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【1286冊目】人新世の「資本論」


kurogenkokuです。
1286冊目は・・・。

 

 

【kindle版】

 

 


人新世の「資本論」
斎藤 幸平 著  集英社新書


今朝の日経新聞でも紹介されていましたが、人新世とは「人類が地球の地質や生態系に与えた影響に注目して提案されている地質時代における現代を含む区分」のことです。
Amazonので非常に評価の高い本ということで、購読してみました。『人新世の「資本論」』についてよくわからずに読んでみたのですが、結局のところ、「地球温暖化をはじめとする環境問題」や「貧困の差(富の偏重)」について、それを引き起こしたのが資本主義と断罪し、マルクス主義への回帰を促している。そんな話です。


「地球温暖化をはじめとする環境問題」や「貧困の差(富の偏重)」の解消については、著者のおっしゃる通りで、我々を取巻く諸問題としては、最も優先度の高い課題と言えるでしょう。一方、資本主義からの脱却はひとまず置いといて、マルクス主義への回帰は果たして正しい選択なのか。この権利の排除という点で、スペインの組合組織の事例をあげていますが、これは良しとして、そもそもマルクス主義の負の面もしっかりとらえていかないと、個人的には「すべて著者の言う通りですね」とはなかなか言えないというのが正直な感想です。
一方、気候ケインズ主義は限界で、中途半端なやり方では「地球温暖化をはじめとする環境問題」や「貧困の差(富の偏重)」は解決しない、だから「経済成長を止めろ」というのが著者の主張です。ピケティの「21世紀の資本」のときもそうでしたが、理想的な方向性を実現するには、やはり大きな壁があるなぁと思ったりしました。


【目次】
はじめに ― SDGsは「大衆のアヘン」である!
第1章 気候変動と帝国的生活様式
第2章:気候ケインズ主義の限界
第3章:資本主義システムでの脱成長を撃つ
第4章:「人新世」のマルクス
第5章:加速主義という現実逃避
第6章:欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム
第7章:脱成長コミュニズムが世界を救う
第8章 気候正義という「梃子」
おわりに ― 歴史を終わらせないために


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