宝石の中でもひときわ魅力的な輝きを放つオパール。しかし、どんなものかはイメージできても、それが持つ意味や性質は知らないという方も多いのでは?この記事では、オパールがどんな宝石なのか、どんな種類があるのかについて触れていきます。

オパール各種のアイテム一覧
このコラムで紹介しているオパールの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。
オパールとは?

10月の誕生石としても知られるオパール
オパールは10月の誕生石に指定されています。ご自身や身近な人の誕生石という方は、なじみ深いのではないでしょうか。誕生日の贈り物や人生の節目に贈られる宝石としても人気があります。
オパールの産地
原産地はメキシコやペルー、ブラジルなどの中南米、エチオピア、オーストラリアなどが有名です。それぞれの地域で産出されるオパールには特徴があり、色彩や品質に違いが見られます。
・オーストラリア:世界のオパール供給量の約90%を占める最大の産地であり、ブラックオパールやホワイトオパールが有名です。特に、ニューサウスウェールズ州の「ライトニングリッジ」から産出されるブラックオパールは、世界最高峰の品質として評価されています。
・エチオピア:エチオピアオパールは、透明度が高く、鮮やかな遊色効果が特徴です。
・メキシコ:メキシコでは、鮮やかなオレンジ色の「ファイアオパール」が多く産出されます。透明感があり、暖かみのある色合いが人気です。
オパールの名前の由来、和名
オパールという名前は、古代サンスクリット語で“貴重な石”を意味する「upala(ウパラ)」に由来します。この言葉がラテン語で“色の変化を見る”という意味の「opalus(オパリオス)」を経て、現代の「opal(オパール)」となり宝石としての名前が定着しました。
一方、日本ではオパールは「蛋白石(たんぱくせき)」と呼ばれます。この和名は、乳白色を帯びたオパールの見た目がゆで卵の白身に似ていることに由来しています。
オパールの特徴

オパールのカラー
オパールのカラーは非常にバリエーション豊富で、白、黒、赤、青、緑、オレンジなど、さまざまな色合いが見られます。そして、見る角度によって違った色に見える「遊色効果」が特徴です。特に、ブラックオパールは黒い地色と鮮やかな遊色効果が魅力的で、高価な種類として知られています。他にもグリーンオパールやホワイトオパールなど、色がより鮮明なものもあります。
光の角度や周囲の環境光によって色が変化するのもオパールの魅力の一つです。カボションカット(丸みを帯びたカット)やファセットカット(面取りされたカット)といった加工方法によって、色彩の見え方が劇的に変わります。これにより、一つのオパールでも異なる表情を楽しむことができます。
オパール最大の特徴、「遊色効果」とは?
「遊色効果」とは、オパールの最大の特徴ともいえる、虹のような光が宝石の表面に現れる現象です。この効果は、オパールの内部に存在する微細なシリカ球体が規則正しく並ぶことで光が干渉し、特定の波長が反射されることにより生じます。この仕組みにより、見る角度や光源によって異なる色が現れ、オパール特有の幻想的な輝きを生み出します。
遊色効果はオパールの美しさを評価する重要な要素であり、その鮮やかさや色の動きが宝石の価値に直結します。特に、赤やオレンジなどの明るい色が多く現れるオパールは希少性が高く、人気があります。
オパールのモース硬度
オパールのモース硬度は、5.5から6.5です。比較的柔らかい石のため衝撃や引っかき傷に弱く、身につける際には少し注意が必要です。
また熱や化学物質にも敏感です。そのため、日常的なケアでは、柔らかい布で優しく拭き、汚れを取り除いてあげましょう。また、オパールを保管する際には、他の宝石との接触を避けることで、傷を防ぐことができます。
オパールは含有水分率が3%~21%程度と高く、水分の蒸発によるひび割れ(クレイジング)が起こる場合があります。乾燥を防ぐため、密閉できるケースに保管し適度な湿度を保つとよいでしょう。

オパール各種のアイテム一覧
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オパールの鉱物データ
英名 | Opal |
和名 | 蛋白石 たんぱく石 |
化学式 | SiO2・nH2O |
色 | 白 |
モース硬度 | 5.5 |
劈開性 | なし |
屈折率 | 1.60~1.63 |
結晶 | 非結晶 |
比重 | 5.5-6.5 |
誕生石 | 10月 |
石言葉 | 純真無垢 幸運 忍耐 歓喜 |
オパールの種類
ここからは、虹色に輝くオパール以外の種類を紹介していきます。「名前は聞いたことがあるな」と思うものから、「こんなオパールまであるんだ!」とびっくりするものもあると思いますよ?どれも大変美しいので、お気に入りを見つけてみるのも良いかもしれません。
ブラックオパール

ブラックオパールは、名前だけ聞いたことがあるという方も多いのでは?
これが最初に発見されたのはオーストラリアで、別名「オパールの王」と言います。この別名が示す通り、オパールの中でも一番人気と言っても過言ではありません。
ブラックというとオパールらしくないかもしれませんが、この黒があることで虹色が逆に際立ってキレイに見えます。
もちろん物にもよりますが、一般的に思い描くオパールと比べると、先ほど紹介した「遊色効果」がより際立つと言われています。見る角度によって色が変わることはオパールの最大の特徴ですから、ブラックオパールがオパールの王であるのも頷けますね。
セミブラックオパール

せっかくブラックオパールを紹介したのですから、次はセミブラックオパールを紹介しましょう!
セミブラックオパールとは、ブラックオパールと比べると明るくて透明度が高いです。ブラックなのかセミブラックなのかという区別は色ではなく透明度で決まります。
セミブラックオパールが発見されたのはオーストラリアの砂漠の町。
こんなところから宝石が出たとなれば大騒ぎだったでしょうね。品質が高いと言われるこの場所での発掘は、輸送が難しい地域ということもあって貴重なものとなっています。しかも、発掘作業をしている方はなんと50人もいないそうですよ!
宝石は高く売れるのでもっと積極的に発掘していると思いきや、そうでない所もあるのですね。
グリーンオパール

グリーンオパールは、その名の通り見た目が緑のオパールです。半透明に透けて見えることが特徴です。こちらはタンザナイトが発掘される地域と同じ、タンザニアで取れます。オパールの特徴である「遊色効果」がないので、オパールらしくないと思う方も多いかもしれませんね。確かに、別の宝石と似ているため素人では「これがオパール?」と感じるでしょう。
しかし、グリーンオパールはミント色、もしくはアップルグリーンと言われ、色合いが好きな人にはとても愛されています。知る人ぞ知るオパールという感じですね!
ファイヤーオパール

ファイヤーオパールの色は、赤や黄色がメインです。名前に「ファイヤー」と付いているだけあって、太陽や火を思わせるような強い色が魅力的です。メキシコ産やブラジル産など、中南米で取れやすいです。こちらもグリーンオパールと同じく「遊色効果」はあまりないのですが、高い透明度が人気です。勢いよく燃える炎を思わせるけれど、透明感があるので宝石らしさが一段と際立っています。
ファイヤーオパールは、アステカ帝国時代から「情熱的な愛」の象徴として大事にしてきたそうです。これだけキレイな石が取れたとあれば、昔の人でも重宝するでしょう。その色が「愛」に結びついたのも素敵な逸話ですね。ただ、これだけキレイなオパールなのですが、発掘規制が新しくなったことにより生産量は減ってきています。
ウォーターオパール

ウォーターオパールは別名ジェリーオパールとも呼ばれます。その名の通りゼリーのような見た目が特徴的で、クリスタルオパールとも言われます。もしハリーポッターの百味ビーンズを知っている方がいれば、あのビーンズがもう少し透明感を持った感じに似ていると言えば伝わりやすいでしょうか。
時折オパレッセンスと言われる青みがかった光沢が見られるのが人気の秘密。透明度が高いため、日の光に当てるとキラキラと強く輝きます。
世界中で愛されてきたオパールの歴史や言い伝え

オパールの種類について知ったところで、ここからはオパールが世界中でどのように愛されてきたかをご紹介したいと思います。日本でいうところの勾玉のような存在としてお守りにされたこともあるそうですよ!あんなにキレイな石があれば思わず身につけていたくもなりますよね。
ローマ人が考えたオパールの意味
ローマでは、オパールに純粋さ、そして希望という意味がもたらされました。「希望」は、最初で紹介したオパールの持つ意味の中でも出てきましたね。当時から現在までに至って意味が変わっていないところと思うと、ずっとその意思が受け継がれてきたのだと感慨深くなります。オパールの虹色の輝きを見て純粋さを見て取るのも、ローマ人の感性の豊かさからだろうと予想できます。
古代ギリシャ人にとってのオパール
オパールは、古代ギリシャにも持ち込まれ愛されました。当時のギリシャ人は、オパールは洞察力や予言の力の化身として扱ったそうです。一般的には幸運のお守りと広い定義になっていたり、身につけると美貌と成功がもたらされると考えられていたため、予言というキーワードが出て来るのは当時の文化の面影を残していると言えそうですね。
アラブ人がオパールに見出した意味

アラブ人は、ローマ人やギリシャ人とは少し違った意味合いをオパールに見出しました。それは、「空から落ちてきた稲光」です。なかなかに激しく、現代は虹色と表現しているオパールの印象とはまた違った印象ですね。これを持っていれば、稲光から守られると考えられたそうですよ。
興味深いのは、姿を消すマントにもなってくれるとか。奇しくもこの透明マントもハリーポッターに出て来るキーアイテムになっています。イギリスが舞台の話だと、このオパールはシェークスピアの作品「十二夜」にも出て来るので、オパールについての知識があるとより面白く感じられると思います。

オパールの石言葉

宝石には花言葉のようにそれぞれに意味があります。オパールの場合は、「希望、好転、創造性」などです。今が悪い状態でも、それをより良い未来へと導いてくれる宝石です。よって、昔から現状を打開するためのお守りとして使われてきました。
希望
オパールは、「希望」の象徴とされています。この石は、困難な状況でもポジティブな展望を持ち続ける力を象徴し、持ち主に光と希望を与えます。人生のどんな暗い時期にも、希望の光を見いだす力を与えると言われています。
好転
オパールは、人生の転機や新しいチャプターの始まりを象徴し、持ち主の運命が良い方向へと導きます。特に、新しい始まりや変化の時期に、良い転機をもたらすと信じられています。
創造性
オパールは、芸術的な才能や新しいアイディアを刺激し、クリエイティブな発想を促進します。アーティストやデザイナー、作家など、創造的な職業に従事する人々に特に適しています。

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オパールを身につける意味

次に、オパールが持つ意味について詳しく見ていきましょう。
希望と楽観主義
オパールはその光り輝く外見から、「希望」と「楽観主義」の意味を持ちます。常に前向きな姿勢を保ち、明るい未来へと導いてくれる石です。オパールを身につけることで、希望の光を与え、ポジティブなエネルギーをもたらすでしょう。
浄化と癒し
オパールは「浄化」と「癒し」の力を持つとされています。心の混乱や不安を和らげ、感情のバランスを取り戻す石です。ストレスや緊張を解放し、心の平穏をもたらす意味があります。
保護と安全
オパールには、「保護」と「安全」という意味もあります。古くから、悪いエネルギーや危険から身を守るお守りとして用いられてきました。旅の際の保護石として身につけると、安全な旅ができると信じられています。
このように宝石が持つ意味を知ると、今の自分に合ったものが何かがわかって興味深いですね。
ちなみにオパールという名前の由来は、ラテン語の「オパルス」=「色の変化を見る」という言葉です。やはりオパールというと代表的なのは虹色の輝くもの。意味としては納得ですね。また、このラテン語が元になってできた「オパリオス」という言葉は、サンスクリット語で「貴重な石」を表す言葉が変化したものです。
オパールのヒーリング効果

オパールはパワーストーンとしても人気があります。オパールの持つ効果について詳しく見ていきましょう。
インスピレーションを高める効果
オパールは創造的な思考を刺激し、新しいアイデアやインスピレーションをもたらすとされています。アーティストやデザイナー、作家などクリエイティブな職業に従事する人々に特におすすめの石です。オパールは、内面の創造力を引き出し、表現する手助けをしてくれます。
気持ちを落ち着ける効果
オパールは、感情の起伏を和らげる効果があると言われています。日々のストレスを感じたり、感情的になってしまう場面でも、穏やかな気持ちを持ち、心を平穏に保ってくれるでしょう。感情的な混乱を鎮め、心の安定を促すことで、精神をクリアにしてくれます。
愛を深める効果
オパールは、愛情や親密な関係を深める石としても知られています。人との絆を強め、相互理解と調和を促します。また、新しい出会いや恋愛のチャンスを引き寄せるとも言われており、恋愛運を高める効果も期待できます。
オパールについて まとめ
オパールも、深掘りしてみるとかなり新鮮に感じませんでしたか?
あの虹色の輝きだけがオパールと呼ばれるのではなく、緑色をしたものもあれば、激しく燃える炎のような赤や黄色だってあるのです。種類を知るだけでも面白いのですが、世界が昔オパールをどのように捉えていたかを知るのもまた興味深い話。
しかも、地域によって考え方が違うのも文化や風習の違いを感じられて、オパールは世界を知ることにもつながります。
もし興味がわいたら、他の伝説や発掘場所について調べてみてくださいね!
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