映画鑑賞記録㉑ 金の国 水の国

公開日:2023年1月27日(金)

入場者特典
なし

鑑賞日:2023年1月31日(火)

2014年に読み切り漫画が発表されて、全1巻で2016年に単行本が発売された作品。「このマンガがすごい!」で1位を獲得。原作は読んだことないけど、めちゃくちゃ評判が高いのでずっと気になってた。

期待通り、すごく面白かったよ。

人も資源も豊富で世界一豊かだけど、水だけは乏しくて枯渇の危機を迎えている金の国。水だけは有り余るほどにあるけど、人も資源も乏しく食べていくのも心許ない状況の水の国。お互いがお互いの欲しいものをもっていて、それが隣同士かつ仲が悪いとくれば、戦争に発展するのも当然のことなのかもしれない。

そんな状況の打破に動き出したのが、何の力もない一般人と誰からも期待されていない末端の王女ってところが夢があっていいと思う。上の人間たちだって当然国のことを考えているけど、なんかうまくいかない。それをどうにかしてやろうって話だからな。なんでもありのファンタジーとかでなく、人の力できちっと問題を解決しようとするので説得力もある。

悪い人は出てくるし、嫌なことを言う人もいるけど、それぞれに考えがあってのことで根っからの悪人は誰一人いないところが平和でとてもよい。逆に言えば個性が少なくあまり刺激的でなくて物語の盛り上がりに欠けるということにもなるが、この作品においてはそれがいいところだと思う。戦争勃発を示唆しながらも、こんなにも穏やかで平和的な世界観。これはそうそうお目にかかれるものではない。この作品を観て、キャラたち皆いい人過ぎるし盛り上がりもイマイチで物足りないなと感じた人は、現代社会を生きるのに疲れている可能性があるのでちょっと休養を取った方がいいかもしれない。優しい世界を素直に享受できる心の余裕、大事。

国の未来をかけて蒔いた種が今後どのように芽吹いていくのか。非常に気になるので後日譚もぜひほしいところ。特典小冊子とかあればよかったのになぁ。