消えない暴力、増える帰宅部…では本当に“学校と部活は切り離す”べきか? 中学野球の名将(現・仙台育英部長)は「趣旨には賛成。しかし…」
かつては花形の運動部といえば野球部だったが、中学校の世界では状況が変わりつつある。日本中学校体育連盟の調査によると、2021年の軟式野球部の部員数は14万8170人。少子化やクラブチームに人材が流れる影響があるとはいえ、2011年の同調査では28万2575人。わずか10年間で部員数が半減している状況だ。
それでも、今も野球部に希望を抱いて入部する選手が確実にいる。かつて中学軟式野球界のカリスマと呼ばれ、今年4月に仙台育英高校の野球部長に電撃就任した猿橋善宏氏に「中学軟式野球部で得られるもの」、そして「部活動の今」を聞いた。
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おもしろい記事です。皆さんも読んでみて下さい。
この記事の中で、私も少し関わっている、部活動の地域移行についても語られています。
スポーツ庁が進める「運動部活動の地域移行」への懸念
――部活動のあり方も変わってきました。とくに中学校の部活は、地域クラブでの活動へと移行しつつあります。
猿橋 そうです。だから本音を言うと、この企画は5年前にやってほしかった。もうこの流れは止められません。
――猿橋先生が部活の地域クラブ化で懸念している点はどこですか?
猿橋 まずは金銭的な負担が増える問題。移動手段の確保の問題。指導者の養成の問題。今までの部活だって指導者の問題が起きましたよね。地域クラブの指導者をどのように養成するのか、そして生活できるだけの報酬を供給できるのか。最大の問題は、学校から部活を取り除いた時に、彼らを人間的に成熟させるという役割を担い切れるのか。もちろん教育活動は組まれていますが、それをスペシャルな域まで精度を高めることは、部活を運営するよりはるかに難しいはずです。そのための計画がどこにもない。
――学校から部活を切り離すにしても、問題が山積みだと。
猿橋 教員の負担を減らすという趣旨には大いに賛成です。しかしながら、現状は受け皿なき解体なわけですよ。普通、スムーズに移行するために受け皿を作ってから解体するじゃないですか。今は壊しながら作ろうとしている。
――ポジティブにとらえれば、今まで学校に何もかも頼っていた状態から、「地域で子どもを育てよう」という機運にならないでしょうか。
猿橋 僕はならないと思います。親はせっかく金を出すならと専門性を期待します。専門性もカテゴリー分けしないと、親の期待に応えられないでしょう。週末の娯楽としてプレーできればいい人、個別にスキルアップを求める人、育成選抜としてエリート選手に育ててほしい人。この3層に応えられる指導者を各地域で用意できるかというと、現状では難しいかもしれません。
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猿橋先生の懸念をまとめると
・金銭的な負担が増える
・移動手段の確保
・指導者の養成
・指導者への生活できるだけの報酬を供給
と、なっています。
猿橋先生の懸念はその通りで、計画については、私の地域では行政の動きは全く感じられません。
ただ1つだけ、猿橋先生の考えに意見があります。
彼らを人間的に成熟させるという役割を担い切れるのか。もちろん教育活動は組まれていますが、それをスペシャルな域まで精度を高めることは、部活を運営するよりはるかに難しいはずです。そのための計画がどこにもない。
それは、この部分です。
「人間的に成熟させる役割」をクラブチームの指導者に求めるのはどうかと。
この役割は義務教育の現場と保護者や身内がすることだと思います。
だって、「人間的に成熟させる役割」を盾に、「挨拶しろ!」「返事!」「声が小さい!」なんて感じでグランドで罵声を浴びせる指導者が、学童野球にも中学軟式野球にも硬式クラブチームに未だにいます。
猿橋先生が言うように「指導者の養成」の目途が立っていない以上、「人間的に成熟させる役割」をスポーツの現場に任すのは危険です。
本当に中学校運動部活動の地域移行ができるのか?
なんか不安しかなくなってきました(汗)