もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

シス・カンパニー公演 「ケンジトシ」見てきました

2023-03-20 19:30:40 | お芝居

シス・カンパニー公演 「ケンジトシ」 シアター・トラム 2023.2.27 14:30~

宮沢賢治の世界観が大好きな私。。。
絶対見に行きたい!って思って、チケットをとったのは3年前。でも、コロナで延期。
延期公演もなんとかチケットゲット!
貴重なチケットで楽しんできました。

内容は
「岩手山を望む大地から天空の星々へと、その創作の翼を広げるケンジ(中村倫也)。
彼の傍らには聡明で信仰篤き妹トシ(黒木華)の姿があった。
コロナ禍でやむなく延期となった「宮沢賢治と妹トシの物語」
暗闇に差し込む一筋の光のように、いよいよ待望の上演決定!」(世田谷パブリックのHPより)

とってもよかった。。。

ヴィオラの生演奏、そしてコロスの3人が出てくる。
コロスってなんだろうって、あとから調べたら「古代ギリシア劇の合唱隊のこと。鑑賞の助けとなる劇の背景や要約を伝え、
劇のテーマについて注釈。コロスの台詞は通常、歌の形式を採るが、時にはユニゾンで詩を朗読する場合もある。」(Wikiより抜粋)
だそうで、すごく効果的でした。
3人は、、、イーハトーブにいる生き物っていうことだよね・・・カニと鹿と虫?

そして賢治が出てきて、たたずむ。
軍服の男が来て「このあたりに宮澤賢治という男の住まいがあると聞いたが、どこに行けば会えるか?」と尋ねる。
賢治は「どっかの畑さ、いるベ」と答えて去る。
そこに、トシが駈けてくる

そういうシーンから始まる。

賢治とトシの生涯における出来事を時系列になぞっているというより、
いろいろな場面を切り取って見せ、
それを軍服の男、イシワラが賢治やトシの言葉から読み解き記録していくという感じかな~?
イシワラのアシスタント的存在の記録係ホサカがその役割どおり、記録していく。
ただ、イシワラは賢治のことを研究しよく理解しているから、深掘りしていけるけど、
ホサカは私たち観客のような存在で、「理解しました」「半分理解しました」「記録しました」と。。。

いろいろな場面は、6つに章立てされており、後ろにタイトルも表示されていた。(下記の6つ)

1 なにをみているのかな
2 ヒドリの夏は
3 イーハトーブ菩薩
4 わたくしどもは
5 通信は許されているのよ
6 クラムボンはわらったよ

賢治とトシは一心同体のような存在だったんだなと、この作品を見て思った。
トシの方が賢治よりも社交的で、学校に来てくれたインド人の先生の前で、賢治の詩を披露したり
東京の大学に行って、新しい知識や思考を持ち帰って、賢治にいろいろな息吹を吹き込んだり、

そして二人とも法華経の信者で、それを通しての気持ちの通じ合いも深かったと。

トシに対する賢治の想いは本当に絶大で、だからこそ先に逝ってしまった妹への想いを
思うと、、、悲しすぎて。号泣する賢治の姿に涙でした。

そう、トシが言う「通信は許されているのよ」・・・
トシは自分の命が長くないことをわかって、でも、賢治とはずっと通じ合っているという気持ちで
そのように言い残したんだろうな。それが二人の絆なんだなと、しみじみ思いました。
トシの死後、イーハトーブのような理想郷を作ろうとしていた賢治
そこでは二人とも笑いあって生きていたかったんだろうな~

と、物語の内容を、ちょこちょこ思い出して感想を書いたけど、

宗教観、宇宙観、そういうものが目いっぱいで
芝居の意味をしっかり考えようとするには難解だけど、
でも、その世界観にどっぷり浸れば、とても心地よく、すばらしい話で
そのまま宇宙につながっていきそうな感覚になりそうだった

そして賢治もトシも法華経を信仰しているから、
思考回路がそこからなんですね~
たしかに宗教と宇宙ってつながっている気がするし。。。まあ、私は無宗教ですが。

岩手の四季の映像もきれいだったな~
宮沢賢治記念館にまた行きたくなった。大好きなんですよね。記念館。
1日いてもあきないです。

音楽がヴィオラの生演奏だったのが、またすごくよかった。
この世界には、バイオリンでもなくチェロでもなくヴィオラの音色がぴったり。

映像の色使いも最高だったな~
映像というより幻燈だった。賢治の世界をより効果的に見せていたと思う。


キャストの感想

賢治の中村倫也くん
まったくもって宮沢賢治だった。
他のお芝居のいろんな中村倫也をみているけど、今回は賢治そのものでした。すごい。
歩き方とかうつむき加減とか、、、写真でみる賢治だったなあ。。。

そしてトシがいなくなってからの賢治の号泣・・・胸をうたれました。
賢治とトシは表裏一体というか、同志?いや、もっと深い絆だと思うんだけど、
その片割れがいなくなってしまった悲しみは想像を絶する状況で
それを表す倫也くんはすばらしかったです。

号泣のあとは、悟りを開いたかのように穏やかで。。。
その表情もよかったです。


トシの黒木華ちゃん
東北訛りが絶妙で、繊細ではかないけど、芯が強いトシがぴったり
華ちゃんも、トシそのものでしたね。存在感がすごかった。
セーラー服やもんぺも見合ってたし。。。
賢治にとってトシは太陽のような明るい照らしてくれる存在だったと思う。
とってもかわいくそういう姿も見せてくれました。
黒木華ちゃんは本当に上手いよね~
もっともっと舞台も出てほしいなと思いました。

イシハラの山崎一さん
セリフ量が。。。。半端ない
軍服をきていて、この時代だから、軍部に所属する人で、生真面目な感じ。
賢治のことをすごく研究してる人なんですよね。イシハラって。
だから、賢治やトシについての記録を、自分も理解しようとするかのように
言葉にする姿がよかったです。


ホサカの田中俊介さん
ホサカは記録係で、、、普通の人で、彼の姿にホッとしてました。
観客と芝居を結ぶ人でしたよね。がっちりしてるけど、優しいまなざしの
田中さんにちょっと癒されました。


そしてコロスのお三方
詩を朗読したり、歌ったり、また不思議な動き?踊りをしたり
大変な役だったと思うけど、でも、彼らがいたからこそ、
この世界観がしっかり表せたのではないかなと思いました。


ホントならあと1回見たかったんだけど、チケットが取れなかったし。。。
WOWOWでやってくれるみたいなんで、楽しみに待っていようと思います。

あぁそれにしても、賢治記念館に行きたくなってきた。
ふっと、、、日帰りで行ってみようかな~

 

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