2Eギフテッドと分かるまで(2)WISC-Ⅳ検査結果

経過・検査

2Eギフテッドと分かるまで(1)」の続きです。

検査結果を受け取ったのは、検査から約3週間後のことでした。

※記事の内容は、あくまでも個人の体験談です。専門的な知識はないため、その点についてはご了承ください。

WISC-Ⅳ検査 4つの指標

WISC-Ⅳ検査では、以下の4つの指標があります。

  • 言語理解(VCI):ことばの理解、知識、考える事、推理する力
  • 知覚推理(PRI):視覚的な情報を把握し推理する力(形、位置の理解、図形や物の法則など)
  • ワーキングメモリー(WMI):一時的に情報を記憶しながら処理する能力、注意力、集中力
  • 処理速度(PSI):見たものを覚えて利用できる力、注意力、集中力、図・字を書く力

この各4項目には、それぞれ「下位項目」という、さらに詳細な項目があります。

以前は下位項目の結果も、保護者に渡されていたそうですが、現在はルールが変わって行っていないようです。
「教えてほしい」と伝えれば、(コピーはもらえませんが)結果を見せてもらうことはできるので、確認すると良いと思います。


息子の結果は…

息子の検査結果がこちら。(図の「100」は平均値です。)

wisc-4検査結果

言語理解が一番高く、ギフテッドの指標となっている130以上。
知覚推理が一番低く(平均の範囲内ではあるが)平均の100を下回る。
・残りのワーキングメモリー・処理速度は平均の上(平均の範囲内)。
・一番高い言語理解と、低い知覚推理の差が40以上

けっこう、凸凹がありました

先生の見解

検査をしてくださった発達の先生がまず話されたのは、「言語理解が高すぎる」ということでした。

発達の先生
発達の先生

もしこの項目が平均に近かったら、

問題なく学校に通えていたかもしれないですね

がーーーーーん!

息子の学校での成績は、だいたい80~100点で、悪いわけではないけれど、毎回必ず100点を取るわけでもなく…「なんでここで間違えたんだろ?」という不思議なミスも多かったです。
(これは目が正常に見えていないからミスをしていたわけですが、この時はまだわかりませんでした)

なので、息子の IQ が高いということは全く予想していなかったし、IQ が高いがゆえに学校に行けないというのは…何とも言えない複雑な気持ちになりました。

一方で知覚推理の値は100より下回っており、言語理解との差が40以上
非常に生きづらい状況ということが数字ではっきり示されました。

検査で凸凹がある場合、デコとボコの差が、15以上あると集団生活において生きづらさが出てくると言われているそうです。

発達の先生
発達の先生

特に言語理解が高い子は、完璧を求める傾向があって、

不登校になりがちです。

うわ~~まさに うちの子!!

どの項目が高いか低いか、デコボコの様相により、辛さの出方も違うため、
凸凹の差が50以上あっても学校へ通えている子もいるそうです。

困りごとの内容は、人によって全然違いますね

2Eギフテッド??

一方、一番低い「知覚推理」については、最も簡単なレベルの問題でも、息子は判断できなかったものがあったそうです。

例えば、いくつか図のパターンが並んでおり、「この場所にはどういうパターンの図が入るか?」を選ばせるような問題で、息子は図自体が見えないので、判断することができなかったのです。

発達の先生
発達の先生

息子さんは「2Eギフテッド」に該当すると思います

2E?? ギフテッド??

※「2E」とは、高い能力と障害(発達障害・視覚障害・聴覚障害など)を同時に併せ持ち、「二重に特別な(Twice-Exceptional)」という意味です。

「ギフテッド」というと、全項目のIQが140とか150とか、小さいころから漢字を読めたり、難しい計算をスラスラ解いたり…
そんな華々しいエピソードを持っているお子さんのことだと思っていたので、

え?こういうもギフテッドって言うの?

というのが正直な感想でした。

息子は勉強面で目立つようなエピソードはありません

数字に興味があるわけでもなく、(見えていないので仕方ないのですが)全然本も読まなかったし、特別に勉強ができるという感じはなく、

だからと言って、飲み込みが悪いわけでもなく、ただただ「普通」な感じでした。

息子の独特な面といえば

息子が少し変わっていた所といえば、教えてもいないのに、0歳のころから人の嫌がることが判断でき、玩具を横取りするなどは一度もしたことがなく、人の話を非常によく聞いている子でした。

人の気持ちを良く汲み取り、相手を気遣い、とても落ち着いていて、決して自慢したり、人より目立とうとしたり、いばるようなことはせず…(そのような行動は全て恥ずべき事と、教えずとも最初から認識していました)

「謙虚さ」を大切にする態度は、小学校低学年の時点で、逆に私達が学ばされるようなレベルでした。

息子は哲学・宗教に通ずるような、宇宙の話もしており、そんなことは誰も教えていないし(私も知らない 笑)、本も読んでいないのに、なぜか最初から知っていました。
※このあたりのことは、いずれ詳しく書けたらなと思います。

とにかく、精神年齢が、実年齢よりはるかに上です。。(私より大人かも知れん…)

また、3歳頃から絵がとても上手で、非常に緻密で個性的な絵を描く子でした。

小3の時に描いたルリビタキ

(Instagramに、少しだけですが作品を掲載しています→こちらをクリック

確かに、そういうところは、息子独特のものでしたが、

単に慎重で繊細で、気が弱い子なのだと感じていて。。

それぞれの「個性」だとも言えます

だから、検査結果を聞いたときは、とても驚いたのでした。

生きづらさが判明した大事な検査だった

WISC-Ⅳ検査により、息子の生きづらさが初めて「数値」として明らかになったことで、これまでの方針が180度変化していきます。

▼病院から学校へこのような連絡を入れてくださり…

無理に登校させないでください。

”学校においで”と催促もしないように!

それまで「なるべく学校へ戻す方向に」と考えていた、スクールカウンセラーや学校の先生方の理解が、一気に進みました。

また、息子が「図が見えていない」という見え方の問題の一端が判明した、大事な検査となりました。

もしこの検査がなければ、息子の生き辛さは、

一生 誰にも分からなかったかも知れない…

おわりに

息子の場合は幸いにも、WISC-Ⅳ検査で生きづらさが判明しました。

ただ、ここまで書いてきて何ですが、誰でもこの検査で生きづらさが判明するわけではないとも思います。

それは、息子が(これだけ目の見え方が違っているのに)視覚検査では「正常」となってしまうことから、感じていることです。

「正常」と出ても、ただ単に検査が合っていないせいで、

困りごとが明らかにできていないケースもあるということです。

WISC-Ⅳ検査では特に凸凹もなく、何が問題かわからないお子さんもいるかも知れませんが

だからといって、生きづらさがないわけではない

ということになります。

「子どもの言うことを信じて寄り添う」

難しいけれど、本当に大事なことだと、自分にも言い聞かせています。

お読みいただき、ありがとうございました。

プロフィール


幼い頃から華々しいエピソードがあるわけでもなく、全体がすごい高IQなわけでもない。それでも「ちょっぴり」突出したものがある、そんな息子の日常を書いています。
→息子のプロフィールはこちら

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