが、間に合わず、夏に正式に移籍手続きを完了しています。

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 ファビオ・カルバーリョは、21-22シーズンにイングランド2部のチャンピオンシップで大きなインパクトを残した若手です。現在19歳のカルバーリョは、両サイドのウィングや攻撃的なMFとしてプレーできる選手で、21-22シーズンのチャンピオンシップでは11ゴール8アシストと言う実績を残し、フルアムのチャンピオンシップ制覇に貢献しています。

 ファビオ・カルバーリョはフルアムでプロデビューを飾っていますが、ポルトガル出身のプレイヤーです。元々はベンフィカのアカデミーでプレーしていましたが、2013年に家族でロンドンに移住しており、その後はイングランドで育成を受けています。U16~U18の代表チームはイングランドを選択していましたが、現在はポルトガル代表のU21チームを選択しています。

 今夏、リバプールにまた若き才能が加わります。攻撃的なポジションは競争も激しいですが、クロップの下でどのような進化を見せてくれるのか、非常に楽しみですね。

補強の噂③ カルヴィン・ラムジー(獲得決定)

 ファビオ・カルバーリョ、ダルウィン・ヌニェスに続き、今夏3人目の加入選手となったのが、アバディーンから獲得したカルヴィン・ラムジーです。

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 ラムジーは18歳のスコットランド人で、ポジションは右サイドバックです。21-22シーズンはスコティッシュ・プレミアリーグにおいて定位置を確保し、1ゴール9アシストを記録しています。

 リバプールの右サイドバックと言えば、トレント・アレクサンダー・アーノルドが絶対的な存在となっており、昨季終盤はジョー・ゴメスも高いパフォーマンスを披露していました。新加入のラムジーが割って入るのは難しいポジションですが、クロップらコーチ陣にも高く評価されている選手です。リバプールでも存在感を発揮して欲しいですね。

補強の噂④ ジュード・ベリンガム

 ここからはリバプールが興味を示しており、獲得が噂されている選手たちを紹介します。リバプールは今夏最初のターゲットとして、昨季までモナコに所属していたオーレリアン・チュアメニの獲得に動いていました。

 チュアメニは中盤のプレイヤーで、リバプールの4-3-3だとアンカーやインサイドハーフでのプレーが期待されていた選手です。最終的にはチュアメニはレアル・マドリーへの移籍が決定しましたが、リバプールがMFの獲得を狙っていることが明らかになりました。そのため、ここからは主にMFの噂について紹介していきます。

 まずはリバプールからの関心が継続的に取り沙汰されているジュード・ベリンガムです。現在はドルトムントでプレーしている若きイングランド代表MFには、様々な記者が口を揃えてリバプールの興味を報じており、熱い視線を注いでいるのは間違いないと思われます。

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 ベリンガムはバーミンガムのアカデミーで育成を受け、プロデビューもバーミンガムで飾っています。バーミンガムのクラブ史上最年少記録でプロデビューを果たすと、最年少得点記録も更新しています。2020年からはドルトムントに活躍の場を移し、継続的に高いパフォーマンスを見せていますが、まだ18歳と非常に将来性が豊かな選手です。イングランド代表においても既に常連となっており、移籍金もそれなりに高額になることが予測されます。

 そんなベリンガムを狙うリバプールですが、今夏の獲得は難しいとも言われています。ドルトムントは既にアーリング・ハーランドをマンチェスターシティに放出しており、同じ移籍マーケットで主力を2人失うことは嫌うだろうと報道されています。リバプールとしては、2023年の夏に獲得することも辞さず、ベリンガムの動きを注視している状況です。

 クラブが本気で動向を追っている若きイングランドの至宝は、今後の移籍マーケットで非常に注目な存在です。ベリンガム本人は、憧れの選手をスティーブン・ジェラードと発言していたこともあり、リバプールファンからの期待は高まりますね。

補強の噂⑤ カルヴィン・フィリップス

 続いてのリバプールの補強候補はカルヴィン・フィリップスです。リーズでプレーするイングランド代表MFは、リバプールからの関心がたびたび噂されています。

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 フィリップスの噂は、リバプールがMFを狙っていることから来るものでしょう。プレイヤーのタイプとしても、中盤で強度の高いプレーができるフィリップスはクロップのサッカーにフィットすると見込まれての報道だと思います。

 リーズのユースチームで育ち、長年チャンピオンシップでプレーしたフィリップスですが、プレミアリーグに昇格後は継続的にイングランド代表にも呼ばれています。EURO2020では全試合に出場して準優勝に貢献するなど、主力として活躍していました。

 そんなフィリップスですが、現時点での報道ではリバプールからの関心はやや下火になっています。現在の主力の報道によると、リバプールとしては2022年の夏にはMFを獲得しない方針であり、2023年にベリンガムを狙うだろうとのことです。報道の真偽のほどはさだかではありませんが、リバプールがMFを狙っていることは確かであり、フィリップス獲得に動く可能性もゼロではないかもしれません。

補強の噂⑥ イブラヒム・サンガレ

 そして、最後に紹介するリバプールの補強候補として噂される選手は、イブラヒム・サンガレです。サンガレも中盤を主戦場とする選手で、MFの補強を狙うリバプールのターゲットとして噂に上がっています。

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 サンガレはコートジボワール出身のプレーヤーで、フランスのトゥールーズを経由して現在はオランダのPSVでプレーしています。強靭なフィジカルを活かして、中盤で強度の高いプレーができる選手で、縦への推進力も備えているとされています。フィリップスと同様、クロップのスタイルに合うMFとして報道に上がっているのでしょう。

 しかし、上述の通り現在ではリバプールは2023年夏までMFを補強しないという報道が主流であり、サンガレに関しても、噂は下火となっています。しかし、移籍市場は長く、何が起きるかわかりません。リバプールのサンガレに対する何らかのアクションが今後あるのか、は注目でしょう。

まとめ

 ここまで、リバプールが2022年の夏に獲得を決めた選手と補強の噂として挙がっている選手を紹介してきました。移籍市場が始まって迅速な動きを見せ、ファビオ・カルバーリョ、ダルウィン・ヌニェス、カルヴィン・ラムジーの獲得を決めたフロントは非常に優秀な仕事をこなしました。今夏より正式にSDとして移籍市場を取り仕切るジュリアン・ウォードが手腕を発揮したところでしょうか。

 まだまだ長い移籍市場においては今後の動きにも注目が集まります。チュアメニ獲得を目指していたように、リバプールがMFの獲得を目指しているのは間違いないでしょう。しかし、最近では2022年の夏には誰も獲得せず、2023年の夏にジュード・ベリンガムを狙うのではないかとされています。

 本記事で紹介したフィリップス、サンガレの他にも様々なMFの名前が取りざたされている状況ですが、果たして今夏の新たな選手の獲得はあるでしょうか。今後の移籍市場にいては、MFのポジションが一つの注目ポイントだと思われます。