塾長です。
昨日(米国4/23)は株がリバウンド継続、債券は低めのPMIからの利回り下落。
S&P500、5,070(+1.20%)
Nasdaq 、15,696(+1.59%)
【米国市況】株は続伸、ハイテク株中心に買い-一時154円88銭の円安 - Bloomberg
債券・為替・コモ:
原油 、83.43
10年債、4.5980
ドル円 、154.7600
Bitcoin 、66,264
経済指標:
4月 製造業PMI、49.9(予想52.1)
4月 サービス業PMI、50.9(52.1)
4月 コンポジットPMI、50.9(52.1)
4月 リッチモンド 連銀製造業景気指数、-7.0(-8.0)
3月 新築住宅販売件数、69.3万件(66.9万件)
同[前月比]、8.8%(1.1%)
米総合PMI、今年の最低水準-雇用が2020年以来初めて縮小圏 - Bloomberg
総合の雇用指数は3.2ポイント低下の48。サービス業の雇用減少と製造業の成長鈍化を反映した。
3月の米新築住宅販売、昨年9月以来の高水準-在庫増加で価格が下落 - Bloomberg
金融政策:
財政政策:
地政学 :
個別株:
■UPS 、GM 、LMT、Visa、Teslaなどが決算;
UPS、1-3月利益が市場予想上回る-効率化推進が奏功 - Bloomberg
GMが通期のガイダンス引き上げ、米トラック販売好調-中国では苦戦 - Bloomberg
Lockheed Martin (LMT) Surpasses Q1 Earnings and Revenue Estimates
ビザの1-3月は利益が17%増、市場予想上回る-カード支出が増加 - Bloomberg
米テスラ、低価格車のローンチ加速へ-売上高は市場予想に届かず - Bloomberg
■〆は弱気派Morgan Stanley マイク・ウィルソン;
VIDEO www.youtube.com
ーマイク・ウィルソンは次のように書いている。「我々は、FED 利下げのrepricingにより4月の株式市場は成績が振るわないと信じている。10年債利回りは、我々がキーレベルと考える4.35~4.40%を大きく上回っている。ここから株価が上昇するとしたら、マルチプルの拡大ではなく、企業利益によるものになる。」
これらのテック企業(注:Mag7を指している)にとって、基準(注:市場期待)を超えるのはたやすいだろうか、難しいだろうか?
・まちまちだ。もう1つのトレードとは言えない。Mag7は3,4社になり、いくつかはファンダメンタルズ的な理由から道端に落ち、いくつかは金利 が理由で下げた。彼らは難しい比較に直面している。いつもそうだが、(株の値動きは)決算結果ではなく、決算への反応である。これら勝ち組において、どれくらいの良いニュースが織込み済みなのか見るのを楽しみにしている。
さらに興味深いのはこれらの株(Mag7)から遠くにいる株である。それらが経済で何が起きているのか、FED の周辺の期待などを示してくれるだろう。地政学 リスクもある。それは我々のNo1の心配事ではないが、それは我々がエネルギーをoverwightしている理由でもある。
ーあなたは決算よりも決算に対する反応から学べると言った。今決算シーズンに入り、いまのところ何を学べましたか?
・だいたい50対50である。50%が上昇し、50%が下落した。その比率は通常よりも悪い。これは我々の見立てと一致する。我々はマルチプルの減少期(in a period of multiple contraction)にいると考えている。過去6か月を考えて欲しい。何が起きたかというと、FED が転換し、財務省 が債券市場を圧迫した。2023年末にかけて年限が長い国債 のラリーが起きた。それが株式市場のマルチプル拡大につながった。あまり報道には載らないが、S&P500の2024年利益予想は伸びていない。過去6か月のあいだ、横ばいだ。(株の上昇の理由の)全てはマルチプル拡大である。我々のcallは・・・、まず利下げ7回というのは馬鹿げているというものだった。それは誰もが賛成してくれるだろう。それは1.5回まで下がった。では、なぜその環境でマルチプル減少が起きないのか?私はこの決算期でそれに直面すると思う。すごく期待を上回る決算もしくは予想を出せば株価は上がるだろうが・・・、私は次の2週間を興味深く観察している。
ー今のところ決算発表は色々なストーリーが入り混じっている。いくつかの領域ではコストカットでマージンを守ろうとしているし、他の領域では・・・、例えば米国でのトラック需要は旺盛である。何かテーマと言えるようなものはあるだろうか?
・テーマは「バランスの取れていない経済(unbalanced economy)」だ。そうなってからし ばらく経つ。コロナ後はとても予想が難しい環境となった。いくつかは当たったが、いくつかは外れた。去年を例にとって考えてみよう。ハードランディング、リセッションがコンセンサスだった。市場は高過ぎだった。2Qにはソフトランディングだと言われたが、その後、財政のサステイナビリティに疑問があり、グロース株がホットなところに金利 が上昇したので、大きな(株価)修正が起きた。そしてソフトランディングに戻り、今はノーランディングだと言われている。
以下が我々の見立てである。ソフトランディング、ハードランディング、ノーランディングがそれぞれ1/3の確率で起きる。
別の言い方をすると、株式市場は今、ノーランディングを織り込んでいる途中だ。しかし、私はその環境が続くことに確信が持てない。企業はそれを反映している。その環境(ノーランディング)で(業績が)良くなる企業の株が上がっている。エネルギー、素材、金融だ。それは継続可能か?それが分かるだろう。
ーマルチプルが拡大してきて、縮小が起きるだろうか?と議論してきた。しかし、マルチプル拡大は巨大テック企業に集中している。Russell2000には起きていない。それらの領域が好ましいと思うか?例えば2,3回の利下げに助けられ、経済がOKになり、、、という環境で、それらの領域でマルチプル拡大は見られていない。
・そうではない。去年10月、11月、私が見た中で最も巨大なショートスクイーズ が低い品質の領域で起きた。マルチプル拡大はあったが、今それを一部返還している。それは我々のcallであった。すなわち、我々は質の低い世界に行きたくないという意味だ。全ての小型株の質が悪いと言っているのではない。この点はハッキリさせておきたい。Russell2000は質の低いグループだ。Russell2000は質の低い(企業)のインデックスである。なので再びunderperformしているのだ。彼らにとって金利 は高すぎる。r*はその人、企業によってまったく異なる。市場は効率的だ。過半数 の企業にとって金利 は高すぎると言っている。それが消費者であろうが、小企業であろうが、だ。本当に金利 が下がるまで、我々はその考え方を保持し続けるつもりである。自己資金でやれるビジネスか、特異な成長を見せる企業か、価格決定力のあるビジネスをトレードすべきである。この領域で、これは今年もうまく行くだろう。
ー去年の予想(call)のせいで多くの人があなたを弱気派だと思っている。この(ビジネス、経済)サイクルにおいて、我々はどれくらい減退期(downturn)に近づいているか?
・1年前、多くがリセッションを予想していた。我々のエコノミスト はそうではなかったが。なので、我々はそれを再び除外して値段をつけざるをえなくなった。ではどこにいるのか?我々は未だサイクルの終盤にいると思う。多くの人がサイクルの初期ではないか?と質問しているが、そう思わない理由がある。労働市場 は未だにタイト、イールドカーブ は未だ反転している。労働者の供給は多くない。移民がサポートしてくれるかも知れないが、一般的にタイトだと言える。マージンは未だに記録的に高いレベルだ。サイクルの初期か?という目でみると、まだそこには達していないと考えられる。
未だにサイクル終盤にいるということだ。それが何を意味するかというと・・・、この状態が2年続くかも知れないし、何らかのショックがあれば明日には終わるかも知れない。それを予想して賭けたりはしない。それが何かもわからないのだから。去年(3月)の地銀危機がそれだと思ったが、そうではなかった。経済は強かった。
もう一つ議論したいのは、非常にバランスの取れていない政策の組合せを持っているという事だ。それが経済を支えている。経済データと企業決算が同じようには見えない。経済データの方が決算よりも良い。なぜか?巨額の財政支出 のおかげだ。経済データを強く見せている。それが経済サイクル初期に起きるはずのFED の利下げを妨げている。我々はこの状態にスタックしている。しばらくこの状態が続くかも知れない。これを壊す何かが見えていない。議会が(財政)紀律を取り戻すようには思えない。この法案でさらにカネを使うようだ。それが我々のいる場所だ。問題は、overpriceなのか?である。私はそう思う。なぜなら・・・、私は質の低い超々企業に高いマルチプルを付けるべきか?政府が支援している成長があるから?私はNoと答える。高いマルチプルを突て良い企業はある。特異な成長をしているとか、で。政府支援の必要がない企業が良い。高金利 に制約をうける企業はunderperformするだろう。
ー選挙はどうか?
・ノートに書いたのは、通常、選挙の2、3か月前にボラタリティが高まる。私の経験では、党大会までは、多くの値動きは無い。興味深いのは、今年初めに株高(rally)が起きた。通常、年前半は良くなく、後半見通しが効くようになってから良くなるのに。今年はそれが逆になるのだろうか?そうかも知れない。しかし、どちらの候補のキャンペーンを見ても、財政や金融政策に大差はない。一つ言えるのは、大統領が大統領令 できることに焦点を当てるべきだという事。私の中で一番大きいのは、移民政策と関税だ。移民と関税は議会の投票無しにできる。どちらかの党が両院を取るとは思えないので、多分それが最も起こり得ない結果だ。10%の可能性で、とても拮抗する。トランプだろうが、バイデンだろうが、そこ(大統領令 でできること)をみるべきだ。
ー状況は素早く変わるかも知れないということですね。
・これが学んだ事だ。私は多くのMark-to-Market(値洗い )が起きているとは感じていない。過去2年間、誰もが多くの方向にファンダメンタルズを見誤った。我々もそうだ。Marking to Marketについて言うと・・・、なぜ次に何が起きるのか分からないのに、自信が持てるのか?なので我々はバリュエーションに疑問を持っている。どうやらバリュエーションには確実と思われているもの(注:ノーランディング)が織り込まれているようだ。私はまったく確信がもてない。もしかしたら私がバカなだけかも知れないが。なにが起きるかに関して自己満足があるようだ。私は悪い事だけを予想しているのではない。ポジティブなサプライズが起きるかも知れない。しかし、そのポジティブなサプライズはあなたが所有したいと思っている資産と違うものの値を上がるかも知れない。
債券についてと言うと・・・、私はコインを使って占うしかない。財政サステイナビリティ問題から金利 が上がるとも思えるし、経済が減速して金利 が下がる予想もできる。Morgan Stanley の会社としての予想は10年債が4.15に戻る。先ほどのゲストは3.75だと言っていましたね。3.75というのは、ソフトランディングかハードランディングが起きた場合だ。4.15というのは、経済が少しだけ減速した場合に起きる。
ーでは、100ベーシスポイント の変動であれば予想しやすいか?
・100は大きすぎる。それはテールリスクだ。100ベーシスポイント 上昇するとしたら、一昨年イギリスで起きたように、市場が本当に税制の永続性を心配したときだ。100下がるとしたら、ハードランディングだ。
ー50ではどうか?
・私は金利 が高くなる方に寄っているが、会社としては下がると言っているので・・・(笑)。私は会社に従うよ。債券市場を見ている人達はそれが仕事だから、私はそちらに賭けるね。
ではそのシナリオが株式市場に及ぼす影響は?というと、多分それはノーランディングではない。そうなればエネルギーをダウングレードする。去年上げた株に戻るだろう。本当に柔軟性を持って、オープンマインドでいるべきだ。我々はそうしようとしている。個別株レベルで。過去4,5か月インデックスレベルの話をしていない。なぜなら相対的なvalue trade(個別株間での安い、高いを見極める、という意味)に集中しているからだ。多くがうまく行っている。それが続くと良いと思っている。
「株は高すぎる」一点張りだったマイク・ウィルソンですが・・・、
・経済がどうなるか分からない。過去2年間、誰もが間違ったことから分かるように、コロナ後の世界を予想できない。なので経済が上向くとか、(すぐに)景気後退になるとか言えない。もう予想するのは諦めました。
・(個人的には)経済サイクル、景気サイクル上の後半にいると思うが、財政支出 が景気を下支えしているので、景気後退になるまで数年かかるかも知れない。
・なのでエネルギー株(←景気が天井を付けた辺りで買われるセクター)をoverweight。それと(会社の方針で?普通は景気サイクルの後半に買わない)金融、素材も勧めている。
・少なくとも景気サイクルの初期ではないので、質の悪い成長株は買わない。
・(個人的には)株価は上がり過ぎ・買われ過ぎ(利益は増えていないのに、マルチプル拡大だけしている)だと思う。とてつもなく上向きのサプライズでもない限り、株価は上がらないだろう。むしろマルチプル縮小で下がる方向にあると思う。
・トランプが買っても、バイデンが買っても、議会が割れれば法案は通らない。大統領でできること(移民、関税)に注意を向けて、株を選ぶべき(例えば、党大会(8、9月あたり?)までにトランプが勝ちそうだとなれば、移民を制限するだろうから、安価な労働者に頼っている業界を売る、とか?)
みたいな事を言っている。
経済見通しと、勧めている株(セクター)にギャップがあってオモシロイ、というか、会社の方針と個人の見解に違いがあってブレている。
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