命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

真夏の大雪高原温泉沼めぐり_1:ヒグマ情報センターでレクチャーを受けて登山口へ

大雪高原温泉~ヒグマ情報センター~高原沼~ヒグマ情報センター_1

【登った時期】2021年8月上旬
【同行者】なし

ヒグマ情報センターでレクチャーを受ける

【大雪高原温泉沼めぐり登山コース】は、

北海道大雪山系高根ヶ原のふもとに点在する沼をめぐるハイキングコース。
ヒグマ生息地を通るため、入山前にレクチャーが必要なこのコースを歩いてきた。

どんよりと曇った朝だが、
お天気は回復傾向という宿(大雪高原山荘)の情報を得て「大雪高原温泉沼めぐりコース」を歩くことにした。

前夜まで緑岳と迷っていたけれど、緑岳方面には親子熊が出没していると聞き、沼めぐりに決定。

雨の後は道がぬかるんだり水が流れているところもあるので、長靴の方が気にしないで歩けるとのアドバイスをもらい、宿で長靴を借りた。

登山靴じゃないと歩けない山道ではないようで、レンタルの長靴はサイズも豊富に揃っている。
ぴったりの長靴をレンタルし、お弁当を受け取って、出発だ。

高原沼めぐりコースを歩くには、【ヒグマ情報センター】で入林届けを出しレクチャーを受けなければいけない。

【ヒグマ情報センター】は駐車場を挟んで大雪高原山荘の前にある。

コースの入り口はこの【ヒグマ情報センター】の建物内にあり、スルーしないに徹底されているのだ。

つまり、入山者と下山者の確認もしてくれているということで、
万が一のことがあっても、行方不明にはならないですみそうだ。

まず受付の監視員さんに入林届けを出し、ビデオを見てヒグマとコースについて基本的な知識を学ぶ。

監視員さんはなんとなく百戦錬磨のマタギのおっちゃんみたいな人を想像していたが、アイドルグループにいそうな若い青年であった。

入山とコース利用のルール

このコースはヒグマの生息地におじゃまするので、入山については厳しいルールが定められている。

●【ヒグマ情報センター】で入林届けを出しレクチャーを受けてから入山する
●入山時刻:7:00(監視員が巡視して安全を確認してから)~13:00
●下山時刻:15:00までにヒグマ情報センターへ下山すること。

 そのための各地点の最終下山時間
 ・高原沼 13:00
 ・大学沼 13:30
 ​・緑沼  14:00

●食事:下記3か所でだけ可能

 ・緑沼
 ・大学沼
 ・高原沼
 *但しこの3か所でも火気厳禁

●トイレ:無し

携帯トイレを持参し持ち帰る。
下山後に【管理センター】の携帯トイレ回収BOXに捨てる
*緑沼に携帯トイレブースあり

大雪山のヒグマに関するレクチャー

ビデオの後は、監視員さんが毎日のパトロールに基づく情報から特に注意するポイントなどを詳しく説明してくれた。

基本の歩き方

●大雪山ではヒグマが人を襲う事件は70年起こっていない。

人間と熊との距離が適切に保たれているので、これからもこの環境が続くようルールをしっかり守って欲しい。

 

●とにかく熊に「出会わないこと」が一番大事。

●このあたりの熊はまだ人間を避けてくれるので、人間の存在を知らせながら歩く。

紅葉の時期は渋滞するようなときもあるが、今日は入山者が少ないので熊鈴はザックにつけるより、手に持つかストックにつけてずーっと鳴らして歩くくらいの勢いで。

●熊が食事中は夢中になって鈴に気づかないことがある。
曲がり角や見通しの悪いところ、熊の食痕多いエリアでは更にホイッスルを慣らすとか手をたたくとかして注意を促す。

●とはいうものの、
最近、好奇心旺盛で人間を見てもすぐに逃げずにじーーっとこちらを見ている個体がおり、気をつけて動向を監視している。
今日は確認されていない。

●万が一出くわしてしまったら、動かないこと。
じりじりゆっくり後ずさりしたまま遠ざかれなどともいうが、とにかく静止。
熊の方で立ち去ってくれるはずなのでひたすら我慢

手も動かさない。
手をさっと動かしただけで、熊は「こいつ襲ってくる?!」と思うから。

 

わかりました。

万が一出会ってしまったら、木になった気持ちで立ち尽くします!

 

最近の情報からの注意事項

目撃情報、糞、足跡、食痕などの情報が書き込まれているカレンダーをみると、7月中旬以降目撃情報は激増している。

●ヒグマは水芭蕉を好んで食べるので、水芭蕉群生地には注意。
水芭蕉ってあれだよね、
「夏が来れば思い出す~~水芭蕉の花が咲いている♪」
あんなの食べるの??
と思ったら、根っこを食べるそうだ。

ちなみにこの日の朝はセンターからすぐ数百メートルの水芭蕉エリアにも食痕があったらしい。。( ゚Д゚)

●本来はこの沼めぐりは周遊コースだが、現在は熊の出没数が多いため【高原沼】より先は立ち入り禁止。
高原沼から折り返すこと。

クマスプレーは最後の手段

今回の山旅にあたり、念のため【熊スプレー(ヒグマ用)】をレンタルしていたので、この【最後の手段】であるスプレーについても相談してみた。

クマスプレーはもちろん無いよりはある方がいい。
ザックのポケットにいれていても意味がないので腰にぶらさげてすぐ手が届くように。
とにかく動かないのが一番だが、それでも熊がどんどん近づいてきたら発射する

でも、相当近づかないと届かないので焦って発射しないように。

距離はできれば3m以内、少なくとも5m以内。
3mってどれくらい?
センター内のヒグマ剥製の前に近づいてみる。。

・・・近い。

3mなんて目と鼻の先やん。

5mでも耐えられるかどうか。

センターに入ってからずっと気になっていたこの母熊。
並んでみたら私は肩にも届かないくらいだった。

そして入山

そして、もう一つずっと気になっていたのだが、
このレクチャーの間私はずっと一人であった。

本日入山したのは私より1時間ほど前に入った男性1名のみだとか。

なんということでしょう!

・・と、嘆いていても他の登山者は現れないので、監視員さんにお礼を言って出発。

クマスプレーをお守りとして腰にぶらさげ、熊鈴はストック紐に結びつけた。
監視員さんが山中にいる監視員さんらしき相手に
「今から女性1人入山します」と無線?で連絡している声を聞きながら、センター内にある登山口のドアを通っていよいよ入山。

コース前には靴底を洗って入山するよう看板あり。
目の前の宿で借りた長靴ではあるが、洗っとこ。

木道はすぐに終わって土の道が現れた。
いきなり見通し悪いんだけどーっ

空はまだ薄曇り。
鈴をじゃんじゃんじゃかじゃか鳴らすためにもストックを元気よく振りながら出発だ。