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ロールス・ロイスCEO「我々が行なっているのは自動車ビジネスではなく高級ブランドビジネスです。よって自動車業界の常識は通用しない」

ロールスロイスの「スピリット・オブ・エクスタシー」

| ロールス・ロイスのクルマはもちろん、その顧客も常識を軽く超越している |

これほどまでに特殊な自動車メーカーも他にないだろう

さて、「人類がつくりうる最高のクルマ」をリリースしているロールス・ロイス。

そのCEOであるトルステン・ミュラー・エトヴェッシュ氏が今回「我々が行っているのは自動車ビジネスではないのです」とコメントしています。

なお、このコメントに先立って、ロールス・ロイスを有するBMWグループにてデザイナーを務めるドマゴイ・デュケック氏は「中国では、電動高級車が受け入れられにくく、中国の富裕層は高級車について内燃機関搭載車を求める傾向にある」と語っていますが、今回のトルステン・ミュラー・エトヴェッシュCEOのコメントは「今後ロールス・ロイスが電動化を進めるに際し、そういった中国の認識は天界の妨げにならないか」という(カーメディアからの)質問を受けてのことであるようですね。

ロールス・ロイスには、自動車業界の常識が当てはまらない

そしてこの問いにトルステン・ミュラー・エトヴェッシュCEOが答えたのが、上述のとおりの「我々が行っているのは自動車ビジネスではないのです」。

これはどういったことかというと、ロールス・ロイスはクルマを売っているわけではないので自動車業界の常識にはあてはまらないという意思を代弁したもので、トルステン・ミュラー・エトヴェッシュCEOいわく「私たちはクルマのビジネスをしているわけではありませんから、それは当てはまりません。私たちは高級品ビジネスをしているのです」。

ロールスロイス

トルステン・ミュラー・エトヴェッシュCEOは「クルマと高級品とは明確に区別される」とし、単なるA地点からB地点へのの移動手段は自動車製造業の領域にとどまり、同氏曰く「通勤手段としてロールスを購入する人はいません」。

じゃあロールスロイスを購入する人はどういった人物なのかということについては「ガレージに他のクルマを何台もお持ちで、ロールスロイスはディスプレイケースの中の宝石のひとつに過ぎません。そのため、ロールス・ロイスの顧客は電動化に対して非常にオープンであり、ポルシェでもテスラでも何でも、すでに電気自動車を持っていて、電気駆動系を試している方が多いのです」。

つまりはBMWのいう「富裕層」の領域を完全に超えてしまっており、しかしロールス・ロイスの顧客については、自身が興味を持つものは価格に関係なく何でも購入でき、かつ身の回りに置いておくことができる人を指しているのだと思われます(要は見栄を張らなくてもいい領域に達していて、他人に対して自身の富を主張する必要がない人々)。

ロールス・ロイス

ロールス・ロイスの顧客は「既製品と高級品との違いを理解している」

トルステン・ミュラー・エトヴェッシュCEOは「それが、自動車ブランドとラグジュアリーブランドとの大きな違い」だと語り、ロールスロイスの顧客がオーダーメイドの車を依頼し、製品を受け取るまで1年以上待つのもこのためだと述べ、ロールス・ロイスの顧客は「高級品とは、すぐに手に入る既製品ではない」ということを理解している、とも付け加えています。

「私たちのバイヤーは、”(電動パワートレーンを積む)スペクターを買うべきか、内燃機関車を買うべきか”と考えているわけではありません。それは彼らの頭の中にはないのです。すべてはスペクターの魅力に惹かれ、スペクターを欲しいと思っているのです」。

このあたりはローランドの「俺か、俺以外か」みたいな感じでもあり、ロールス・ロイスはすでに他と競合するポジションになく、指名買いがなされているということ、そしてその理由は比類なきラグジュアリー性にあるということが「自動車ビジネスの範疇を超えており、その顧客も自動車を買おうと思ってロールス・ロイスを選んでいるわけではない(クルマではなくロールス・ロイスを買う)」、と語る理由なのなのでしょうね。

ロールス・ロイス

加えてトルステン・ミュラー・エトヴェッシュCEOは、「我々ロールス・ロイスのバイヤーが、所有するクルマの1台を買い換えるためにスペクターを購入するとは考えられません。既存のコレクションにスペクターを追加する可能性が高いのと考えています。よってこのクルマが他のクルマとの競合するとも思えません。実際のところ、私たちの顧客のほとんどは、複数の(ロールス・ロイスを)所有しています。そして、もし彼らがスペクターを気に入れば、迷うことなくただ買い足すだけです」と締めくくっています。

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参照:CARBUZZ

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