歯周病がやばい!
ぐらぐらになってはじめた歯科医院探し
09 そして、振り出しへ
―考えさせられたかかりつけ歯科医院としての見きわめ―

 帰宅後、今一度、今日の出来事を振り返り、歯周病の自費診療を受けるべきかを考える。これまでの診察を通して、歯周病がかなり進んでいることは十分に理解できた。だから、治療が必要なことには納得がいった。

 保険診療という制度がある以上、可能な限り保険診療で行いたい。しかし、自費診療にすることで歯周病の劇的な改善が望めるならば、自費診療も選択肢の一つとなる。やはり、健康はお金に代えがたい。

 歯周病の自費診療を、公式サイトで掲げている歯科医院はいくつかある。比較してみると、提示された料金は妥当だと思われた。問題は、治療を進めるに値する歯科医院なのかということになる。

 技術的なことは治療を進めてみなければわからない。したがって、自費診療を受けるか否かは、信頼できるかがポイントになる。これまでの診療、医師の言葉を思い返す。自費診療をはじめる前に、聞きたいことは多々あることに気付く。

 通院頻度がわからなければ、治療費を概算することもできなかった。1週間ごとなのか、2週間ごとなのか、足繁く通院すれば効果が変わってくるのか、何をもって歯周病が改善されたと看做すのか……。疑問は尽きない。

 今後の治療体制も見えなかった。これまでの診療には毎回、歯科衛生士らしき人は立ち会うものの、歯周ポケットの測定でさえも医師自らが行ったのだ。今後も、医師がすべての処置をするのかがわからない。

 治療方針が見当つかないことは、不信感へとつながっていく。そもそも最初の診療で、自費診療は計画されていたはずである。なぜ、その時にいってくれなかったのだろうか。当初から説明されていれば、受け止め方も違っていたように思う。

 大学病院を引き合いに出しながら、町医者ならではメリットも説明してくれた。大学病院ではチャレンジングな治療ができるかもしれないが、町医者は担当医師が変わることなく診ることができる、と言う。

 我に返った。当初の歯科医院選びの条件に医師の年齢を入れていたことを思い出す。第二の歯科医院選びは、決め手を欠いたことでアラ還の医師を選んでいたのだ。余生を任せられるかかりつけの歯科医院という点では、そもそも逸脱していた。

 大学病院でのチャレンジングな治療については、すぐさま、その治療内容を聞いた。しかし、答えてはくれなかった。その態度に悶々としながらも、逆にチャレンジングな治療を提案できるほど、歯周病の状況が悪いことを悟った。

 ここまでの治療では、きわめて丁寧な病状説明に努めてきたのに、なぜ自費診療の内容を入念に説明しないのか、甚だ疑問だった。ここに至って、これまでに抱いていた疑問が氷解していく。

 やりすぎ感に満ちた感染症対策の謎、使い捨てスリッパの謎、医師による診療みっちり1時間の謎、口コミが「丁寧」だけという謎……。摩訶不思議なことは多々あった。これらは、プライベート歯科医院だからこそのおもてなしだったことに気付いたのだ。

 決定打になったのは、自費診療の後の診療である。3か月に1回程度の定期的なメンテナンスが必要になるとのことだった。期間は妥当であろう。問題は、それも自費診療になると言うのだ。これには、疑問符が渦巻いた。

 もちろん、抜歯などの治療は保険診療になるという。しかし、ここで自費診療を受け入れてしまうとすべてが自費診療になるように感じられた。医療会計の知識がないので、保険診療と自費診療の垣根がわからないが、可能な限り保険診療を併用してもらいたい。

 第二の歯科医院への不信感はマックスへと達した。第三の歯科医院探しへの道が開かれる。しかし、探そうにもこれまで以上の検索ワードは思い浮かばず、手詰まり感は拭えなかった。暗中模索で、第三の歯科医院探しをはじめた。(つづく

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歯周病がやばい!
ぐらぐらになってはじめた歯科医院探し

<目次>

01 プロローグ―歯科医院探しに求めたもの―
02 歯科医院を選ぶ難しさ―病因、病名、病状がわからない―
03 決め手に欠いた最初の歯科医院選び―公式サイト、口コミサイトからの消去法―
04 ファーストオピニオンを求めて―医師による診断を知る―
05 ファーストオピニオンからの収穫―最初の受診で学んだこと―
06 迷走する第二の歯科医院選び―決め手のなさに、ぶれる選択基準―
07 丁寧な第二の歯科医院―隠れ家レストランならぬ、隠れ家歯科医院―
08 第二の歯科医院への揺らぎ―あまりにも突然すぎた自費診療宣告―
09 そして、振り出しへ―考えさせられたかかりつけ歯科医院としての見きわめ―
10 再三の歯科医院選び―無意識に行っていた根拠のない選択からの脱却―
11 かかりつけ歯科医院との出会い?―自らの選択への覚悟―
12 エピローグ―歯周病治療から見えてくる現代日本人を取り巻くネット環境と医療制度の問題点―

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