はしか(麻しん)とは…? 脅威!インフルエンザの約10倍感染力

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はしか(麻しん)とは…?


最近になりニュースで取り沙汰されている、はしか(麻しん)とはいったいどんな病気なのでしょうか…?


はしか(麻しん)は、ウイルスによって引き起こされる感染症になります。感染症の中でも感染力がとても高く、インフルエンザに比べると約10倍ほどの感染力があると言われています。そして、免疫を持たない人が感染した場合は、ほぼ100%が発症します。

はしかは、麻しん(麻疹)ウイルスによって引き起こされるのですが、空気中の飛沫接触によって広がります。多くは、咳やくしゃみ、会話などによって放出されたウイルスが他の人に感染することで広がっているようです。

症状

通常、感染後10日~14日後ぐらいに症状が発現するのですが、はしか(麻しん)の主な症状には、発熱発疹せき鼻水目の充血などがあります。

発疹は一般的に、顔から始まり〔初期では口の中にコプリック斑と呼ばれる白い斑点ができる〕、体全体に広がります


発疹が徐々におさまり回復期に入ればいいのですが、はしか(麻しん)でやっかいなのが合併症です。

例えば、中耳炎〔耳の中にある中耳が炎症を起こした状態〕、肺炎〔ウイルスが呼吸器に侵入し肺組織に炎症を引き起こす〕、脳炎亜急性硬化性全脳炎(SSPE)※など)〔ウイルスなどの病原体が脳に侵入し脳の組織に炎症を起こす〕などが挙げられます。

特に、妊娠中の女性免疫力が低下している人乳幼児などは合併症のリスクが高くなるといわれます。


亜急性硬化性全脳炎(あきゅうせいこうかせいぜんのうえん)〔SSPE〕

はしか(麻しんウイルス)に感染した後に稀〔10万に1人ぐらい〕に発生する中枢神経疾患〔脳や脊髄(脳の信号を体の部位に伝える部分)に発生する疾患〕です。SSPEは通常、麻しんウイルスに感染してから数年~数十年後に症状が現れる遅発性の疾患です。具体的には、麻しんウイルスが脳に潜伏し、後に再活性化して神経細胞を破壊することによって発症します。

SSPEの症状には、認知機能の低下、行動の変化、けいれん、筋肉のけいれんや硬直、視覚や聴覚の障害などがあるのですが、この病気の治療法は限られ進行を遅らせることは難しいと言われます。そのため予防接種を受けることが最も効果的な対策とされています。


ワクチン接種


麻しんウイルスはワクチン接種によって予防することができます。


日本では、麻しんワクチンは2回が推奨されており、1歳に1回5~6歳ごろ(小学校入学前の1年)にもう1回が定期接種になります。


また、成人に対する追加の予防接種も実施されています。それにより、多くの人が麻しんに対する免疫をつけることで、感染拡大を抑えることができると言われています。