あしたのジョー心理学概論～矢吹　丈　その心の病～　PART36

 

心理検査を経て大部屋に移させることになったジョーには、

仲間という正の強化子を提示されたため、

喜びの情動行動が見られた。

 

しかし、大部屋のボスであるマンモス西と、

その取り巻きの連中によって喜びの情動行動は消されるのである。

 

大部屋に入るなり、食事は取り上げられ眠る為の布団までもが

「無い」状態であった。

マンモス西が率いる仲間はジョーの描いていた仲間とはかけ離れており、

その新しい仲間は、毎日、リンチという負の強化子の提示者であり、

ジョーは、この負の強化子の提示者に対して、

直接、行動に出る。

 

この攻撃行動は、負の強化子の除去によって、

条件づけされた回避行動である。

つまり攻撃行動を起こすことによって、負の強化子が除去される。

 

したがって、こうした先行事象に対して攻撃行動の起こる確率は、

負の強化子提示を攻撃行動によって回避することで

高められるのである。

 

この時、西以外の者に対する攻撃行動には、

パンチ行動しか見られない。

 

 しかし、西という先行刺激に相対したとき、

初めてボクシング行動が見られ、ジャブを試してみる。

 

このボクシング行動は、

西のダウンという正の強化子によって強化される。 

 

そして再び独房に戻され、観察期間の後、

西と共に、東光特等少年院へ送られるのである。

 

 

 

今回は、今後の掲載の関係で短くなってしまいましたが、

この辺で失礼します。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

心を和らげる相談室　HEART　　　代表　　　　杉野　茂広