日々是雑感

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「ひろがるスカイ!プリキュア」へとつながる男子像のトレンド

2023-02-05 13:11:30 | アニメ

前置き

「ひろがるスカイ!プリキュア」ですでに公表されていたキュアウィングが男の子であることが正式に発表された。しかもそれは「プリキュアの生みの親」とも言われるエグゼクティブプロデューサーの鷲尾氏自身の口から(注)。多くの人がそれに驚き、賛否両論を巻き起こしているが、私にとってそれは全然驚きべき事ではない。

私は「女の子と肩を並べる男の子の存在」というのはすでに女の子向けコンテンツにおいてトレンドになっていて、「プリキュア」もまた女の子向けコンテンツとしてこのトレンドを無視できない(していない)事をツイッター上で何度か述べてきた。そこで今一度「女の子向けコンテンツにおける男子像のトレンド」についてみていきたい。

 

男子像のトレンドってどういうこと?

端的に言ってしまうと、

「自ら運命を切り開こうとするプリンセス(女の子)の頼れる仲間にプリンス(男の子)がいて何のおかしい事がある」

こういう事だと思う。「男の子向けコンテンツ」で男性と共に進む女性の姿を見る事はもう珍しくない。それと逆の波が「女の子向けコンテンツ」に来たというだけの話だ。それは決して存在しなかった流れでもない(注2)。だから私はこれを「革命」でも「革新」でもなく「トレンド(流行)」と表現した。

そして大前提となるのは女の子が「自ら運命を切り開こうとする」存在であることだ。だから多少男性の存在があったところで「女性の自立性」が揺らいだりはしない(注3)。むしろそういう男性の存在を通して「もうちょっとしっかりしてよ」と叱咤しているようにすら見える。だからこれは多くの識者と言われる人たちが言うような「多様性」の話でもないのだ。

 

まとめ

キュアウィングがどういうキャラクターになるのかはまだ分からない。公開された情報は年下系だということだけだ。そこからマスコット的なキャラクターとしてプリキュアのおねえさんたちについていく姿を想像推測することはできるが、そのくらいだ。ただ彼もまた、

・W主人公として同じように悩みながら、パリの街を守るスーパーヒーローとして並び立つアドリアン=シャノワール。(ミラキュラス)(注4)

・過去にも取り上げた、まさにこの男子像の代表格ともいうべき南川朝陽。(ミュークルドリーミー)(注5)

・自らの夢を持ちながらも同じものが見たいからと女の子しか立てないと思われていたステージに立った伊吹橙真。(プリマジ)

・何ら変わらぬ試練を乗り越え「一番でナンバーワン」という夢に向かって共に歩む天宮翔太。一人でスキルを突き詰める中でアノニマスという闇に堕ちながらも、0を1にした幼なじみの姿から光を得た一条蓮。(リズスタ)

・物語の最初からその場にあり、時に頼れる仲間として、時に共に日常を楽しむ「いつものみんな」として最後までプリキュアの傍らに立ち続けたローズマリー。そのローズマリーに押されてしまった感はあるものの、「自ら運命を切り開こうとする」女の子たちのために「俺にできる事」をなそうとした品田拓海=ブラックペッパー。(デリシャスパーティ プリキュア)

この系譜に連なる者であるのは間違いない。どんな活躍をし、バトンをつないでいくのか見守ろうではないか。

 

 

 

 

 

注: 『ひろがるスカイ!プリキュア』オンライン会見映像 - YouTube

注2:「カードキャプターさくら」とか「ジュエルペット てぃんくる」とか

注3:むしろそういう事を心配するような人たちこそ女の子を見下しているのではないかと思うくらいだ。

注4:プリキュアとは東映アニメーションというつながりがあるのだから、様々な障害を乗り越えられるならコラボというのもありじゃね?

注5:深掘りミュークルみっくす!「南川朝陽」 - 日々是雑感 (goo.ne.jp)


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