アニメーション映画

映画【ディリリとパリの時間旅行】おつまみ【サーモンとポテトのガトー仕立て】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【ディリリとパリの時間旅行】です。

フランスのミッシェル・オスロ監督のアニメーション作品。

美しきベル・エポックのパリを舞台に、

奇想天外な冒険が繰り広げられます。

この映画はこんな人におススメ!!

●パリが好きな人

●ベル・エポックの時代に憧れている人

●美術や調度品に興味がある人

●ちょっと変わったアニメーションが観たい人

タイトルディリリとパリの時間旅行
製作国フランス、ドイツ、ベルギー
公開日2019年8月24日(日本公開)
上映時間95分
監督ミッシェル・オスロ
出演プリュネル・シャルル=アンブロン、
エンゾ・ラツィト、ナタリー・デセイ

華やかな時代のパリを満喫したい時に観る映画

今回はフランスの巨匠ミッシェル・オスロ監督の

不思議なアニメーション作品のおススメです。

奇想天外なストーリー展開の中、ベル・エポック期のパリの美しい街並みや、

絢爛豪華な建造物やその調度品を見ることが出来る、

時代を超えた美術館巡りの様な映画になっています。

ベル・エポックとは主に19世紀末から第一次世界大戦頃までの

パリにおける、自由で闊達な芸術や文化の総体を現した言葉です。

1900年に行われたパリ万国博覧会を一つの象徴として、

あらゆる分野の、様々なアーティストが世界中からパリに集結し、

その芸術性と先進性を競い合っていました。

絵画では印象派の巨匠達(モネやルノワールやセザンヌやドガなど)や、

彼等の技法に影響を受けた世代(ピカソやマティスやロートレックなど)が腕を競い、

プルーストやコレットなどの文学者、ドビュッシーやサティなどの作曲家が創作に熱中し、

ポール・ポワレが新たなファッションを花開かせたエネルギーに満ちた時代でした。

映画の主人公はニューカレドニアから船でやって来た少女、ディリリ。

好奇心の塊の様な彼女は身軽なフットワークでパリの街を闊歩し、

私達に美しいパリとそこで生きる人々の姿を見せてくれます。

旧態依然とした古き悪習との戦い、

自由を何より愛するフランスの国民性を体現した、

スーパーヒロインの活躍にはワクワクドキドキの連続です。

きっとかつてない映像体験と、

パリの芸術・文化の華やかさに魅せられる事でしょう。

世紀末の価値転換

当時のパリは古い考えと新しい考えがせめぎ合う、

価値転換の時代でもありました。

新たな研究や技術の発明で生活が豊かになり、人々の芸術に向ける眼差しも、

より自由により多様性を帯びていました。

その時代が大きく変わるという予感に満ちたパリに、

吸い寄せられる様に集まった世界中の才能達が、

互いの技術や思想をぶつけ合って素晴らしい作品を生み出し、

後世に多大な影響を与える文化を創り出しました。

その変換の象徴として主人公ディリリは活躍します。

男女差別や人種差別が公然とあった時代に、

現代に通じる自由への解放の為に戦います。

女性を奴隷として扱う男性至上主義の集団による、

卑劣な少女誘拐事件。

主人公のディリリと友人のオレルはベル・エポックのパリに集った、

文化人・科学者達の力を借りてこの巨悪の企みに立ち向かいます。

あらゆる芸術が自由と人間の尊厳を現し、

愚かな旧幣思想を打ち砕く力を持っているという、

オスロ監督のメッセージを強く感じます。

文化が花開く時、そこには新旧の価値転換の戦いがあるのです。

フレンチおつまみ

今日のおつまみは【サーモンとポテトのガトー仕立て】です。

映画に合わせてフランス料理風のおつまみ。

マッシュポテトとサーモンを二段重ねのケーキに見立てたオードブルです。

サーモンはレンジで加熱した物に、マヨネーズとヨーグルトとマスタードで味付け。

自家製の胡瓜のピクルスを細かく刻んで混ぜてあるそうです。

白ワインにピッタリの料理で、満足感もあります。

まるでパリのビストロに来た様な気分に。

妻の気合の入った創作シリーズ。

ご馳走様でした。

平和な時代に文化は花開く

画像引用:IMDb

この作品は100年以上前のパリが舞台です。

パリが最も華やかで輝いていた時代。

しかしそんな街にも差別があり、戦争の足音も聞こえてきています。

いつの時代も人間にとって一番大切なのは、

人生を楽しむ事であると、あらゆる芸術は教えてくれます。

やがて世界を巻き込む愚かな戦争。

生活は困窮し、美しい街が軍靴で踏み荒らされ、

歴史的建造物の上に爆弾の雨が降ってきます。

平和な時代に花開いた芸術や、化学の進歩は無残に蹂躙されてしまいます。

荘厳な文化を愚かな戦争で失ってはならない。

自由の精神に卑劣な差別で泥を塗ってはならない。

オスロ監督の静かな怒りと強いメッセージが心に残ります。

華やかな時代のパリを満喫したい時に観る映画。

ウディ・アレン監督の洒脱なコメディで、

【ミッドナイト・イン・パリ】という作品があります。

作家志望の脚本家が1920年代のパリにタイムスリップし、

ヘミングウェイやフィッツジェラルドなどと親交を得るという物語。

荒唐無稽な夢の様ですが、もしこの時代のパリに行く事が出来たならと、

想像するだけで楽しいですね。

ちなみに私はロートレックに会って一緒にお酒が飲みたいです。