魔法の痩せ薬、イングランドでやっと承認

1年以上前に「ウエストのサイズは身長の半分以下に⁉︎」というブログでウエストのサイズは身長の半分以下を保つようにすることの大切さを書きました。その中でセマグルチドという驚くほど効果のある「痩せ薬」が近々イングランドでもNHS(国民健康保険制度)で提供できるようになるという話を書きましたが、今朝のBBCにはその薬がNHSの処方薬としての承認がおりたという記事を見つけました。なんと承認まで1年以上かかっていたのですね。このセマグルチドの商品名はWegovy(ウィゴビー)で偽のホルモンを体内に送り込み空腹感を軽減し、食事の量を減らして体重減少を促す薬で、処方された場合はぺン型の注射を1週間に一回自分で投与するようになります。

この薬は前述のブログに書きましたが、効果大!そのためすでに入手可能なアメリカではハリウッド業界や有名人の間で出回り、テスラやツィッター等で有名なイーロン マスク氏も利用者の1人とか。

アメリカでは薬代は自費、あるいはプライベートの保険を利用して手に入れることができますが、このウィゴビーは月に$1,300(約18万円)かかり、高い保険料を払っていても保険会社が許可しないケースが多いそうです。そうなると庶民には痛い出費ですが、ハリウッドの大スターにとっては痛くも痒くもない?

あまりに売れ過ぎたため品切れ状態になり、同じ製薬会社から糖尿病の治療薬として売り出されていたオゼンピックという商品名の薬まで売り切れてしまい、糖尿病の患者さんに届かなかったケースもあったようです。

イギリスで承認後にかかりつけ医が処方した場合は一回の処方箋代が£9.35(約1,500円)になります。一回の処方で何ヶ月分かまでは記載がありませんでした。

この薬、スリムな体型になりたいからとお医者さんに行っても処方はされません。肥満以外に糖尿病予備軍、タイプ2型糖尿病、高血圧、心臓病、閉塞型睡眠時無呼吸症候群などの病気を抱えている人、あるいはBMI判定で重度の肥満と判定された人が対象になります。

そして処方された人には栄養士によるサポートも含む、体重管理の専門サービスによるサポートも提供されるそうです。

ただし効果がある薬のほとんどには副作用があり、この薬にも「吐き気、腹痛、下痢、嘔吐」などの他に「人相が変わってしまう」という厄介な副作用もあるとのこと。元々糖尿病の治療薬として売られていたオゼンピックという名を取って「オゼンピック顔」と呼ばれているそうです。要するに「頬がこけてしまった老け顔」で、あるサイトではオゼンピック顔の説明として「干し葡萄と新鮮な葡萄を想像してください」と書いてありました。なんと上手い例え!

ハリウッドのセレブたちはそのオゼンピック顔をどんな方法で改善しているのでしょうか?そちらも気になりましたがどこにも答えを見つけることができませんでした。

またこのNHSによる処方は最大2年までと限定されていて、過去の治験参加者やアメリカで利用していた人たちの中には薬の投与を辞めた後に体重がその後2年間で3分の2ほど戻ってしまったという報告もありました。

この魔法の痩せ薬は単に体重を減らして見た目をよくするということではなく、健康な体づくりをサポートする薬として、疾患を持っている人、どうしても痩せられなくて困っている人のように本当に必要な人達の元に届きますように。

Photo by amoon ra on Unsplash

作成日:3月8日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/health-64874243https://www.vogue.co.uk/beauty/article/ozempic-faceNBC News

アイキャッチ画像:Photo by Kenny Eliason on Unsplash

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