筆者の過去の著書の中でも、一番シンプルで抽象的なタイトルです。それは本書が「集大成」であるからにほかなりません。
本書で繰り返し説明されるのは、価値は無限に創造できるということ。価値を有限と捉えると、奪い合いの苦しみに陥ってしまいます。そこから脱するために、筆者が提示する思考ツール『価値創造三種の神器』を用いて発想を変えていこうと訴えています。
『実践の書』であり『未完の書』という珍しいスタンスも本書の特徴です。筆者がツールを提供するだけで終わりでなく、読者が『実践』を繰り返すことを本書は意図しています。ビジネス本であれば実務に応用できることが求められるのはある意味当然ではありますが、ここまで筆者に熱く『実践』を繰り返されるのは初めての経験でした。
折角なので、本書で提供される『価値創造三種の神器』の一つ『未来創造の円形』を実践してみます。
進め方は以下の通り。
1.まずは自分の根源的が欲望に忠実に、素直に欲望を書く
2.その欲望を「奪うから創るへ」と第一変換
3.第一変換したものを「利己から利他へ」と第二変換
試しに、私がなぜ読書感想文ブログを書いているのか根本的なところから考えてみました。
1.他人に褒められたい。いわゆる承認欲求
2.人が褒めたくなるような文章を世に出す
3.人の役に立つ、ためになるような文章を世に出す
マンダラチャートに似てますけど、視点が他者に向いている点が特徴ですね。こうやって自己を見つめなおすことで、価値創造に一歩近づいたような気がします。実践あるのみ。
本書では東洋哲学、特に『知行合一』の考えかたが度々登場します。この部分をより深く学べそうなイベントがあったので参加してきました。
論語が経営に応用できるというトークイベントで、まるで渋沢栄一が現代に降り立ったようです。経営の根本に「徳」や「仁」が必要であることがよく理解出来ました。
質問タイムもあったので、こんなチャンスはめったにないと思い、今流行りの「エンゲージメント」について質問させていただきました。今思えば薄っぺらい質問ですね…。
筆者からの回答は、「『エンゲージメント』なんて言っているだけではダメ。行動が伴っていないと誰もついてこない。やはり『知行合一』が大事です」とのこと。まだ本書の読み込みが足りないですね。教えていただいた内容をヒントに、人生経営と向き合っていきたいと思います。
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