秋から冬にかけて植物が枯れていく中、パンジー・ビオラはお庭や花壇を華やかにしてくれる貴重な存在です。
近年、パンジー・ビオラの品種はとても数多く、色や姿も様々です。
価格も安価で入手しやすいものから、高価で入手が難しい希少な品種まで幅広くあります。
この記事では人気のパンジー・ビオラの品種を14種類紹介します。
パンジー・ビオラの選び方
パンジー・ビオラはかなりたくさんの品種があります。
基本的には好みのものを選ぶと良いですが、数多くの品種からお庭やイメージに合った品種を見つけたいときなどは、特徴を知っておくと役立ちます。
花の形
- オーソドックス
- フリル
- 動物型
花の大きさ
- 大輪(パンジー)
- 小輪
花の色
- 淡い色・ビビットな色・複色
- だんだん変化していく
- 模様
価格
パンジー・ビオラは品種ごとに値段にかなりバラつきがあります。
安いものだと98円ほどで入手できますが、おすすめは「ブランドビオラ」と呼ばれている品種です。
ブランドビオラは、価格が400円~900円台のものが多いです。
1苗あたりの価格が高いですが、ブランドビオラは株がぎゅっと引き締まっていることが多く、ガーデニング初心者でもこんもりと咲かせやすいのが特徴。
ただ、ブランドビオラの中には購入に個数制限があったり、入手そのものが難しい品種もあります。
一方で安価な苗はホームセンターなどで入手しやすいです。
数多く購入できるメリットがあるため、たくさん植えたい場合や買い足したい場合には都合が良いです。
しかし、安価な苗はブランドビオラに比べて徒長気味であったり、頼りないこともあるので、たくさんの花を咲かせようと思ったらお手入れが大切になります。
今回は、満足感の高いブランドビオラを中心に紹介します。
人気のパンジー・ビオラの品種
パンジー・ビオラの人気品種は以下の14種類です。
ヌーヴェルヴァーグ
パンジー・ビオラの人気品種1種類目は、ヌーヴェルヴァーグです。
ヌーヴェルヴァーグはサトウ園芸さん育種の小~中輪のフリル咲きビオラ。
『花色は100種以上』と謳われるほど、色のバリエーションが抜群に多く、ゆるやかなフリルのついた、こぶりな形の高級ビオラです。
ヌーヴェルヴァーグは高価なビオラですが、その分、株がぎゅっと締まっていて1株でもボリュームがあります。
水彩絵の具がじゅわっと滲んだような美しい花色で、ぜひお店に足を運んで実際に花色を見て選んでほしいビオラです。
青紫系の「ラピスラズリ」やピンク・アプリコット系の「アンジュ」など、人気品種は売り切れやすいので、早めの入手がおすすめです。
ドラキュラ
パンジー・ビオラの人気品種2種類目は、ドラキュラです。
ドラキュラもサトウ園芸さん育種のフリル咲き大輪パンジーです。
フリルのひだが強く波打ち、一見パンジーには見えないようなころんと丸い形が特徴。
花の大きさは5cm~8cmほどです。
ダークカラーと鮮やかな縁の色の配色バランスも良い個性的な見た目のパンジーです。特に赤いドラキュラは人気色ですぐに売り切れてしまいます。
ドラキュラは寒くなると発色がよくなり、フリルも強くなります。
変わった見た目ですが、丈夫でガーデニング初心者さんにも育てやすい品種です。
ローヴドゥアントワネット
パンジー・ビオラの人気品種3種類目は、ローヴドゥアントワネットです。
ローブドゥアントワネットはサトウ園芸さん育種のフリル咲き大輪パンジー。
ドレスのような豪華なフリルと、上品な色味が特徴の人気品種です。
ローヴドゥアントワネットの大きさはドラキュラとあまり変わらず、直径5~8cmほどの大輪の花を咲かせます。
やわらかいフリルと淡くやさしい色味の『クレール・ドゥ・リュンヌ』や、ベルベットのような深い赤が魅力の『ソワレ』など、複数株植えればロマンティックな光景が見られます。
色の変化があるパンジーなので、2番花以降に咲く花の色が購入時に比べて変わってしまう場合もあります。
シエルブリエ
パンジー・ビオラの人気品種4種類目は、シエルブリエです。
シエルブリエは花日和さん育種の中輪~大輪の花を咲かせるフリル系パンジーです。
砂糖菓子のようなパステルカラーやアンティークカラーが人気で、大きなフリルは一株だけでも目を引く華やかさがあります。
花弁が厚く、花持ちが良いのも嬉しいポイントです。
シエルブリエは色幅があり、花色も変わりやすい品種で、蕾の時と開花時の花色が異なる場合があります。
そのため、欲しい色のイメージが決まっている人よりも、色の変化を楽しみたい人向きの品種と言えます。
天の羽衣
パンジー・ビオラの人気品種5種類目は、天の羽衣です。
天の羽衣は高知県の育種家、うえた(植田)さん育種のフリル咲きミニパンジー。
ミニパンジーなので一般的なパンジーより少し小ぶりな中輪咲きタイプです。
波打つフリルがしっかりしていて花と葉のバランスも良いパンジーなので、数株植えたり寄せ植えにしても楽しめます。
花色も豊富で、淡い色からワインレッドのように濃いめの色まで揃っています。
天の羽衣は色の変化があるパンジーで、冬の花と春の花を比べると全然違う色味になることもあります。
ミルフル
パンジー・ビオラの人気品種6種類目は、ミルフルです。
ミルフルはサントリーフラワーズのフリル咲き小輪ビオラ。
はっきりとした花色も多く、人気のアンティークカラーも販売されています。
花の大きさは3cm~5cmほどで小さな花をこんもりと咲かせます。
花つき、花持ちが良いのでたくさん咲いたら室内にも飾るとよいですよ。
ミルフルはサントリーフラワーズのホームページから販売店を調べることができるので、比較的入手しやすいのがよいところ。
初めてパンジー・ビオラを育てる人やブランド苗を買ったことがない人に試してほしい品種です。
絵になるスミレ
パンジー・ビオラの人気品種7種類目は、絵になるスミレです。
絵になるスミレはサカタのタネのフリル咲きの大輪パンジーで、
豪華なフリルとブロッチの入った花びらが気品ある印象の品種です。
花径は5~6cmで大輪系パンジーの中では少し小さめ、花弁に厚みのある花持ちが良い品種です。
絵になるスミレは濃い赤から紫系の色味をはじめ、淡い色味の『パルム』や、鮮やかな黄色が目を引く『ソレイユ』など色のバリエーションも豊富です。
色幅があるタイプなので、1株でもいろいろな表情がみられます。
ももかシリーズ
パンジー・ビオラの人気品種8種類目は、ももかシリーズです。
とても花つきの良いももかシリーズは、ムラカミシードさん育種の、フリルがないビオラです。
花の大きさは3.5cm前後。
ももかシリーズは色ごとにひらがなで名前がつけられていて、苗を選ぶときに楽しませてくれる要素のひとつとなっています。
『なごみももか』は優しい色のシリーズで、アンティークな色味の「しんしん」が人気です。色幅があり、色の変化も楽しめます。
ギュっと小さくステムも短めな『ももkids』はよりコンパクトな姿でどんどん花を咲かせます。
ももかシリーズは比較的安価で入手もしやすいため、たくさん植えたい人にもおすすめです。
タイガーアイ
パンジー・ビオラの人気品種9種類目は、タイガーアイです。
黄色や赤の花びらに黒い筋がたくさん入るのが特徴のタイガーアイは、蜂蜜のような甘い香りも楽しめる珍しいビオラです。
タイガーアイはフリルがない小輪ビオラで、他にはない個性的な模様が楽しめます。
草丈10cm~20cm、花の大きさは3cmほど、花数が多くこんもりとまとまります。
インパクトのある見た目なので、かっこいい感じの鉢に植えるのがおすすめですよ。
ゲブラナガトヨさん育種
パンジー・ビオラの人気品種10種類目は、ゲブラナガトヨさん育種のビオラです。
ゲブラナガトヨさん育種のビオラは現役のネイリストさんが育種のサポートをされているため、他にはない美しい色が人気です。
インターネットで販売されていますが、流通が少ない人気品種のため、あっという間に売り切れてしまいます。
ゲブラナガトヨさん育種のビオラは花径3.5cmほどのフリルがない小輪タイプのビオラで、花つきが良く寄せ植えにも向いています。
ニュアンスカラーの『ミステリアス』シリーズをはじめ、2024年度の新品種『グラデーション』も繊細な色合いが魅力のビオラです。
紫のグラデーションが美しい『ミステリアスバニー』はうさぎの耳のようなぴょんと飛び出た花びらが特徴の品種。
入手困難な品種ですが、ビオラが好きな人にはぜひ入手してほしい一点物のビオラです。
見元園芸さん育種
パンジー・ビオラの人気品種11種類目は、見元園芸さん育種のパンジーとビオラです。
見元園芸さん育種のパンジーやビオラは個性的な見た目の品種が好きな方におすすめです。
シュッと細長い花びらが特徴的なうさぎ型のビオラや、たっぷりとしたフリルが豪華なパンジーなど、見た目に特徴のあるパンジーやビオラが多くあります。
花の大きさはビオラが2.5cm~3cm、パンジーが3.5cm前後とやや小ぶりな品種が多く、寄せ植えにも使いやすい大きさです。
花径1cm前後の極小輪ビオラも販売されています。
見元園芸さんのパンジー・ビオラはたくさんの種類がありますが、中でもチェックしてほしいのが動物シリーズです。
動物シリーズは種類が多く、「ピンクコアラ」や「シュガーラビット」など、名前にちなんだ動物が描かれた可愛らしいラベルも魅力のひとつ。
ちなみに、ラベルのイラストは見元園芸の社長の娘さんが描かれています。
ぞうさんビオラ
パンジー・ビオラの人気品種12種類目は、ぞうさんビオラです。
見た目がユニークなぞうさんビオラは、ムラカミシードさん育種のフリル咲きの小輪系ビオラ。
名前の通り下の花弁が象の鼻のようにくるんとカールしているのが特徴です。
花径2cm~3cmのコンパクトなビオラで、寄せ植えにも向いています。
ぞうさんビオラは生育環境により、下の花弁が巻かずに、普通のビオラになってしまう場合もあります。
下の花弁が巻かなかった場合でも可愛いと思える色味とフリルを持つビオラなので、流通が少ない品種ですが、見つけたらぜひ育ててみてください。
恋みやび
パンジー・ビオラの人気品種13種類目は、恋みやびです。
恋みやびは花日和さん育種のフリル系の小輪咲きビオラで、ゆるく波打つフリルと淡めの色が可愛らしい印象です。
恋みやびの草丈は15cm前後とコンパクト。
葉が小さめで花首が長いので、地植えにしても花の表情がよく見えます。
恋みやびを複数色植えると蝶々が集まっているような風景になります。
恋みやびも色の変化がある品種なので、色の移り変わりを楽しみたい人向きのビオラです。
華あられ
パンジー・ビオラの人気品種14種類目は、華あられです。
華あられは、花日和さん育種のフリル咲き小輪ビオラ。
華あられは、草丈が15cm前後で小輪の花を咲かせるコンパクトなビオラですが、花数が多いためミニブーケのように華やかです。
花色は淡い色味から、オレンジや赤の深みのある色まで豊富にあります。
華あられは色の移り変わりが大きな品種です。
元の色とは全く違う色に変わってくることもあるので、購入時の写真を残しておいて、育てながら花色の変化を比べてみてくださいね。
人気のパンジー・ビオラを植えるポイント
今回紹介した品種は、どれも1株でも華やかなものが多いため、花本来の姿を堪能するなら単体で植えるのがおすすめです。
単体で植えたら、鉢を集めて「寄せ鉢」にすると美しさが倍増します。
寄せ鉢は、寄せ植えよりも簡単に、寄せ植えの雰囲気を味わえる方法です。
寄せ植えのように植物の組み合わせや管理の難しさがないので気軽に楽しめます。
また、土の上に保温効果のあるココヤシファイバーを乗せるのもおすすめです。
寒くなる季節にぴったりのココヤシファイバーは、剥き出しの土を隠せて見た目の高級感も高められます。
ホームセンターの室内の園芸コーナーに置いてあることが多いので、探してみてください。
まとめ
今回は、人気のパンジー・ビオラの人気品種を14種類紹介しました。
ご紹介した品種はどれも人気のある品種なので、気に入った品種が見つかったら、早めにチェックして買いそこねてしまわないようにしましょう。
華やかなブランド苗は植木鉢選びも楽しいです。
ぜひ、自分の好みのパンジーやビオラと一緒に、花に合う植木鉢も選んでみてくださいね。