読了し終えたので、髙森美由紀さんの作品
【 山の上のランチタイム 】の感想を記録していきます!
まずはあらすじからご紹介~。
-あらすじ-
都会で修行したイケメンオーナー・登磨に片思いする美玖は、
アピールポイントが元柔道部の足腰の強さだけというおっちょこちょい(失敗ばかりで解雇の危機も)。
さらに、勤務先である登山口にあるレストランに集う少々変わったお客たちにも翻弄されて――。
各小説賞&児童文学賞受賞多数の実力派が送る、旨味たっぷりの味わい深い感動小説をご堪能ください。(Amazonより引用)
✏️第一話 七歳児参りのムニエル
✏️第二話 崖っぷちのオッキ・ディ・ブエ
✏️第三話 塩むすびのてっぺんマリアージュ
✏️第四話 四十年のミルフィーユ
✏️第五話 リスタートのトリュフチョコ
全部で5つのお話が収録されていました。
ブクログの読みたい作品リストには入れておらず、ブックオフで
出会った作品でした。まず、タイトルの【 山の上のランチタイム 】
という言葉に惹かれ手に取り、装丁・装画で購入を決めました。
装画のこのオムライス…食がテーマの作品が好きな私にとっては、なんて魅力的なんだろうか!
裏にはスープとサラダのイラストも続いており、とっても素敵です。
そしてページをめくると、メニュー表のような装丁…💓
こうした細かい部分にも、ちょっとした読者の気持ちをくすぐるアイデアが盛り込まれていました。
✏️第一話 七歳児参りのムニエル
→七歳を迎えるとこの地域の子供は、しきたりで葵岳へ登り、
七歳まで無事に育ったお礼と、今後の健康を祈りに行く8人の子供たち。
その中で他の7人よりも小柄な男の子基樹くんがお話の主人公。
彼は周りの子供たちが登山中、滑って転んでも、疲れて泣き言をいっても、
黙々と頂を目指して歩を進めます。それには理由があって…
そして頂にある社に彼がお願いしたことは。
私はこのお願い事を知ったとき、めちゃくちゃ泣きました(笑)
✏️第二話 崖っぷちのオッキ・ディ・ブエ
→葵岳レストランで働くシェフ登磨の甥っ子、瑛太がお話の主人公。
彼は中学生にもかかわらず、学校には行かずにこの葵岳レストランの
ホールとして働いています。
引きこもりというわけでもなく、人とコミュニケーションが全く取れないということもなく、
なんなら気も回るし、物事もはっきりと言い自身の考えもしっかりしている。
そして勉強はかなりできる方で、いつも学年2位をキープしているほど。
たまに同級生の女の子、早苗ちゃんという子が瑛太のために宿題やプリントなどを
持ってきては様子を伺ってくれいる。
そんなある日、瑛太の通う学校の課外授業で、早苗ちゃんの班(一応瑛太も同じ班のよう)が
葵岳に登ることとなり、葵岳レストランでお弁当を注文しました。
そして、しぶしぶ瑛太も一緒に班のみんなと一緒に登山をすることになるのです。
どうして彼が学校に登校しなくなったのか…この理由となったキッカケは、
答えがでないよなぁ~と感じました。互いが互いの考えを、”そういう考えもあるんだな”という
感じで尊重をしないと息苦しくて生きていけないよね…と思ってしまいました。
✏️第三話 塩むすびのてっぺんマリアージュ
→この葵岳の出身の2人が晴れて婚約をし、結婚式を葵岳山頂で行いたいと電話がきたのです。
その際、この葵岳レストランの料理を山頂でふるまってほしいとのこと。
後日、電話口の注文者の方がレストランを訪れるのですが、何やらシェフ登磨と知り合いのよう。
どうしてこの2人は知り合いなのか、というのは直ぐに分かるのですが、
何故久しぶりの再会であったのか、や、漂う空気感の真相などは章の終わりまでお預けされました。
前職を辞めた理由を知ったときは、なんだか悔しさと、社会ってこういうところだよな、という虚しさを
感じてしまいました…。なんで真面目に向き合ってる人ほど損をしてしまうんだろうかぁ。
✏️第四話 四十年のミルフィーユ
→葵岳レストランに来店したおばあさん。見るからに登山ができない身体ではあるけれど
格好は登山者そのもの。一人で登山するのかと思ったら息子さんと登るらしい。
でもなんだが雰囲気がちょっとおかしい…。
ここのお話はちょっと切なくなる部分もありました。というのも、どうしてもこういうお話のとき
自分の母親を重ねてしまうんですよね~。そうなると胸が痛い。でも本当に後悔をする前に、
”こうならないように、私は行動をしていこう”という気持ちを思い出させてくれもします。
✏️第五話 リスタートのトリュフチョコ
→葵岳レストランで働く美玖のことが心配で仕方ない美玖の父親。
そしてある出来事をきっかけに、とうとうシェフ登磨に娘を解雇してほしい、
と懇願するんです。それに対して美玖は反論。
一旦美玖の解雇話は先延ばしとなり、美玖と美玖の父親にとって大切な日に
美玖は葵岳へ登山しよう!と父親を誘うんです。
山頂で食べるご飯(おにぎり)を葵岳レストランで注文し、山頂目指して2人は出発。
ここのお話も感情移入しちゃいました。父親の娘を心配する気持ちはとても分かります。
でもそれに口を出すのは娘側としてはかなり腹ただしい!(笑)
そして、葵岳で昔起きた事故のお話がショッキング…。誰だってそんな状況になったら、
立ち直るまでに時間を要してしまう…絶対に忘れられないし、一生の売りにその時の光景が焼き付く。
度々この作品に登場するキセキレイ(という鳥)がいるのですが、それを”きみちゃん”と呼んでいるんです。
その名前の由来がこのお話の最後で出てくるんですが、それを知って号泣しました(笑)
”きみちゃん”の名前の由来なんて気にしていなかったので、不意を突かれました。
第五話で登場するオリーブオイルと塩で作ったおにぎりが、
とっても美味しそうで仕方なかったので今朝の朝ごはんで作りました!
めちゃくちゃ美味しくて、今後も作っていこうと思います!
こうした意外な組み合わせ(自分ならしない発想)を発見できるのも、
読書の楽しみの一つ。
調べてみたら、続編が出版されていたので、また読むのが楽しみです。
여기까지 읽어주셔서 정말 감사합니다.
다음에 또 만나요!!