ヌマンタの書斎

報道したくない自由はマスコミ様の特権だ。

確定申告で多忙だったが、それでもメジャーリーガーの大谷選手の結婚報告には目を止めざるを得なかった。流し読みなので、すべてを把握している訳ではないが、やはり大谷もマスコミが嫌いなのだと思った。

うろ覚えだが、配偶者の名を言わない大谷に対して、日本人記者が何故なのかと問うと、「あなた方にプライベートを乱されますから」と笑顔で答えて記者たちを苦笑させていた。私には大谷の笑顔が作り笑いに思えて仕方なかった。

大谷が頭の良い人であることは、彼の高校時代の生活習慣などからも伺える。目標を高く設定し、それを実現するための地道な努力を惜しまず、決して現状で満足せずに一歩でも先に行く試行錯誤を厭わない。早くから英会話の習得に努め、スペイン語すら片言で話せるようになりメジャーの選手たちとのコミュニケーションを惜しまない。

そんな大谷だからこそ、不勉強なマスコミにも笑顔で接し、決してケンカ腰にはならない。だけどその裏で私生活をかき乱す日本のマスコミに辟易していることがなんとなく伺えた。その一端が配偶者をマスコミの前に出さなかったことだと私は憶測している。

実際、過去にメジャーで活躍した日本人選手の多くが、日本からのマスコミにウンザリしているが、面の皮の厚さが異常な記者たちは平然として省みることはない。これは野球のみならずサッカーでもフィギュアスケートでもノルディックスキーでも同様だ。

日本のスポーツ界では、選手も取材する記者も学校の先輩後輩関係を持ち込んで、かなり歪んだ報道をすることが普通だ。これは世界では通用しないが、日本の慣行を平然と持ち込む悪癖、あるいは厚顔無恥さが横行しているのは、海外のスポーツ関係者の間では有名な話。

だからこそ日本国内では、結婚発表はしても配偶者の情報は隠蔽したのでしょうね。どうせ海外でバレることは承知の上での行いですから、大谷の日本のマスコミに対する本音が透けて見えて興味深いと思っていました。

まぁ、マスコミ嫌いの私の偏見かもしれませんけど。