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がん検診としての便潜血検査、有効性は?

4/14/2024 10:00:05

がん

今日のポイント:大腸がん死亡率が14%減少

便潜血検査を用いた大腸がん定期検診で、大腸がん死亡率の関係を調査しました。スウェーデン・Sodersjukhusetからの報告です。(JAMA Network Open誌、2024年2月27日)

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本試験は、スウェーデン・ストックホルム-ゴットランド地域の1938~54年生まれの検診対象者(60~69歳)を対象に、2008年1月1日~2021年12月31日に実施しました。住民は2年ごとの便潜血検査(グアヤック法)による大腸がん検診に早期(2008~12年)または後期(2013~15年)に案内が届くか、またはまったく案内が届かなかったかという二群に分けられました。早期に案内が届いた人を曝露群、後期に届いた人または届かなかった人を対照群とし、主要評価項目は大腸がん死亡率としました。超過死亡数は、大腸がんに罹患した人の全死因死亡数から、大腸がんに罹患しなかった場合に予想される死亡数を引きました。また、ポアソン回帰分析を用いて、死亡の発生率比(RR)と95%信頼区間(CI)を追跡年数と到達年齢で調整し推定しました。
 
・解析対象は計37万9,448人(女性51.0%)で、曝露群20万3,670人、対照群17万5,778人でした。平均受診率は63.3%で、追跡期間は最長14年でした。
・曝露群では219万589人年で834例が大腸がんで死亡したのに対し、対照群では224万9,939人年で889例が大腸がんで死亡しました。
・早期に大腸がん検診を受けた群では、大腸がん死亡(RR:0.86、95%CI:0.78~0.95)および超過死亡(RR:0.84、95%CI:0.75~0.93)の調整リスクが減少しました。
 
以上より、60~69歳の検診対象住民のうち、最初の5年間に検診の案内が届いた人は、それより遅く届いた人や届かなかった人に比べて、14年間の追跡期間において大腸がん死亡率が14%減少したことがわかりました。
 

参考:Routine Fecal Occult Blood Screening and Colorectal Cancer Mortality in Sweden - PMC (nih.gov)

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