脳は若返る(茂木健一郎 著) | 今日は何を読むのやら?(雨彦の読み散らかしの記)

今日は何を読むのやら?(雨彦の読み散らかしの記)

<<<<<< 本のレビューや、ちょっと気になった言葉への思いを書いてみたいと思います >>>>>>

新年になったからといって、昨年末に比べて何かが大きく変わるわけではありません。

けれど、今年は去年より良い年になってほしい、悪い年にはならないで欲しいという希望も、この時節に抱く素直な思いです。

どうか、2023年が少しでも良い年となりますように。

 

------------------------------------------

 

今年もまた年齢を重ねるのだということを自覚するのもこの時分。

「年を取ると記憶力が衰え、物忘れが多くなる」とはよく言うけれど、脳科学者の茂木健一郎氏によると、それは「事実に反している」「単なる甘えや言い訳にすぎない」のだそうです。

成人の脳でも、新生しつづける神経幹細胞があり、その人の行動次第では脳を鍛えることはできるんだとか。

但し、いわゆる「脳トレ」ではなく、茂木氏が進める脳の活性化は、次の3つだそうです:

・社会や人とつながる

・常にお金の出入りがある

・ストレスのない生活習慣

ソーシャルな刺激を受けたり、お金の出入りがあったり、何かに熱中すると、脳内でドーパミンが分泌され、脳を活性化していく。

 

ドーパミンは、今までその人ができなかったことができるようになるなど、うれしいことや楽しいことがあると分泌される神経伝達物質で、それによって新しい神経回路が生まれ、脳が成長するというのです。

 

その一方で、脳の老化が、人の性格や人格と深い関わりがある前頭葉に与える影響には注意が必要で、油断は禁物です。

 

「人は、なぜ他人を許せないのか」で、中野信子氏も書いていますが、「キレる老人」たちは、加齢とともに前頭葉のある部分(背外側前頭前野)が委縮して、直情径行になってしまうため。

茂木氏もまた、

前頭葉が萎縮し、思考や判断のコントロールができなくなると、自分がやりたいことを思い通りにできず、その結果、不満や怒り、意欲の低下につながってしまう可能性がある

と言っています。

 

脳が委縮してしまう要因は、加齢だけではありません。

人が何かと戦っていくためには、ストレスホルモンの力を借りて交感神経を刺激して血圧を上げ、体を戦闘態勢にしなければいけませんが、ストレスホルモンが分泌され続けると、結果的に脳神経細胞に酸素や栄養が十分に行き届かなくなり、脳が萎縮するというのです。

 

精神的なストレスの解消に役立つのが、セロトニンという脳内物質で、交感神経と副交感神経のバランスを整え、心身をリラックスさせてくれるのだとか。

セロトニンは太陽の光を受けて合成されるので、散歩は身体だけでなく、心の健康にも良いのだそうです。

 

この他にも、脳について知っておくとよいことが多く書かれているので、おすすめの本ですが、脳科学に関する知識をもう一つご紹介をしておきます:

 

脳がアイドリングしている状態 いわばぼんやりしている時に、思考が整理されたり感情が整ったり 忘れていたことを思い出すことが多いということ。

それを、専門家の人たちは、脳内の「デフォルトモードネットワーク」が活性化していると表現するそうです。

 

そういえば、自分の場合も、トイレで便座に座った時や バスルームで椅子に座って頭を洗っている時に、忘れていた大事なことを思い出したり、いいアイデアが思い浮かぶことがよくあります。

「トイレとバスルームには神様がいる」と日頃感じているのですが、それを科学的に説明してもらえた気分になりました(笑)。

 

茂木氏の著書から、前向きになれるメッセージを引用します:

・過去にこだわるものは、未来を失う

(ウィンストン・チャーチルの言葉)

 

・残りの人生で、今日が一番若い

 

今年も、心と体の健康に気を配りながら、また新たなことに挑戦していきたいと思います。

 

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

  

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログ記事には、なのなのなさんのイラスト素材が illust ACを通じて提供されています。

 


人気ブログランキング