【幻の動物】アジアのユニコーンこと「サオラ」がまじで幻な件【二角獣】

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ついにベトナム入国にあたってPCR検査と陰性証明すら不要となり、いよいよベトナムへの出張対応が本格化してきました。先週、本社役員のアテンドが終わったと思ったら、月末には東京とホーチミンから最大10名の大所帯がやってきます。ブログの更新が止まったら、主は今日もアテンド頑張ってるんだと思ってください。

さてさて。ハノイでは現在シーゲーム(SEA Games、東南アジア競技大会)が開催され、佳境を迎えています。

「東南アジアのオリンピック」がハノイで開催、ベトナムは大活躍

「東南アジアのオリンピック」とも称されるシーゲームは1959年の初回大会以降2年毎に開催され、今回で31回目。第31回大会は2021年に開催されるはずでしたが、コロナの蔓延により今年に延期されています。過去30回のうちベトナムで開催されたのは第22回(2003年)のハノイ大会のみで、今回は実に19年ぶり2度目のベトナムでの開催ということになります。東南アジアの11か国がハノイ、ハイフォンなど11の都市で40競技、526種目を競っています。

アテンドした役員さんがSEA Gamesと書いてある看板を見て「海の大会かなんかかと思った」と言ってましたが、かくいう僕自身も今大会まで知りませんでした。ベトナム人の同僚のうちひとりは「まったく興味なし」、もうひとりは「サッカーは観るが他は興味なし」とのことでした。。確かにベトナム人の陸上選手とか競泳選手とか聞いたことないわ。そういえば、ベトナムの子どもが全然泳げないという記事が最近出ていて驚きました(ゲアン省では子どものうち3.3%しか泳げないとのこと)。

大会期間中、1万から1万5000人の関係者が集まるとのことで、たしかにアテンド中にハノイのホテルや観光地でシーゲームのパスを提げた人をよく見かけました。

早くも明日が最終日(なんで最終日が月曜やねん)。本日午前現在で、526種目中ベトナムは金メダル183個を含むメダル395個と、2位のタイをぶっちぎって独走状態です。外から選手が集まりにくいのか、ホームが有利すぎるのか、ホントにベトナムが強いのか。前回のフィリピン大会は金メダル98個で2位、2003年のベトナム大会では金メダル158個で1位と、そのいずれもっぽいですね。

そして、なんといっても今夜は全競技のなかでももっとも盛り上がる男子サッカーU23の決勝戦が行われます。

去る5月18日の準決勝では、ベトナムが1-0でマレーシアを下して街は大騒ぎでした。ベトナム人のサッカー好きは異常です。大会2連覇を目指すベトナムが今夜も勝ったら狂喜乱舞で死人が出るかもしれません。外出るのやめとこ。。

(追記: 男子もベトナム代表がタイを1-0で下して優勝。おめでとうございます!)

今夜の決勝戦を前に、ネットではチケットの争奪戦が繰り広げられています。もともと公式に販売された値段がひと組あたり約1500円から2500円なのに対し、闇マーケットでは7万5000円から10万円にまで高騰しています。嵐ファンもびっくりの50倍、と言いたくて調べてみたら嵐の公演チケットも50倍くらい高騰するんですね。

決勝戦の会場であるハノイのミーディンスタジアムは4万人のキャパがあるのに対し、一般販売されたチケットは半分の2万枚。残りの2万枚はVIPや関係者、スポンサーなどへの招待券で、闇に出回っているチケットの大半がこの招待券とのこと。。どこまでいってもベトナムだな〜。

昨日、男子に先立って女子もタイを1-0で破ってベトナムが優勝!

シーゲームのマスコットキャラはまじで幻

前置きがめちゃくちゃ長くなりました。今回のシーゲームのマスコットには「サオラ」という動物が採用されています。ベトナムとラオスの一部にしか生息していないウシ科の動物で、その珍しさから「アジアのユニコーン」とも呼ばれています。今回マスコットキャラクターとして世に出たことで、東南アジアに触れる日本人の中でもずいぶんその存在が浸透したのではないでしょうか。

ちなみに、2003年のハノイ大会のマスコットキャラは水牛。うーん、弱い。

しかし幻の動物という呼び声にふさわしく、とにかく目撃された回数が極めて少ない動物で、その生態の多くは未だ謎に包まれたままです。

まず、最初に発見されたのが1992年とめちゃくちゃ最近です。20世紀も終わろうかという現代に体長1.3〜1.5mほどもある新種の哺乳類が発見されるというニュースは、動物学の業界にとってはかなりの衝撃だったようです。

ベトナム政府と世界自然保護基金(WWF)の調査隊が地元の猟師の家で見慣れない2本組の角を見つけたのが1992年。翌年には新種として発表されました。

ラオスでは1996年に初めて生体を捕獲し撮影がされたあと、1999年には無人カメラがその姿を撮影。2010年に地元住民が再び個体を捕獲したものの、専門家が到着する前に死亡しています。ベトナムでは1994年に生後4~5か月のメスを捕獲するも半年後に死亡。その後1998年に成獣を撮影、2013年に実に15年ぶりに生きた姿が再び撮影されています。2019年にもサオラとされる個体の撮影に成功したという報道も出ましたが続報がなく、直近の目撃は2013年とみられています。

20世紀末に発見されてから30年間で数回しか目撃されてないて。。しかもナマで見れたのは地元民だけで、専門家は誰ひとりその生きた姿を直接目にしていないわけです。幻もすぎる。

当然生息数も諸説あるもののごく限られていると考えられており、その数は数十頭、よくて数百頭、ヘタすりゃ10数頭とされています。レッドリストの中でも最も絶滅の危険が大きいとされる「近絶滅種」に分類されており、トラやゾウ、サイなどよりも深刻な危機に瀕しているとのことです。

サオラの生息地

このように、あまりにも目撃情報が少なく、存在すら怪しいほどの珍しさから前述の通り「アジアのユニコーン」と呼ばれ親しまれているわけです。二角獣(バイコーン)だけどね。

なおGoogleでサオラと検索すると、「Google AR」という機能でサオラの3Dモデルが上位に表示されます。これはGoogleがWWFと協力のうえサオラの保護を訴えるキャンペーンの一環で、国際サオラの日(World Saola Day)である7月9日に合わせて発表したものです。国際デーまであるんか。

おわりに

平成になってから発見されて、目撃することすらままならない動物が令和の時代になってもまだいるとは。そういえば、ハノイのホアンキエム湖の大亀もここしばらく目撃情報がありません。調べてみたら2016年が最後のようです。日本に帰任するまでにどちらかが発見されたニュースをブログで発信したいものです。

参考資料・画像引用元

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