朝倉秋成『六人の嘘つきな大学生』を読んだので感想を述べます。
価格:1,760円 |
※ネタバレがある部分については白字にしました!
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感想
ざっくりしたあらすじは、6人の大学生が1つの席しかない内定を奪い合うライバルになり心理戦を行うというものです。
いわゆる叙述ミステリってやつを意識して読んだのは初めてだったので新鮮でした。
真相が二転三転して、こちらもそれに振り回されて続きが気になり、一気に読み通しました。
6人グループでのディスカッションはまさに読む人狼って感じで興味深かったです。
登場人物もキャラが立っていて「こんな人いそう!」な感じで親しみやすかったです。
人間には多面性があって、表に見えている情報だけで良い人とか悪い人とか判断することはできない……という作中のテーマにも共感できました。
ただ、人にお勧めするほど面白いかっていうと、うーん……? こういう叙述トリックもののミステリが好きな人には良いのかも。
以下ネタバレ
犯人さん、いくら就活に疑問を持ったからって、他の参加者は真剣にやってるんだから、そらないわー。
あと、最後に主人公の波多野が腹黒大魔王の称号を獲得したのには驚きました。
まあ嶌さん向けのメッセージには、「真犯人を告発せずに会議室を去ったのは、貴方が心を乱さずにスピラの一員になってもらうため」てなことを書いておいて、人事部の鴻上宛の手紙には「自身が真犯人であると罪を被るような発言をしたのは、嶌衣織の告発が書かれた封筒を円滑に持ち帰るため」だから真逆のことを書いているし、腹黒なのは間違いないでしょう。
とはいえ、波多野がなぜ・いつ鴻上への封筒を出すことを断念したのかまでは私には分からなかったので、疑問が残ってしまいました。
作者について
作者は朝倉秋成という1989年生まれの作家さんです。
作風は、青春系ミステリー……?←超適当
今はジャンプSQで連載中の漫画「ショーハンショーテン!」の原作者をやっているようです。作画が小畑健なのが豪華。
あと、六嘘も実写映画化されるらしく、すごいなあーって思いました。
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