拙著 『僕が帰りたかった本当の理由』

サンジェルマン出版

 

2022年4月1日発売

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さすが、そう来るのかぁ

 

 

2022年5月8日

 

 

母の日。

 

 

今日は、長男の諒が亡くなってから

初めて迎える母の日だ。

 

 

 

昨日は、

 

『 明日は日本では母の日。

きっと、

諒君からママに何かプレゼントが来ますよ!

感覚を研ぎ澄ませていてくださいね! 』

 

そんなメッセージが出版社のオーナーからは届いていた。

 

 

 

 

ばたん!

 

突然、

諒の遺灰の方から物音が響く。

 

 

え?

 

 

何?

 

 

 

それは、

諒の遺灰の前に供えられていた、

供花の花瓶が倒れた音だった。

 

 

その花瓶は、

地震対策で敷かれたゴムマット上

に置かれていて

絶対に倒れるはずの無いものだった。

 

 

ところが、

見事に倒れたのだ。

 

 

しかも、

震度0で(笑)

 

 

 

そして花瓶から投げ出された花は、

台所で作業をしている母親めぐみの足元へ綺麗に舞って落ちた。

 

 

『 はい、お母さん。

僕からのカーネーションだよ。』

 

諒が笑っている。

 

 

数日前、めぐみはスーパーの花屋で、

諒の遺灰に供える供花を購入した。

 

通常であれば、

供花にふさわしい菊の花を選んでいたに違いない。

 

ところが、

母の日が近づいていたせいで、

花屋には沢山のカーネーションが売られていた。

 

たまたま今回は、

カーネーションを選んでいたのだ。

 

その花は、めぐみ自身に贈られるものだったのである。

 

またまた

諒にしてやられた。

 

 

 

当然、倒れた花瓶からは

花だけではなく、

水も床にこぼれ落ちた。

 

 

めぐみは、床の水を掃除しながら、

諒との生前の日々を思い出す。

 

諒はペットボトルに水を入れて遊ぶのが大好きだった。

 

めぐみは、

諒が床にこぼした水の後始末を

毎日のようにやらされていたのだ。

 

 

 

『 諒君! そんな水をこぼす演出なんかしなくても、

十分、

諒君からのプレゼントだって事くらい分かるよぉ 』

 

 

 

めぐみは文句を言いながら雑巾で床の上にこぼれた水を拭く。

 

 

 

 

でも、

やっぱり

嬉しそうだった。

 

 

 

本当に親孝行なやっちゃ。

 

 

 

★★★★

 

世界へ飛んでいけ! 

諒君の想い!

 

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