地球PF運用ブログ

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ドル基軸通貨体制はいつまで続くのか

米ドルが大きく上昇しています。FRBはインフレ抑制のために利上げを繰り返しており、今日と明日のFOMCで更に0.75%引き上げると予想されています。その結果、ドル高が一段と進展する可能性があります。

周知のとおり、ドルは世界の基軸通貨です。この「ドル基軸通貨体制」はそれほど盤石なものなのでしょうか。今日はその辺りを考えてみたいと思います。

お金は時代や場所によって様々な形態をとってきました。貝や石から貴金属になり、やがて今日の紙切れ(現金)と数字(預金)に至りました。無理矢理まとめると、お金は物理的なモノから抽象的な情報へと進化してきた、と言えるかもしれません。

そして現在では、各国に固有のお金(ドル、円、ポンド等)が存在していて、その中で王者に君臨しているのが米ドルです。しかし考えてみると、この仕組みは大変非効率ではないでしょうか。今日ではモノや人がグローバルに飛び交い、国を超えて様々な取引が行われています。その都度、「今のレートだと日本円では、、、」といった不毛な計算が必要になります。しかも、そのレートは日々移り変わります。もし通貨が地球上で統一されていれば、このような作業は一切不要になります。

過去には、長らく地球標準と言えるお金がありました。それは「金」(以降「ゴールド」)です。ゴールドはお金にピッタリの物質でした。地球上で朽ち果てることのない唯一の元素であり、永遠に輝き続けます。また、密度が高く加工も容易なことから、少量のゴールドで大量の金貨を作ることができます。これまでに採掘されたゴールドは全て、今でも地球上のどこかに存在しています。その総重量はわずか125,000トンに過ぎません。誰もが欲しがる非常に希少な資源です。

1944年、経済の安定化のために「ブレトンウッズ体制」が構築されました。この体制では、あらゆる通貨の中でドルだけがゴールドと交換できる唯一のお金です。ゴールドとドルの相場が固定され、更にドルと各国通貨の相場が固定されます。一般に「固定相場制」と呼ばれる仕組みですが、これは言わばドルを介した金本位制です。この時点では、まだお金とゴールドが結び付いていました。

1971年、ニクソンショックによって、ドルとゴールドの交換が停止されました。これにより、かろうじて繋がっていたお金とゴールドの結び付きが完全に断たれました。また、これを機にドルと各国通貨の相場も変動するようになりました(変動相場制)。しかし今日でもなお、あらゆる通貨の中でドルが圧倒的に強く、事実上の基軸通貨となっています。

では、ドル一強の体制は永続するでしょうか。私は2つのレベルで、それが続かないだろうと思っています。

まず、米国が今後も最強の国家で居続けるかどうか分かりません。通貨の強さとは、突き詰めれば国家の強さが反映されたものです。歴史上、世界一の国家は何度も入れ替わっています。もしかすると、今後の覇権国は中国やインドかもしれません。そのとき、ドルは基軸通貨の座から引きずり降ろされている可能性があります。実際、米国の前は英国が世界を事実上支配しており、通貨ポンドが今のドルの地位に収まっていました。

次に、こちらの方が重要ですが、そもそも現代の通貨制度自体が存続するのか分かりません。ゴールドがお金だった時代は大変長く、数千年に渡って地球上の標準通貨であり続けました。何しろ旧約聖書にもゴールドの記述がふんだんに見られるほどです。それに対して、ゴールドの裏付けを完全に失った今日の通貨制度の歴史は、たかだか数十年ほどしかありません。しかも各国バラバラにお金を発行している状態で、その価値は非常に不安定です。

私は何も「金本位制に戻すべき」と言っているのではありません。そんなことをすれば、地球全体の経済がデフレに陥りかねません。そうではなく、ただ現状の通貨制度があまりにも脆く、あまりにも歴史が浅いのではないか、と言いたいだけです。今後数十年のうちに、基軸通貨がドルから他の通貨に変わるか、あるいは今日の管理通貨制度自体が他の通貨システムに移行する可能性もあるのではないかと思っています。

 

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