海の向こうで、書く書く然然

海外から見た日本、日本から見た海外 ー 2つの視点からのつぶやき

6カ月後に判明した疾患

 本日のY浜市は一日中雨。日本の拠点となるマンションの横には総合病院があるので、今日診察を受けることにした。実はここ数カ月間右足首に違和感があり、一度専門医に観てもらわないとと思っていた。

 右足首の問題は昨年12月末に突然発生した。昨年12月といえば、上旬に中国に渡り、中国国民を含む全入国者に義務付けられた21日間の隔離を北京市内のホテルで受けていた(このことは時間がある時にレポします)。

 同月28日に隔離先のホテルから出たのだが、その翌日に平たい靴で北京市内を一日中練り歩いた結果、右足首が大きく腫れて、激痛に見舞われた。数日ホテルで安静にして様子を見たが、痛みが引く気配は全くない。自分で薬局に行って、携帯電話の翻訳機能を通じて「最低でも塗り薬を」と求めたが、日本やオーストラリアの薬局とはシステムが違うようで、「医師の診断なしには売れない」との答えだった。

 そうこうしているうちに仕事先の河北省の山奥に移動となり、「バブル」という一般社会から完全に離れた世界に入ったため、医療もまともに受けられない環境となった。それに加えて、薬もない、言葉も通じない、現地スタッフはみな忙しそうで自分の窮状を伝えれる雰囲気もない、と悪条件も重なり、痛みを必死に堪えるしか方法はなかった。雪上での仕事も増え、固い地盤を歩かなくなったせいか、約3週間後に痛みと腫れは自然に引いた。

 もなもな医師(=勝手な自己判断)は、「2週間に及ぶホテルの隔離で足を使わず、隔離解放後に、偏平足なのに平べったい靴でいきなり一日中北京市の石畳を歩き回ったせいで、足を痛めた」と診断した。そう、私は極度の偏平足持ちだ。

 歩き方もベタベタとして音もするので、子供の頃から父に「音立てないようにして歩きなさい」と注意もたくさん受けた。音を立てずに歩こうとすると、今度は差し足忍び足の忍者ハットリくん状態の動きになる。自然には歩けない。

 かつて日本の大手スポーツシューズメーカー、ア●ッ●ス社のオセアニア子会社で勤務していた時代があり、偏平足による影響は結構勉強した。土踏まず(アーチ)がないので、足首が内転しやすく痛めやすいと。これだよ、これ。原因は。

 中国での仕事が終わって、3月にオーストラリアに戻った。住み始めた新居の床が木目調のプラスチック製フローリングだ。結構固い。この上を素足で歩くと、中国で発症した症状と全然比べ物にならないが、右足首に違和感が「たまに」出る。それを避けようとすると足首が外に捻転して小指側に重心をかけて歩こうとするものだから、やはり偏平足を治す何かをしないといけないと思った。日本に行ったら、まず整形外科に行って、偏平足による痛みの解消法や偏平足自体を治す方法を教えてもらおうと計画していたのだ。

 本日、いよいよ医師による問診が始まり、足を触りながらいろいろ質問された。持論の「偏平足帰属説」を訴えるも、医師はあっさりと「違うと思う」。あれっ?

 「痛風かもしれない。一度X線を取りましょう」と。え~っ、このあたしが痛風?そんなバカな!と思いつつ、とりあえず放射線科の待合室に向かった。

 自分の番まで時間がありそうだったので、痛風とはなんぞやを調べたところ、中国滞在中の症状は確かに似ている。ただし、以下の「発症する危険の高い人のチェックリスト」に当てはまるのは、「3」と「10」ぐらいで、残りは当てはまらない。なに、読者の皆さんの中で私を知っている人からは、「お前、『4』を忘れてんじゃんかょ!」って声が聞こえてきそうですが、汗。

  1. 痛風が起きる前に血液の尿酸値が高い状態が長く続く
  2. 男性である
  3. 30歳以上である
  4. 太っている
  5. 外食やコンビニ食が多い
  6. 食事の時間が不規則
  7. アルコールをよく飲む
  8. ジュースや清涼飲料水をよく飲む
  9. 甘いものを好む
  10. ストレスが多い
  11. 家族に痛風の人がいる

 ほんとうに痛風なのかな?とか考えながらとりあえずX線を受けて、診察室に戻った。医師はX線を見ながら、ペンをぐるぐると回して、足首付近にあるビーズのようなころっとしたブツ2つを指した。「これこれ。結晶がある。昨年12月に偽痛風の発作があったんだと思われます。この結晶が体内で溶けて消える人もいれば、残る人もいる。●●さんの場合は残っていて、これがたまに痛む原因なんだと思う」とのこと。

 「偽痛風」ってなんだそれ?痛風の一種?気になって、医師を質問攻めにした。そしたら痛風とはまったくの別物だとのこと。カルシウムとかの老廃物が関節の中で結晶となることが原因で発症するんだそうだ。「結晶はそのうち体内で溶けるかもしれないが、●●さんのも今後溶けるかは分からない。今後もまた発作が起きるかもしれないので、痛みが出たらまず患部を冷やして。それでも治まらなかったら病院に行って痛み止めをもらうように」とのことでした。

 痛みや腫れが主だってない今は、医師も何ともできないようだが、とにかく中国での謎の激痛と腫れの原因や、もなもな医師の診断もまったくのデタラメであることが分かって安堵した。しかしX線を使って、6カ月前に体に何が起きたのかが診断できるなんて医療は本当にすごい。

 自宅に戻って父に「偽痛風だった」と話すと、「偽」の部分をすっ飛ばして、「おい、痛風は美味しいモノばっかり食べている人の病気だぞ。美味しいモノばっかり食べているのかぃ?」とニヤニヤ言ってきた。中国では2日に一度の割合で大量の<オイシクナイ>水餃子が出てきて、とてもじゃないけど発症前に美味しいモノなんて食べていないし、痛風と偽痛風は全く違うんだよーと説明しました。

中国での隔離中は2日に一度出てきた水餃子。とても不好吃。

 さらに偽痛風を調べると、「高齢者の女性が発症しやすい」とのこと。えええええ、あたしが高齢者か!?このくだりを読んだら、口がひん曲がってしまった。

 女性の皆さん、痛風と違ってあまり聞き慣れない病気ですが、急に「偽痛風」に襲われる可能性がありますので、くれぐれもご注意を!高齢者じゃなくてもなっちゃう疾患ですからねっ!!

 

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

もしよろしければ下のボタンをぽちっと押していただけますと嬉しいですっ! 

にほんブログ村 海外生活ブログへ にほんブログ村 主婦日記ブログへ