こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。2週間にわたって行われていた全豪オープンが幕を閉じ、男子ではジョコビッチ選手が、女子はサバレンカ選手が優勝しました。ジョコビッチ選手は史上最多タイの22回目、サバレンカ選手は初優勝で優勝回数だけ見ると対照的な2人でしたが、ジョコビッチ選手はグランドスラム最多タイとランキング1位が、サバレンカ選手はグランドスラム初優勝がかかって相当のプレッシャーがあったと思いますが、両者ともにそれを感じさせない攻撃的なプレーや強靭なメンタルは真のプロフェッショナルを感じました。常人には到底真似のできない芸当ですが、その姿勢はぜひ見習っていきたいと思います。

さて、今回はセンコーカップの準決勝のレビューをお伝えします。準々決勝は1セットダウン、2セットも0-2からという苦しい状況からなんとか逆転勝ちを収めましたが、反省点の多い内容でした。準決勝では、その反省を活かして前半からしっかり締まったゲームをしていこうと考えていましたが、良くも悪くも難しいゲーム展開となってしまいました。それでは詳しくお話ししていきます。

準 決 勝 6-3 6-4 

対戦相手:辻本 学(花園テニスクラブ)

事前情報:前回大会の優勝者、全日本ベテラン(ダブルス)優勝者

プレースタイル:

ハードヒット型オールラウンドプレーヤー

・キレのあるサービスを持っている

・ベースラインからエースがとれるストロークを打ってくる

・ネットプレーのレベルが高い

・バックハンドはトップスピンとスライス両方を器用にこなす

・力んでストロークミスをすることがある

戦  術:

①早いストロークに打ち負けないようにテークバックを早くして打点を前でとらえる

②前半はアンフォーストエラーをしないようにじっくりラリーをしていく

③エースを取られてもあせらずに、自分のプレーを貫く

④相手の速いボールに対してカウンターショットで対抗する

⑤ショートクロスを織り交ぜながらコートを広く使って攻撃する

戦  況:

初対戦という事もあり、第1ゲームの自身のサービスゲームはお互い相手の出方を伺うような慎重なストローク戦となったがキープし、第2ゲーム、第3ゲームはお互いブレークし合って2-1となった。第4ゲームも調子が上がらない相手のサービスゲームをブレーク、次のサービスゲームをキープし、4-1となった。その後お互いのサービスゲームをキープし合い、5-3となり、サービングフォーザセットとなった。

実は、5-2の相手のサービスゲームでセットポイントがあったにもかかわらず取り切れず、嫌な流れになっていた中での第9ゲームであり、そこでも40-40となり、セットポイントとブレークポイントが同時に訪れた。この試合の流れを左右する大きな1ポイントとなった。自身のセカンドサーブから始まったラリー戦は相手優位で進み、短いボールをアプローチしてネットに出てきた。やっとの思いで返球した力のないパッシングショットは、いつもであれば簡単に決められていたであろうが、運よく相手が足を滑らせミスショットとなり、薄氷の思いで6-3と1セットを先取した。

この時点で少し不思議な感覚に陥っていた。昨日は1セットダウンで2セットも0-2という厳しい状況であったが、1セットの後半からリズムよくテニスができていたため、挽回できるという心の落ち着きがあり、案の定、2セット、ファイナルセットと連取し勝利した。状況だけ見ると1セットをアップしている今日は昨日よりもずっとポジティブであるはずなのに、心に余裕がなく、焦りに似た感覚だった。その理由は、昨日とは真逆でリズムが良くないのに、結果的にゲームが取れている。つまり、内容と結果のアンバランスが起きていたことにあった。

2セットでは、自分のリズムを取り戻すことを第1に考えてプレーすることを心掛けた。しかし、流れが悪いままゲームは進んでいった。2ゲーム目まではお互いサービスゲームをキープし、1-1の第3ゲームの相手のサービスゲームでブレークポイントを握ったが、相手のフレームショットがサイドラインぎりぎりに収まり、キープされ1-2となり、第4ゲームはその流れのままブレークされ、1-3となった。第5ゲームもブレークポイントを握るも、取り切れず1-4となり、最悪の流れで自身のサービスゲームを迎えることになった。

逆に相手選手は、持ち前のハードヒットストロークがコート深くに突き刺さるようになり、こちらは完全に守勢となった。第6ゲームも完全に流れは相手にあるものの何とか2ポイントずつ取り合って30-30となった。今から振り返ると次の1ポイントがこの試合のターニングポイントとなっていた。こちらとしては、このポイントを落として30-40となると、試合の流れからブレークされていた可能性が高く1-5となるため、2セットの逆転は難しくファイナルタイブレークの勝負となる。

ただ、相手の勢いを止める自信はあまりなかったので、そのまま負けていたと思う。そういう意味で自分が勝つためにはこのポイントを取るより他なかったが、ファーストサービスをフォルトし、セカンドサーブとなった。自分のセカンドサーブを相手選手は強打し、リターンダッシュしてきた。バック側に鋭く入ってきたショットだったが、強気にクロスにパッシングショットを放った。ボールは相手の足元に収まりミスを誘い40-30となり、次のポイントも取って何とかキープし、2-4となった。

ここで少し流れがこちらに傾いてきたことを感じることができた。この試合で始めて訪れた感覚だった。ここからも劇的に自分のプレーがよくなったわけでなかったが、その流れに乗って粘り強くプレーしたことで相手選手のミスが多くなり、第7ゲームをブレーク3-4とすると第8ゲームもキープし、再び第9ゲームもブレークし、5-4アップのサービングフォーザマッチを迎えた。

ここで考えたことは、流れを渡さないようにより堅実なプレーをする。つまりファーストサーブをしっかり入れていくことを考えた。結果、4ポイントすべてサービスポイントで取ることができ、6-4で2セットも取って勝利することができた。

気 づ き

①昨日の反省を活かし、前半はいつも以上に慎重に入ったことで、締まったゲームにはなったが、守備的なゲーム展開となってしまい、自分のリズムやペースで試合を進められなかった

②相手のテニスによっては、自分のリズムでゲームができないことも想定しておき、攻撃ではなく、守備的なテニスも時には必要であることを理解しながらゲームを進めていくことが大切である

③流れが悪い時は、ノーアドがなかなか取れなかったり、アンラッキーなショットがあったりするが、必ずまた流れが来ることを信じて我慢強く自分のリズムを取り戻すプレーに徹することが大切である

④自分の気持ちが焦っていると感じている時ほど、ゆっくり間を取るなど心を落ち着けて次のプレーに向かうことが大切である

⑤最後はメンタルでの勝負となることが多いので、ネガティブな状況が続いても決して自分を卑下せずに励まし鼓舞し続けることが大切である

昨日とは違う状況ではあったものの負けを覚悟した試合でしたが、何とか勝って決勝戦へと進みました。しかし、実は、前述していたこと以外で試合に入る前に自身のミスがあり、試合の入り方を難しくしてしまったことがありました。

それは試合開始時間の確認ミスでした。本大会は初日からファーストラウンドの試合開始時間が10時に設定されており、この日もファーストラウンドに入ることが決まっていたので、開始時間が10時だと思い込んでいましたが、この日に限って開始時間が9時半になっていました。

試合開始時間に遅れる時間ではなかったのですが、到着したのが9時前で急いで着替えてアップをしてすぐに試合開始となりました。体の準備はできていたのですが、心の準備が十分ではなく、試合が始まっても何かいつものような緊張感はなく、どことなくフワフワとした感覚のままでした。

それがプレーにどれほど影響したのかは分かりませんが、少なくともいつもの盤石のメンタル状態でなかったことは確かでした。いつもなら遅くとも1時間以上前には会場入りして、試合開始の15分ほど前にはアップも含めすべての準備を終え、最後の時間を試合に向けて集中力を高めていくためにとっておくのですが、それがこの試合に限ってはできませんでした。

試合の入り方は、その時のメンタルの状態に影響されることを身をもって体感し、今後十分気をつけようと心にとめました。さて、このようなハプニングがありながらも運よく決勝戦に残れましたので、この反省を活かして最高の内容の試合をしようと心に決め、帰路につきました。

決勝の対戦相手は初顔合わせではありましたが、前回大会でベスト4、そして全日本ベテラン大会も常連でJOP大会でも活躍している強者でした。ただ、相手が誰であっても、最後は自分のテニスをやり切ることを最大の目標として、試合に臨みました。決勝戦は悪天候の中、また相手のトリッキーな作戦に苦戦した試合となりました。その試合については次回お伝えします。最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

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