異色の建築家・梵 寿綱の建築を巡る 〜Vol.1

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「日本のガウディ」と呼ばれる建築家・梵 寿綱(ぼん・じゅこう)を知っているだろうか。

早稲田大学の近くに「ドラード和世陀(わせだ)」という集合住宅があるのだが、その独特な佇まいは、建築に興味のない方でも思わず見上げたくなるインパクトをもっている。

実際に、「ドラード和世陀」は雑誌の撮影やロケなどにも使われている。

Waseda El Dorado

1934年東京浅草生まれの田中俊郎氏が「梵 寿綱」と名乗り始め、「梵寿綱と仲間たち」として活動を始めたのは1974年のこと。

エキゾチックな名前は、インド仏教聖典のウパニシャドの命題「梵我一如」の「梵」と、養父の戒名「寿綱」からとったのだそう。

早稲田大学理工学部建築学科を卒業後、渡米しシカゴ芸術大学で絵画・彫刻・工芸などを学び、帰国後の1966年に梵一級建築士事務所を設立。

アーティストとのコラボレーションを行いながら、都内に多数の集合住宅などを設計している。

都内を歩きながら見て回れる梵 寿綱の建築を、私の主観でおすすめランキング形式で紹介していきたい。

まず、結論のランキングから。

目次

都内の「梵 寿綱」設計 集合住宅 おすすめランキング

5位:ラポルタ和泉(杉並区代田橋)

4位:舞都和亜(杉並区代田橋)

3位:ドラード和世陀(新宿区早稲田)

2位:斐禮祈 賢者の石(豊島区池袋)

1位:ハプニングタワー(新宿区曙橋)

それでは、順番に見ていこう。

5位:ラポルタ和泉(1990年築)

京王線「代田橋」駅を降りて5分ほど歩くと、甲州街道から一歩入ったところに、白い外観にエントランス上に女神のような彫刻のある建物が見えてくる。

La porta Izumi

金色に輝く髪をなびかせた女性の像は「樹下美人図」と言って、健康と繁栄を表わすのだそう。建物の上部には天翔るペガサスの彫刻が。

高い吹き抜けにはステンドグラスがあり、色使いがビビッドで、少し怪しげな雰囲気も醸し出す。

葉っぱのようなモチーフの、鉄の扉が有機的。

柱や階段にもモザイクタイルがふんだんに使われている。

なんだか海底を旅しているよう。

モザイクタイルは波のような、渦巻きのようなモチーフが多用されていて、ここからも「海」が連想される。

【ラポルタ和泉  DATA】

住所:杉並区和泉1丁目

4位:舞都和亜(1992年築)

ラポルタ和泉から200mほど北に進んだところにある「舞都和亜」(まいんどわあ)も梵 寿綱によるデザインの建築だ。

ラポルタ和泉よりもカラフルな外観で、スペインの街並みにあればすんなり溶け込みそう。杉並区の住宅地では異彩を放っている。

Von Jour Caux architecture

ラポルタ和泉と同じく、こちらもエントランスには吹き抜けの天井にステンドグラス。こちらの方が内部はちょっと控えめな印象だ。

1階にはレストランがあり、違和感なく馴染んでいる。1階にはコンビニエンスストアも。

外観のタイルがカラフルで楽しい。羽を広げたような装飾のバルコニー、出窓も建物をより立体的に見せている。

ラポルタ和泉の竣工後、2年後に建てられた「舞都和亜」は姉妹建築のような存在なのだろうか。

比較しながら見てみるのも面白いだろう。

【舞都和亜  DATA】

住所:杉並区和泉2丁目

「ラポルタ和泉」と「舞都和亜」はどちらも一般の内部見学はできないが、外見だけ見るだけでも楽しい建築物だ。

※集合住宅は、実際に住人が住んでいますのでプライバシーにはご注意下さい。

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