【臨床心理士・公認心理師のオンラインカウンセリング】対面と何が違うの!?共通点と相違点を解説

共通点と相違点 アイキャッチ

2022.09.14.掲載

✔︎カウンセリングはやっぱり対面が良いんじゃないの?

✔︎オンラインのカウンセリングで効果あるの?

✔︎カウンセリングを利用するならオンラインと対面、どっちが良いのかな?

最近では、心理カウンセリングを利用するにあたり、オンラインカウンセリングという選択肢が一般的になってきました。とはいえ、オンラインカウンセリングはまだ新しいサービス…

オンラインでカウンセリングって、ほんとに大丈夫!?
結局対面の方が良いんじゃないの!?

心配になりますよね。

確かに、オンラインと対面のカウンセリングは違います。しかし、この違いは必ずしも優劣につながるものではなく、オンラインと対面には、双方のメリットがあります。この記事では、オンラインカウンセリングと対面カウンセリングの共通点と相違点を解説します。記事を読むと、オンラインカウンセリングについて理解を深めていただけます!

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当ブログの運営母体はオンラインカウンセリングのオフィスです。臨床心理士・公認心理師の資格を持っているライターが、オンラインカウンセリングについてわかりやすく解説します!

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目次

オンラインでもカウンセリングはできるの?

オンラインでもカウンセリングはできる

オンラインでもカウンセリングはできる

結論からいうと、オンラインでもカウンセリングはできます。そして、オンラインカウンセリングは、対面のカウンセリングに比べて劣っていということもありません。

たしかに、対面とオンラインで行うカウンセリングはさまざまな点で違いがあります。なかでも一番の違いは、カウンセラーとクライエントが顔を合わせる場所が、オンラインかオフラインかということです。しかし、この違いは双方の優劣には直結しません。

例えば、オンラインでは、対面ほどカウンセラーの存在を感じることはできません。しかし、その分対面よりも安心してカウンセラーと話すことができるという方もいます。

このように、オンラインと対面は、それぞれに長短があるのです。

オンラインカウンセリングとはなにかについては、こちらの記事で詳しく解説しています!

カウンセリングで一番大切なことは対話を通じてこころを見つめること

なにより、オンラインでも対面でも、カウンセリングをおこなう上で一番大切なことは変わりません。

カウンセリングで一番大切なのは、カウンセラーとクライエントが対話を通じてクラインエントのこころを見つめることです。

オンラインと対面で構造の違いは確かにありますが、対話をすること、そして、対話を通じてクライエントのこころを見つめることは、オンラインでもできることです。

それでは、オンラインカウンセリングと対面カウンセリングはどんなところが同じでどんなところが違うか、詳しくみていきましょう!

オンラインカウンセリングと対面カウンセリングの相違点

オンラインと対面の相違点

相違点について

まずは、オンラインカウンセリングと対面カウンセリングの相違点です。次に挙げる3つのポイントから整理します。

  1. 相手が目の前にいるか、画面越しにいるか。
  2. 移動が必要か、部屋から直接繋げるか。
  3. インターネット環境かアナログ環境か。

相手が目の前にいるか、画面越しにいるか

オンラインカウンセリングと対面カウンセリングで一番違うのは、目の前に相手がいるか、画面越しに相手がいるかという点です。この違いは、次の2つの観点から説明できます。

  • 生身の人間と関わっているという感覚の濃淡が違う。
  • やりとりのなかで得られる情報の多少。

目の前に生身の相手がいるということは、とても刺激が強いことです。肌で感じる相手の存在感、息遣い、体温、空気、これらはオンラインでは体感できません。

また、カウンセリングでクライエントとカウンセラーは、言葉のやりとり以外にも、相手の表情やしぐさ、姿勢などからさまざまな情報のやりとりをしています。そうした情報は、2人の関わりの質を高めます。

例えば、カウンセリングのなかで、カウンセラーが深く息をついてメモをとったとき、クライエントはその息遣い肌で感じて、カウンセラーが何を書いているのか、視界に捉えることができます。

しかし、オンラインでは息遣いは音でしか感じられませんし、メモの中身は見えません。画角によっては、メモをとっていることすらわからないこともあります。

生身の人間と関わっているという感覚は、カウンセリングのなかでも特に大切な要素のひとつです。

関わりの質

しかし、一方でこのような生々しい感覚は、緊張しやすい人や、不安を感じやすい人にとっては大変なプレッシャーにもなり得ます。また、対面だと情報過多になって話に集中できないという人も少なくありませんので、オンラインの方が自分には合っていると感じるクライエントがいるのも事実です。

オンラインのデメリットは、人によってはメリットにもなります!

移動が必要か、部屋から直接繋げるか

自宅から直接カウンセリングをするか、カウンセリングルームまで移動する必要があるのかというのも、大きな違いのひとつです。

自宅からカウンセリングを利用できるということは、移動の必要がないということです。対面の場合、次の画像のように、少なくとも一度のカウンセリングに数時間は確保する必要があります。

移動は大変!

オンラインカウンセリングでしたら、カウンセリングに必要な時間を確保するだけで良いのです。

さらに、「時間」というコストを削減できるだけでなく、そもそもカウンセリングに充てる時間が確保できなかったという人、移動手段が無くてどうしてもカウンセリングが利用できなかったという人もカウンセリングが利用できるようになります。

しかし、移動はデメリットだけではありません。カウンセリングは自分のこころと向き合う大変な作業です。「自分のこころと向き合うモード」になるために時間が必要な方も多いものです。

移動も大切な時間

画像のように、移動しながら、カウンセリングに気持ちを切り替えたり前回のカウンセリングから今日まで何が合ったのかを思い浮かべるといった、こころの準備を整えるクライエントは多いです。実はカウンセリングをするうえで「移動」は大切な時間なのです。

インターネット環境か、アナログ環境か

インターネット環境への順応は、すでにインターネット文化に慣れ親しんでいる方には問題にならないでしょう。しかし、今まであまりインターネット環境に触れてこなかった人は、新しい文化に触れることで、ストレスに感じる人もいます。

オンラインカウンセリングを利用するためには、自宅でインターネットを使えるようにしなくてはなりません。今の段階で自宅にWi-Fiやモバイルルーターが無い方、スマートフォンのデータ容量が少ない方は、インターネットの契約から見直す必要があります。

インターネットが苦手だな…という方にとっては、少し面倒さを感じる部分です。

また、馴染みのない人にとっては、ビデオ通話のようなバーチャル環境は、はじめは座りの悪いものだと感じてしまうでしょう。

とはいえ、インターネット環境は一度整えてしまえば後は面倒なことはありませんし、各種ビデオ通話サービスも簡単に使えるものがほとんどですので、最初の一歩を踏み出すのが億劫なだけで、あとはなんとかなるものです。

インターネット環境やインターネットの通信料については、こちらの記事で詳細に解説してあります。

バーチャル環境も、一度初めてしまえばあとはなんとでもなるものです。今ではリモートワークは一般的ですが、一昔前までは考えられませんでしたよね。

文化が変われば順応できる!

一度はじめてしまえば、インターネット環境もバーチャル環境も、案外なんとかなるものです。

オンラインカウンセリングと対面カウンセリングの共通点

オンラインと対面の共通点

共通点について

次に、オンラインカウンセリングと対面カウンセリングの共通点です。オンラインでもカウンセリングができる。その根拠になる大切なポイントを3つ紹介します。

  1. 言葉のやりとりができる。
  2. 顔を見て対話できる。
  3. カウンセリングの最も基本的な構造

言葉のやりとりができる

カウンセリングは、カウンセラーとクライエントの言葉のやり取りを通じて展開していきます。

カウンセリングの進め方はカウンセラーの流派や、クライエントの希望によって異なりますが、例えば、次のようなテーマが扱われます。

  • 前回のカウンセリングから今回のカウンセリングまでどのようなことがあったか。
  • 今気になっていること。
  • 頭に浮かんだ内容を話してみる。
  • 最近あった大きな出来事。

これらのテーマを50分から1時間のカウンセリングで扱います。もちろん、それは言葉を通じたやりとりです。

オンラインでも対話はできる

オンラインでも対面でも、こうしたテーマや時間の枠組みは同じですので、カウンセリングの展開に大きな違いはありません。

顔を見て対話できる

オンラインでも、ビデオ通話をすることで、対面と同じようにカウンセラーの顔を見ながら話をすることができます。

カウンセリングでは、表情や眼差しなど、言語以外のコミュニケーションも大切なエッセンスです。もちろん、オンラインでは姿勢や手元など、目に見えない部分もありますが、一番豊かな情報を与えてくれる「顔」は、しっかりと見ることができます。

オンラインでも非言語で交流できる

バーチャルという制限された環境ではありますが、こうして、「顔」を通じた言語を超えたやり取りも可能です。

カウンセリングの最も基本的な構造

カウンセリングの最も基本的な構造は、カウンセラーとクライエントが対話を通じてクライエントのこころを見つめることです。

クライエントは、ひとりで取り組むのが大変な、こころにまつわる困り事を抱えてカウンセリングを利用します。カウンセラーはクライエントの話に対して、ときにじっと耳を傾け、ときに気づいたこと、感じたことを伝えます。

オンラインでもクライエントのこころと向き合える

これがカウンセリングの基本的な構造になります。

こうした作業をじっくりと時間をかけて繰り返すことで、カウンセリングは進んでいきます。このよに、カウンセリングの最も基本的な構造は、オンラインでも対面でも変わることはありません。

まとめ

オンラインと対面は特性は違うけれど、大切にしているものは同じ

この記事でまとめたように、オンラインカウンセリングと対面カウンセリングは相違点も多いです。

しかし、カウンセリングのもっとも基本的な構造である「対話」を通じてクライエントのこころを見つめるという営みは変わりません。

ですから、対面とオンラインの相違点は、特性の違いであり、優劣につながるものではありません。クライエントにとって選びやすい方を選択して良いものです。

オンラインカウンセリングについて、メリット・デメリットという視点からまとめた記事がこちらにありますので、参考にしてみてください!

おわりに

この記事では、オンラインカウンセリングと対面カウンセリングの相違点と共通点について解説してきました!

記事の詳細は以下の通りです!

✔︎オンラインでもカウンセリングはできます!
✔︎オンラインと対面カウンセリングの相違点は①相手が目の前にいるか、画面越しにいるか②移動が必要か、部屋から直接繋げるか③インターネット環境か、アナログ環境か!
✔︎オンラインと対面カウンセリングの共通点は①言葉のやりとりができる②顔を見て対話できる③カウンセリングの最も基本的な構造!

記事の情報があなたのお役に立てると幸いです!

オンラインカウンセリングを利用したい方へ

当ブログを運営しているカウンセリングオフィスは、臨床心理士・公認心理師によるオンラインカウンセリングを実施しています。詳細はこちらからご覧いただけます。

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参考・引用

前田正治・桃井真帆・竹林由武編著(2020).遠隔心理支援スキルガイド-どこへでもつながる援助-誠信書房.

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この記事を書いた人

License:臨床心理士/公認心理師
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