兵庫県の夏が終わってしまいました。
毎年、この時期はとても寂しいです。
今年は例年以上に多くの試合を観たので、余計に寂しさも募ります。
まず、高校時代から仲良くさせてもらっている滝川の躍進。
これは本当にうれしかったです。
さらにはスコアラーをさせて頂いている東播地区の加古川西の快進撃。
そしてインタビューにご協力頂いた国際の、迎え撃つ側としての大奮闘。
ここまで何度も色んな球場に足を運んだのは高校以来でした。
前夜から姫路のホテルに泊まって、姫路球場で第一試合の滝川の試合を途中まで観てから、高砂球場に第二試合のスコアラーをしに行ったりもしました。
姫路と尼崎じゃなくてホントに良かったです!
この夏、自分がナゼこんなに高校野球が好きなのかよく分かったんですけど、高校野球って「人が人を想う」なんですよね。そう、JT。
監督やコーチは「勝たせてあげたい」と想っているし、保護者には子供が生まれたときからの変わらぬ「愛」があるし、球児はお世話になった全ての人を「勝って喜ばせたい」と想っている。
私のような部外者まで、その想いをチラリと垣間見ただけで、うぇんうぇん泣いてしまいます。
滝川のコーチは、今年のエース板野君が初めて1年生の時から育て上げた選手で、とても可愛がり大切に想っているのを知っていました。
板野君がこの夏、初登板で完投した三田学園戦のあと、コーチと板野君のお父さんが、壮大な敵を倒したあとのアベンジャーズみたいなとっても良い顔で、ガッチリ握手を交わしていた姿が目に焼き付いています。
加古川西の試合では、平日にも関わらずお父さんたちが沢山来ていて、皆さん仕事の都合をつけて駆けつけたことを想像しただけで、もう涙が止まりませんでした。
サラリーマンの方は職場で「明日、息子の準々決勝なんですわ!」なんて満面の笑顔で言って、きっと職場の人たちにも「いやそらもう仕事休んで行ってきてください!」「がんばってくださいね、ってお父さんに言うてもしゃーないか!」なんて応援されてる様子。
自営業の方も「明日は準決勝やからワシおらんけど頼むで!」なんて周りにお願いして、今ここにいる。
勝手に想像しといて、もうやめてー、これ以上泣かさないで〜!と、スタンドの光景を見てるだけでどんどんあふれ落ちる涙には、我ながらほとほと困っちゃいました。
涙もろいのは自覚してるので、マスクに加えてあらかじめサングラスを持ってっといて良かったです。
1人1人にそれぞれの背景が見えるから、負けたチームの選手が涙するとき、人はグッときてしまうんでしょうね。
ゲームセットの瞬間はいつも、「勝たせてあげたかった」想いと、「勝って喜ばせたかった」想いが交錯し、色んな人たちの言葉にならない感情が幾重にも重なり合う、なんとも叙情的な時。
そしてそれはもちろん高校野球だけじゃなく、人生そのものでもあると思うのですが、高校野球はそれがわかりやすくて、また日本人の性質に合っているから100年以上も根強い人気があるのだと思います。
国際と社の決勝は延長14回タイブレークにもつれこむ死闘でした。
社は初めて掴んだ夏の栄冠。
胸を張って甲子園でもがんばってほしいです。
兵庫県の夏を勝ち上がるって、想像を絶するほどすごいことです。
私もまだまだまだまだ理解しきれていない部分が山ほどある、と学びも深い夏でした。
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